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頬にあたる冷たい感触で一気に意識が覚醒した。
さっきとはうって変わってめちゃくちゃ固い地面に横になっている。
頬に触れた雪で目が覚めたようだ。
意識がはっきりしてわかったが猛烈に左足首あたりが痛い。
昔、手の指を骨折したことがあるが、それよりはマシで、折れてはいないと思うがひどい捻挫か打撲のようだ。
なんとか這って近くの木に背中を預けて座る。
辺りを見ると林道のような感じか、見える距離に石かレンガのような大壁っぽいものが見える。
このまま座っていても雪がひどくなるとと凍死しかねないので、ひとまずそこを目標にして歩いてみることにする。
幸い手の届く位置に杖替わりになりそうな大きめの木の枝が落ちていたので、それを拾って何とか立ってみると意外に歩けそうだ。
えっちらおっちら歩いていくと、石壁のところに門のようなものが見え、門番らしき人影もある。ランタンのような灯りを持っているのが見えるので暖くらいは取らせて貰えそうだ。
木の枝の杖を突いて門番の顔が見えるくらいのところまでついたとき、門番が腰の剣に手をかけながら寄ってきて声を掛けられる。
「これから大雪だってのにその恰好正気か? 人間に擬態する魔物でもその恰好は選ばないぞ?」
言われてみれば、寝て、そのままここに来たのだからTシャツに短パンという格好で俺は雪空の下を歩いていたのだから、こんな声をかけられるのも無理はなかった。
「事情は分からんがこっちにこい。見てるこっちが寒い」
「ありがとう」
異世界なのに言葉は通じるんだなと思った。杖を突きながら門番の後についてゆく。
詰所のような場所に通され、適当な椅子に座るよう言われる。
暖炉があるし暖かい。
「そんであんたは何で大雪の前にそんな恰好で街の門へ来たんだ?見たところ髪の色は珍しいが着ているものは浮浪者ではなさそう、だがどう見ても門切手は持ってなさそうだし」
そう聞いてくる門番は、金髪に緑の瞳をした10代後半くらいの若そうな剣士風だ。
「俺にもよくわからん、気が付いたら地面に寝てた。足もよくわからんがくじいたみたいだ」
「ふ~む、記憶がないのか?」
「いや、記憶はあるんだがとりあえず話したら聞いてくれるのか?」
「別にいいよ」
「寝て起きたら教皇みたいな頭に輪っかがある人がいて」
「ちょ、ちょっと待った! 班長呼んでくるから!」
そういって門番は慌てて扉から出て行った。
数分後にさっきの門番と、同じような格好だが俺より少し年上であろう男が一緒に入ってきた。
年上のほうの門番が向かいに座り聞いてくる。




