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第五十話 鬱のお兄ちゃんが真実を知ったとしても応援する気持ちは変わりません!

 妹がREONAだったから……何か変わるんだろうか?

 でも、今までの俺のREONAに対する愛情は何処にぶつけていけば良い!?

 グッズ販売コーナーには、かなりの人だかりが出来ていた。それはきっと、REONAがライブ後半になって姿を現したことと関係があるんだろう。別に、麗奈は……兄から見ても、可愛く無いってことは無い!普通にしていれば年頃の女の子だと思うし、日頃から最低限の美容だとか体型だとかは気を配っているのかきちんとした健康的な体系をキープすることが出来ているっぽいからな。性格は……まあ、家族だから知るところもあるんだけれど……。


「うはー……!すっごい人ですね!さすがREONAさん!これは、急がないとREONAさんのグッズは売り切れてしまうんじゃないでしょうか!?」


 なに!?それは困る!

 なにぶん、REONAが担当してきたキャラクターグッズだの作品関係で俺の部屋は埋め尽くされているようなものだからここで初REONAの顔がお披露目されたというのに何もグッズが買えませんでした……で帰ることになってしまったら、それはREONA愛としてどうなんだ!?いやいや、REONA病を患っている人間として、それは無いだろう!買い占める!財布にはじゅうぶん過ぎるだけの金が入っているのだから、端から端まで買い尽くしてやるからな!!


「だ、大丈夫だ!こうして……どうしたって人と人との間には隙間が生まれるもんなんだ!そこを狙っていけばグッズ販売の正面まで辿り着ける!!」


 自分でも驚くほどにスイスイーっと人波に逆らうことなく、そして押し流されることもなくグッズ販売コーナーに辿り着くことが出来ればこっちのモンだ!

 どれどれ……REONAに関するグッズは……ライブ中に撮影していたものだろうか?それともリハーサルの時のモノだろうか。先ほど着ていた衣装で過ごしているREONAの写真だったり、今回着ていた衣装を可愛らしく二頭身のぬいぐるみと化してしまったREONAなども販売されていた。REONA……麗奈は、結構髪が長い。今回のライブ中ではツインテールのようにして結い上げていたものだから販売されているぬいぐるみもツインテール風にされていて、それはそれは可愛らしいぬいぐるみにされていた。もちろん俺は保存用・観賞用、そして実際に枕元とかに置いておく用として最低でもぬいぐるみを三体購入。もちろん写真も目に付いたものは手に取り、あれこれと購入していった。もちろん既に俺が持っているREONAが出演していたアニメ関連の円盤というものも販売されていたが、ここぞとばかりにもちろん購入。

 『REONA』と記載がされているTシャツだとかハンドタオルといったものもライブ開始前には見られなかったグッズも、とにかく片っ端から手に取り、購入していくと白井さんは『凄いですね……』とじゃっかん引いていたのかもしれない。そして同じくグッズ販売コーナーに群がっていたファンの同志たちからも尊敬やら引いた眼差しを向けられつつ一通りのグッズは買い占めることが出来た。きっと、これを買ってきた!と麗奈に報告すれば呆れた顔をされながら『キモイなあ……』といった言葉が返されるんだろうなあ。


 白井さんも、ぬいぐるみだとかハンドタオルといったものを購入していたらしい。そしてもちろん写真類も。さすがに俺のように全制覇することまでは出来なかったらしいが、それでも満足していたようだった。


「今日はすっごく楽しかったですね!REONAさんの顔も見れましたし、おまけに曲も歌ってくれるなんて思ってもみませんでした!!」


「そ、そうだなー……って、かなり昔の作品の曲だけれど知っているのか?」


「もちろん!さすがに全ての話までは観てはいませんが、曲そのものは有名でしたし、知ってましたよ!」


 ま、まあそうだよな……昔からするとアニメのオープニングとかってマイナーっていうか、それこそアニメオタクとかじゃないと詳しくないっていう感じだったけれど、今回ライブの中でREONAが歌った曲っていうのは今の若い子たちでもじゅうぶんに聞いたことがあるんじゃないかと思うほどの有名な曲だったりするものだからもはや世代がどうこう、趣味がどうこうって壁は無いのかもしれない。


「それじゃあ、僕はアッチなので!黒瀬さん、今日は一緒に楽しんでいただきありがとうございました!」


「あ、いえいえ!こちらこそ。まさかお隣さんがREONAファンだとは思いもしませんでしたが、盛り上がって話せて嬉しかったです!」


 推し声優が、まさかお隣さんと同じとは思わないだろうしなあ。むしろキセキか!?

