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「あれ? 早いんじゃない?」
魔法協会の中に入ると、ちょうど受付でアイフェが何か話していた。
「もうできたから、すぐに印刷してもらえるかな?」
インクとか紙を渡す。
「うん。じゃあこれを印刷してもらえる? 何枚いるの?」
「50枚で」
「はい、中銅貨6枚ですね。全部で大銅貨2枚と中銅貨6枚です」
アイフェは俺が渡したそのままを受付に全部渡す。
(あ、アイフェの取り分ないのか)
てっきり1割くらい手間賃が入ってるのかと思っていたが。
今度昼飯でも奢ってあげよう。
「この時間からだと・・・・・・明日の昼にはできてると思います」
「じゃあアタシが受け取ってお昼に渡すよ。どうせお昼食べにそっち行くし」
それならちょうどいいな。
「ふうん、串焼き屋の宣伝ね。アタシもこういうのやってみようかな」
「アイフェさんは講義に遅れないのを頑張ってください」
「ちぇっ、みんな真面目なんだから。あーあ、こんなんなら時計いらないよねぇ」
一般市民より魔法で時計が使える分時間に厳しいらしい。
遅刻はしない性分だったが、異世界へ来てからだいぶルーズになった気がする。
礼を言って魔法協会から帰る。
夜、フマルに酒を奢った。
まさか1杯中銅貨3枚もするのは予想外だったが、恩人への礼は怠るべきではないし、言ってしまったプライドもある。
ここ数日でずいぶん金使ったなぁ。
翌日、アイフェから印刷されたチラシを受け取って、昼飯を奢る。
特に拒否されることもなく普通のランチにしてくれた。
アイフェはもっと欲張ってもいいのにな。
ギルドに戻ってフマルに1枚チラシを張ってもらう。
「この辺でいいですかね?」
カウンターの前のよく見える位置に画びょうで張ってくれた。
「勝手に貼って大丈夫ですかね?」
「まあラベン様に何か言われたら剥がしますよ」
「あとは・・・・・・他の場所、ここら辺の地区の店とか役所に頼めば貼ってくれるますかね?」
「流石に飲食店は避けたほうがいいと思いますけど、概ね許可してくれると思いますよ」
俺が頼みに行っていいのか?
よく考えたら立場的にやっていいのか怪しい気がするが。
「いいんじゃないですか? 勇者様御用達ならそれだけ話題になりそうですし」
店が面倒なことにならなければいいか。
俺はチラシを持ってギルドを出る。
まずは中流区の雑貨屋で画びょうを買った。
貼ってもらう以上これくらい用意していくべきだろう。
ついでにチラシを張ってくれないか頼むと快く承諾して貼ってくれた。
そこから南西側のライバルである飲食店以外を巡って、チラシを貼ってもらえるかどうか聞いていった。
成果は上々、拒否されることは一度もなかった。
余裕で50枚使いきった。
これであとは効果がでるのを期待して待つだけだ。
翌日、朝食を摂ってからダンの店に向かう。
「とりあえずチラシを貼ってきた。すぐには効果が出ないだろうけど」
「わかったっす。これで売り上げが出れば勇者様様なんすけどねぇ」
そんな会話を席に座ってダンとしていると、
「肉と野菜、1本ずつお願いします」
いつの間にか横の席にマレインが座って注文していた。




