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「用意している串焼きの量は?」
「肉50本と野菜30本っす。今のところ売り切ったことはないっすね」
じゃあ客が20人くらいになれば売り切れってところか。
せっかく大きい肉や野菜がよいのだから小さくする必要もないだろう。
とりあえず、この店でメインにしたい客は門の出入りしている商人、役所区で働いている人だろう。
「なあ、ここは商人とか役所で働いている人が最も来やすいよな?」
「そうっすね。他の地区からわざわざ来ないでしょう」
それならおそらく商人や役所勤めならば文字が読めるはずだ。
チラシを配る、貼り紙などで集客できるはず。
この店に足りないのは宣伝、それは間違いないはずなのだ。
確信はないがやってみる価値はあると思う。
「この場所を書いた張り紙とかで宣伝ってしていいのかな? 人の家とかに勝手に張ったらまずいよな?」
「何をしようとしてるのかわかりやせんが、勝手に貼るのはまずいっすね」
まあ配布の仕方はあとで考えるとして、チラシを刷ればいいかな。
「とりあえず2~3日中に考えた集客方法をやってみる」
「あっしはそういったことには疎いんで任せるっす。客が増えたらアキラ様のおかげってことでいいっす」
ということでギルドに戻って暇そうにしているフマルに聞いてみる。
「フマルさん、絵がうまいんですよね?」
「うまいかどうかはともかく、普通に書けますよ」
「串焼き屋を宣伝するための文と絵を書いてほしいんですけど」
「構いませんよ。普通の依頼書みたいなのでいいんですかね?」
「はい、でもちょっとアイフェさんに聞いてから書いてもらいます」
フマルに書いてもらえることになった。
そういってギルドを後にして、今度はアイフェに聞くことがある。
食酒所へ行き、
「こんにちは、アイフェさん。ちょっと頼みたいことがあるんだけど」
「うん? アキラ様はお得意様だからなんでも聞くよ」
「魔法協会って新聞を印刷してるよね? 依頼書みたいなやつを印刷ってできる?」
「専用のインクで専用の紙へ書いてくれればできるよ。まあまあ高いけどね」
これは必要経費だから仕方ないと割り切ろう、最低一月くらい生活できる金が残ればいい。
損して得取れだ。
「いくらくらいかかるかな?」
「1回だけの、機器はレンタルでいいんだよね? このくらいの1枚、元になる専用のインクと紙で大銅貨2枚」
アイフェはA4くらいの大きさを手で示してくれる。
思っていたよりは遥かに安い。
「何枚刷るかによるけど、多く刷れば安くなるよ。大体10枚で中銅貨2枚とか。そこから10枚ごとに中銅貨1枚」
とりあえず50枚もあればいいかな。
「元を1回作れば以降は何度も使えるのか?」
「もちろん、使えるから必要な分だけまた刷れるよ」
それならあまり多くしなくていいな。
効果が出るかどうか一旦確認してみてから増やそう。
というか、その値段ならそこらじゅう宣伝の張り紙だらけになりそうなものだが




