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「まあ普通っすね。もう一回先行の選手が今度は赤いボールを投げるっす。できるだけ白いボールに近づけて投げるのが定石っすかね」


 もう1度、今度は赤いボールを赤い腕章をつけた選手が投げる。

 今度も下手投げで赤いボールを白いボールギリギリ数センチくらい右に付けた。

 またモニターに赤いボールの位置を示した赤い石のような表示がされる。


 「次は後攻の青の選手が青のボールを投げるっす。最終的に白いボールに近いほうのボールがあるほうの勝ちなんで、相手のボールを吹き飛ばすのもありっすね」


 そうダンが言っていると、そのとおりに青い腕章の選手は灰色の線ギリギリから上手投げで、思い切り赤いボールめがけて青いボールをぶつけるように投げる。

 すると赤いボールははじけ飛び黒い領域に吹き飛ぶ。

 青いボールは白いボールから左下15㎝少々くらい離れた黄色の領域内で止まる。

 さっきとまた同じでモニターに青い石のようなものが白い石ときちんと同じ位置関係で出て、赤い石は消える。

 この光景を見ていて思いだした。

 俺はテレビか何かでこの競技のようなものを見たことがあった。

 当時はカーリングのような競技だなと思ったのを覚えている。


「6球ずつ交互に投げて、全部投げ切ったとき、白いボールに一番近いほうが得点を得るっす」


「もし一番近いボールが赤で、次に近いボールも赤なら2点っす。色が違うのにあたるまで得点っすね」


「それを3セットやって得点が多いほうの勝ちっす。同点だと勝ち越しするまでやるっす」


 テレビでみた競技とは若干ルールが違う気がする。

 賭け用のルールなのかもしれない。


「あとは客用に5点差以上つけて勝つと元の倍率から2倍になる賭け方があるっす」

「今、赤の選手が5点差つけて勝てば2.6倍になる。そういう賭けも方がある、でいいのか?」

「そうそう5点差なんてつかないっすけどね」


 勝ってかつ5点差以上つければ倍付、うまく賭けるとすぐ3倍くらいになるのか。


「掛け金は中銅貨1枚からできるっす。たぶんあっちの人らは平気で銀貨を賭けてるっすよ」


 ダンは逆側を顎で指す。

 1試合に10万円単位で賭ける人種もいるってことだ。

 小市民である俺たちにはせいぜい大銅貨、だいたい1万円が限界なのにな。

 暫く眺めていると6球ずつ投げ終えたようだ。

 モニターに白いボールから他のボールまでの正確な距離が表示されている。

 モニターに精巧な線が引いてあるのはこのためだったらしい。

 手で測る必要がないのか。

 1セット目に勝ったのは赤で、1得点だった。


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