26
ゴーン、という鐘の音で起きる。
ベッドを降りて窓を開けた、かなり寒い。
外は雪がちらついている。
また雪か。
昨日、マレインが持ってきてくれたであろう服に着替える。下着も靴下も入っていた。
元の服は適当にたたんで机の横にでも置いておく。
その上から買った長袖のジャケットを着て、首から小銭と冒険者カードの入った布袋を下げる。
これが異世界での基本の服装になるのだろう。
俺は顔を洗ったりして身支度を整えて部屋を出てギルドに向かう。
「おはようございます、アキラ様」
「おはようございます、マレインさん。昨日は洗濯物を取り込んでもらってありがとうございました」
「いえ。仕事ですので」
部屋から出たらちょうどマレインも出てくるところだった。
丁度いい、マレインに聞くことがあった。
「マレインさん、火打ち石での火のつけ方を教えてもらってもいいですか?」
「はい、いいですよ。アキラ様のいた世界では火打ち石を使わない火起こしをしていたのですか?」
「えっと、昔は使っていたかもしれませんけど俺の世代では使ったことがない人が大半だと思います」
「そうですか、とりあえず私の部屋でやってみせましょう」
マレインにそう言われて、部屋に入れて貰う。
暖炉の横に薪が少し置いてある。
枯れ葉のついた、一番細い枝を暖炉の中央に置く。
色の違う石? 金属にも見える、それを枯れ葉の近くで打ち合わせると火花が散った。
何度かやると枯れ葉に火が付き燃え始めた。
「できそうですか?」
マレインに問われる。
「正直なところやってみないとわからない、という感じな気がします」
「はい、では後で手元や足元に気を付けてご自身でやってみてください。この前使った石はお部屋の暖炉の近くに置いておきましたので」
とりあえず教わって2人でギルドに向かう。
入るとランタンを持ったフマルが暖炉に火をつけていた。
すぐに火が付く。
「おはようございますフマル」
「おはようございますマレイン、それにアキラ様」
「おはようございますフマルさん」
「私たちは朝の準備があるのでアキラ様は朝食を摂ってきてください」
さっそく1人での食事だ、だがもう1人でも何も心配はない。
「じゃあ行ってきます」
そういって食酒所へ向かう。
カウンターへ座って朝定食のウインナーを頼み、食べて、中銅貨1枚の支払いをして釣りの小銅貨7枚を受け取りギルドに戻る。
戻ると入れ違いでフマルが外に出るところだった。
マレインが受付にいる。




