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「この街での冒険者は兼業の方がほとんどですかね。普段は魔法協会や教会、貴族の剣術指南などで生活していて、必要になったら呼んで集まってもらう感じですね」


「全員合わせても20人もいないんじゃないかな? 昔は専業の方も多かったのですが、今はそれくらいですかね」

「例えば遺跡の探索とか、そういった冒険らしいことをすることはないんですかね?」

「少なくともこの近くに遺跡などはないですから。もっと魔王側の領地に近ければ未開拓の場所もあるかもですけど。正直、冒険者っていうのは名ばかりで、実態は何でも屋ですね」


 冒険者というのは、剣と魔法がものをいう世界かと思っていたがまるで違うらしい。


「もっとも、アキラ様の思っていらっしゃるような印象を冒険者、勇者様へ抱く方も少なくありません。もっと田舎から来ている方は冒険者を魔物狩りだと思っている方がいます」


 俺がこの街へ来たのも本当に運がよかったようだ。

 とてもじゃないが魔物狩りなんてできる気がしない。

 ここまでの街やこの世界の情報をまとめよう。

 東西南北とその間に門がある。

 地区によって貧富の差や店のある場所が固まっている。

 魔法はあるが、誰でも使えるわけではない。

 娯楽は少なく、酒は日常的に飲む。

 移動手段は馬車や牛車がある。

 冒険者という職はあるが実態は何でも屋。

 聞けたのはこのくらいだろうか。

 俺が生活するにあたって肝心そうなのは、貧富の差が地区によってあるというところだろうか。

 手持ちがないのに上流区へ行っても仕方ないだろうし、下流区の危険地域へは行く必要はないだろうから。

 入口の扉が開いてマレインが入ってくる。


「雪が強くなってきたので戻ってきました」


 いつの間にかマレインは帽子を被っているし、コートのような厚手の上着を着ていた。

 さっき出るときに着替えて行ったのだろうか。


「おかえり。ねぇマレイン、暇つぶしって何かないの? 手先が器用じゃなくてもできるやつ」

「もちろんアキラ様が部屋でやるんですよね? ・・・・・・ストレッチとかでしょうか、体も温まりますし」


 着ていたコートをハンガーへ掛けながら答えるマレイン。

 部屋で暇だったら筋トレでもしてみるか。

 銭湯へ行けば汗も流せるしちょうどいいかもしれない。


「あとは日記をつけるとかですかね」



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