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「魔法使いが冒険者になるとき必ず時計を買う、そう言われるくらい大事な役目だよ。日の当たらない場所へ行くこともあるから、時間が決められている依頼を受けるのに必須なんだよね」


 言われてみればゲームなんかでは地下でも勝手に時間が分かるようになっていたりするが、実際には体内時計しか頼るものがないので危険だろう。


「時計は魔法協会の専売だから。これで私たちは食べていけてるようなものだし」

「地図も時計も魔法協会で扱ってるのなら、他の場所にいる人と話せるものとかも扱ってるのか?」

「おっと、そのことはあんまり知られてないはずなんだけど? フマルにでも聞いたのかな? まあいいか、すごく高価だけど、あるよ」


 やはり電話のようなものもあるらしい。

 

「はい、到着」


 着いた場所は大小たくさんの煙突が並ぶ、数階建てのところだった。

 すぐ近くに建物はない。

 周りと比べてこの建物だけやたらと大きく、煙突からもカラフルな煙が出ている。


「まあ1階は大丈夫、一般人も平気、たまに危ないことやるから周りに建物は無いんだ」


 煙を見て、不安そうなのが顔に出ていたらしい。


「魔法と魔石の研究をする施設でもあるから、使える魔石の研究はいつでも危険と隣合わせなんだよ」


 頑丈そうな金属製のドアを開けて中に入る。

 ギルドと同じで受付がある。


「アイフェさん、お早いお帰りですね」

「ちょっとお客さんが来てるんだ、街の地図が欲しいんだって」

「わかりました、今出しますから待っていてください」

 

 受付さんは後ろに引っ込んで地図を探してくれている。

 カウンター近くにあるガラスケースには魔石のサンプルが並んでいるようだ。

 

「私たちの研究で見つかった、いろんな機能を持つ魔石を並べてあるんだ。これをいくつも組み合わせれば遠くの人とも話せるってわけ」


 魔石の組み合わせでどんなことでもできそうに聞こえる。

 だけど実際にはとんでもない苦労をしないと実現しないのだろう。

 現代でも研究職というのは限られた人間しかできないものだ。

 魔力がないとスタート地点に立てないのであればなおのこと難しいだろう。 


「時計とか、つい最近、日の位置に反応する魔石が人工で作れるようになったからずいぶん安くなったんだけど」


 人工の魔石もあるのか。


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