神風
ああ どうしてこんな美しい空を見せるのか
私は今 死にに行くというのに
ああ どうしてこんな楽しい思い出ばかり浮かぶのか
御国のための身であるというのに
死にたくない 死にたくない
それでも これは御国のため(愛する家族のため)
片道切符しかない この狭い箱は
私の死に場所へと 抜けるような蒼天を飛ぶ
行かなければならない
逝かなければならない
ふるさと
口ずさみながら 懐郷の涙を流し
さっきのことのように思える
妻が長男を産んだときのことだとか
赤い紙が 私を呼んだときの妻の涙だとか
家族が私を送り出したときの震えた声だとか
すべて すべて その歌に詰め込んで(帰れたらどんなにいいだろう)
ああ いとしい記憶よ
どうかこの死が意味のあるものになりますように
御国に 栄光あれ
戦争についてはよく考えさせられます。色々な方がそうでしょう、例えば核が落とされたのは日本だけで、その悲惨さを知るのも日本だけということとか。これからも考えていかなくてはなりません。