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「いただきます」


 ウインナーは長さ10㎝くらいで、ぷりぷりとしてとても美味しい。

 スープに浸したパンと一緒だとなおさらだ。

 固焼きの目玉焼きの味付けは塩だけ。胡椒やソースなどがないとすこし物足りないと思った。

 全部少しずつ口に入れていく。

 普通に食事をしていたつもりだったがマレインにじっと見られていた。


「何か変ですか?」

「いえ。そんなにいろいろ次々と口に入れて食べる方は初めて見たので」

 

 マレインはパンに目玉焼きを乗せて食べていた。

 そういえば三角食べは日本特有の食べ方なのだったか。

 あまりに日常的にやっていたから、世界基準では珍しいことを全く気にしたことがなかった。


 「マナー上で目立っていたりしますか? 失礼な食べ方だ、ということならやめるようにしますけど」

「いいえ。大丈夫だと思います、ただ変わった方だなと思われるくらいでしょうか」


 自分の世界の常識は、異世界では当然通用しないのだなとつくづく思った。

 食事を終え、ボトルの水を飲み干す。


「ごちそうさまでした」

「食事はどうでしたか? 男性には物足りない量だったかもしれませんが」

「美味しかったです。特にウインナーが」

「それはよかったです」


「このあとなのですが、冒険者ギルドに寄ってから武器屋へ向かおうかと。あとは、たしかアキラ様の部屋の箪笥が虫によってダメになってしまって処分したので、替えを注文しにいきたいと思っています」

「わかりました。今日はマレインさんがついてきてくれるんですか?」

「その予定です」

「小銭を入れる袋と、なにか羽織るものが欲しいかなと思っているのですが?」

「では服屋にも行きましょう。どちらもそこで手に入ります」


 マレインと実質買い物デートのような感じになりそうだ。

 食酒所の清算は番号の書かれた木札を清算カウンターへ持っていき、そこで代金支払うようだった。


「アキラ様、私がまとめて支払ってきますので小銅貨3枚いただけますか?」

「はい。お願いします」


 マレインに小銅貨3枚を渡した。手持ちはあと中銅貨3枚と小銅貨が2枚ほどだ。

 マレインはゆったりとした所作で支払いに行った。


「支払ってきました。ではギルドに向かいましょう」


 食酒所をでてギルドに入る。今日は昨日よりも暖炉の火が少し弱い。

 確かに、昨日が大雪の日だったとは思えないくらい、今日は気温が暖かいのだ。

 受付カウンターには昨日と同じでフマルがいる。

 明らかに暇そうだった昨日よりは少しシャンとしていた。


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