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俺は頭を下げてからフマルについていく。

 カウンターからフマルは手のひら大の、凸凹のついた木の板をもっていく。

 カウンターの奥から裏へ出て、目の前にある建物が寮だった。


「同僚は今日は非番ですけど、仕事熱心なので頼めば案内してくれます。流石にずっとカウンターに人がいないのもアレなんで」


 寮は4部屋、一番手前の部屋の煙突からは薄っすら煙が出ている。

 扉は木製で、板状のものを差し込むタイプの鍵がついていた。

 コンコンコン、とフマルが3回扉をノックすると、中から長めの銀髪の女性が顔を出す。


「はい? フマル? どうしましたか?」

「マレイン、とりあえず中に入れて貰えますか? 寒いので。勇者候補様もいらっしゃいますが」

「ええ、わかりました。どうぞ」


 マレインと呼ばれた女性が大きめに扉を開けて部屋へ入れてくれた。

 部屋の中は割と殺風景だが、机に作り途中のぬいぐるみ? のようなものが見える。


「アキラ様、こちらはマレイン。私の同僚で住み込みで冒険者ギルドの受付などを交代でしてます。夏の繁忙期とかはこの寮の全部屋埋まるんですが、今は彼女一人です。」

「マレインです。勇者候補様はアキラ様、でよろしいのですか?」

「そうです。よろしくお願いします。ここの寮の部屋を1つ使いたいんですが、ラベンさんは2つ開ければといっていたので、一番奥を使わせてもらいたいんですけど」

 

 マレインは銀髪のストレートでロングヘア、人形のように整った顔立ちをしている。

 それ以外の特徴は、血のように赤い目と大きめの胸だ。


「はい。了解しました。フマル、私が案内すればいいのですか?」

「うん、お願い。私は受付に戻るから」 

 フマルが凹凸のある木の板をマレインに渡してから部屋から出ていく。


「それでは行きましょう。アキラ様」

 

 マレインに促され俺も部屋を出る。

 あとからマレインもついてきて、出た後に鍵を掛けた。

 俺があてがわれた部屋はすぐそこだ。

 2部屋隣につくと、マレインが鍵を開けて中に入れてくれる。


「寒いですよね。少し待っていてください、今薪を持ってきますので」

 

 マレインは外にある薪をとってきてくれるらしい。その間に間取りでも見ておこう。

 入口正面に机と椅子、机の横に鏡もある。現代の鏡よりだいぶ曇っているが。

 入口右手に側にドア、その奥、机の後ろあたりに木のフレームに藁を敷いたベッド。

 その少し奥に暖炉とガラス窓がある。


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