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「アタシはもう協会へ向かわなきゃだけど、一人で帰れる?」
「来た事のある道だし、地図もあるから平気だと思う」
「なら、また明日ね」
「うん、また明日」
アイフェと別れ、1人で地図を見ながらギルドへの道を行く。
特に迷うことなくギルドへたどり着いた。
「アキラ様、お帰りなさい」
「地図を買って、雑貨屋へ行って買い物して帰ってきました。・・・・・・アイフェさんにだいぶお世話になりましたけど」
「あら、よかったじゃないですか」
「アキラ様をマレインが探していましたよ。箪笥を運び入れたいそうで」
そういえば箪笥が届くと言っていたな。
「寮の部屋で待っていると思うので声をかけてください。一人では持てないと思うので」
「わかりました」
寮の入口横に箪笥が置いてあった。
これを俺の部屋へ運ぶのだろう。
マレインの部屋をノックする。
「はい。ああ、アキラ様、箪笥を部屋へ入れましょう」
俺は自分の部屋の鍵を開け、机に荷物の入ったカバンを置く。
そのあと2人がかりで箪笥を部屋へ入れる。
ベッドの横に箪笥を置いた。4段の箪笥だ。
「これでいいでしょう」
マレインに礼を言って、部屋に戻るのを見届けて扉を閉める。
だいぶ異世界の生活も板についてきたかな。
夜を告げる鐘を待ってギルドに行き、フマルと一緒に銭湯と夕食へ行った。
そして今日も1日が終わる。
朝起きて、晴れていたらマレインと洗濯をして、ギルドへ顔を出し、食酒所で朝食を摂る。
もう慣れた朝の習慣だ。
今日は昼にアイフェから髭剃り用の潤滑材を受け取るつもりだ。
それまでに昨日買った地図の見方をフマルに教わる。
「今、私たちのいるギルドは南西のここ、こちら側が下流区、その北側が上流区です。どちらも用事が無ければ行かなくていいかと」
「わかりました。覚えておきます」
「とりあえずギルドから北にだけにしておいたほうがいいと思います。治安的に」
「上流区も治安が悪いんですか?」
行かないほうがいいという以上、向かう気はないのだが聞いておく。
「治安は問題ないですが、一応勇者様の見た目のアキラ様では客引きがしつこいかもしれませんよ」
そういうことか。
この辺りを歩く分には売り物がないから声を掛けられないだけで、当然勇者は金持ちという前提があるよな。
なにせ勇者だからな。本来なら金に困るということはあり得ないのだろう。
いろいろフマルから聞いて、当面は行くのならばここから北側の中流区までにすることにする。
昼の鐘が鳴った。




