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「へー、今更勇者候補様が来たんすか。んん~? 能力低いっぽいっすね」
「一応俺の能力を見たのは秘密な」
「ああ、なんかあるんすね。別にお客もほとんど来ませんし誰にも言わないっすよ」
「客少ないんだな」
味もいいし、ボリューム満点だしもっと流行っていい気がするのだが。
「そうなんすよね・・・・・・自分でも味はいいと思うんすけど。うち、今年から始めたばかりなんすよ」
まだまだこれからの店ということか。
「肉串をもう一本くれ」
「あいよっ」
中銅貨をだしてお釣りをもらう。
この量ならば3本もあれば男の昼飯としても十分だろう。
「ごちそうさま」
「どうもっす」
腹もこなれたし、もう少し歩いて帰ろう。
俺は南西の役所区画を縫うようにして歩いてギルドに戻る。
もう日が暮れていた。
「おかえりなさい。鐘が鳴ったら店を閉めますので、一緒に銭湯行ってご飯行きましょう」
「わかりました。いったん部屋に戻って支度します」
フマルと銭湯へ行き、夕飯を食べて戻る。
そうして1日が終わった。
色々な場所を歩くこと2週間くらい。
もう地図なしでも中流区と役所区画、下流区の一部は大体歩けるようになった。
ここで問題が出てきた。
そろそろ何か仕事をしないといけないかもしれない。
なんだかんだで金を使っているのだ。
もう虎の子の小銀貨を崩すところまできていた。
「フマルさん、俺でもできる仕事って何かありませんかね?」
「う~ん、一応勇者様の身なりですから・・・・・・まさか食酒所でウエイターとかは無理ですしね」
「かといって街の外で冒険者の仕事も現実的ではないんですよね」
「やめておいたほうがよろしいかと」
この見た目で能力もないと、仕事も制限されるんだよな。
「とりあえず、街を見て探してみます。なにかできそうなものがあったら教えてください」
「はい、こちらでも探してみます」
街へ出てみる。
なにか裏方でできる仕事はないだろうか。そして能力がいらないやつ。
アイフェのところの雑用とかが最有力だろうか。
忙しい研究職ならば人手がいるだろうし。
考えながら適当に歩いていたらもう昼だ。
そして丁度、前に食べた西門近くの串焼き屋あたりだ。
あそこで昼食にしよう。