 白井さんは純粋にREONAファンで、グッズを選ぶときにもどれにしようかめちゃくちゃ悩みながらも、これだ!といった品を購入することが出来ていたようで見ている側としても嬉しく思えた。


 さて、俺はこのまま帰宅するわけだが……。

 REONA、もとい麗奈のヤツは……きっとライブの打ち上げとかで遅くなるんだろうか。これで家で顔を合わせて、どんなふうに過ごす!?だって、マジラブしていた声優なんだぞ!?いやいや、身内が実は声優だった……とかって話もそう珍しくは無くなってきているのか?でも、俺の場合は少し違う。マジラブなんだ。麗奈から言わせるとリアコ化しているんだ。こんな俺と麗奈がどうやって過ごしていく!?ふ、普通で良いんだよな。あくまで家の中にいるときの麗奈は妹の年頃の女の子ってわけで、声優のREONAってわけじゃない。つまりは、そういうオンとオフっていう状態があるってだけで……。

 でも、妹だぞ!?


 ライブに行くまではスカスカな状態だったリュックの中には、REONAグッズでいっぱいいっぱいになってしまった。別に見た目ほど重くは無いけれど。それでも、ライブで感じたビックリだとか白井さんとの出会いはなかなかに楽しいものだったとか、いろいろな感情が俺の胸に詰め込まれてきていて、うっぷ……なんか、気持ち悪くなってきたかも……こういうとき、鬱があると人混みにまざるだけでもなかなかのストレスになったりするんだよなあ。


「た、ただいまー……」


 大して俺自身が盛り上がったわけでもない。どっちかと言えば静かにライブを観賞していた方だった。それでも、いろいろなビックリ要素で胸がいっぱいいっぱいになってしまった俺はへとへとになりながら帰宅した。

 すると苦笑い混じりに出迎えてくれる母さんの姿が。


「お帰りなさい。ライブは楽しめた?」


「……母さん、知ってたんだよな?俺の好きな声優が麗奈だったって」


「そうよ。和馬には悪いとは思ったのだけれど、麗奈がどうしても秘密にしてくれ!って言うんだもの」


「……ってことは、父さんも知ってそうだよな。なんで俺には秘密なんだよ?」


「それは、兄貴が凄い剣幕で推してくるからだよ」


 ふと背後から聞こえてきたREONA……じゃなくて、麗奈の声にハッと後ろを振り返った。ライブの打ち上げとかは……無かったんだろうか?


「へ?え?あ、お帰りー……っつか、え、俺のせい?」


「ただいま。……最初は、普通に打ち明けようとしたんだけれど、どんどん兄貴の……REONAに対する愛が凄くなっていくでしょ?だから打ち明けようにも無理じゃん」


 どうやら俺があまりにも行き過ぎた愛というものをREONAに抱いてしまったことによって麗奈は自分がREONAであるということを言いたくても言えなかったらしい。そして自分がREONAだってことにショックとかを受けたら可哀想だったから、だという。

 可哀想?なんだそりゃ。


「あのなあ!そりゃあ今日のライブでもお前が出て来たときには、めっちゃくちゃビックリしたっつーの!でも、妹がマジラブの声優のREONAなんだぞ!?嬉しいに決まってるじゃねえか!」


「……う、嬉しいの?」


「……お前、俺の部屋の現状見たことないのかよ?」


「……凄いことになってるよね……」


「だーから!ビックリはするけれど……俺のREONA愛がどっかに行ったってワケじゃねえから!」


 そうだ。

 俺が、何年も抱いてきているこの気持ち。REONAが実の妹だって分かったからなんだ!?妹だったら何か不都合でもあるのか!?いやいや、身内だからこそマジで一番近いところから応援しまくることが出来るってことじゃないか!


「こっちは何年も前からREONA一筋なんだよ。今更、他の声優に興味なんか持てないからな!これからだってREONAを応援する気持ちは変わらん!だから覚悟しておけよ!」


「か、覚悟って……まあ、グッズ購入とか売り上げ貢献とかは感謝してまーす」


 そういうと俺と麗奈は顔を見合わせて『あはは!』と笑い始めた。やっぱり気になっていたけれど、どうやら家の中では、わざと低音域で話していたらしい。こうして素の中音域~高音域っていうのが本来の麗奈の話し方でもあり、REONAとして活動しているときの声らしいのだ。


「はいはい。二人ともお疲れ様。ご飯にするわよ?」


 麗奈は大した荷物では無さそうだったが、記念としてぬいぐるみはタダで貰えたらしい。初お披露目というヤツだったとか。もちろん俺は買ったけれどな!

 リュックにいっぱいいっぱいになったREONAグッズに、相変わらず麗奈はじゃっかん引いていて『キモ過ぎでしょ……まあ、売り上げ貢献ありがとうございまーす』と、からかいつつも嬉しそうに笑っていたから、もしかしたら麗奈の言う『キモイ』発言って、いつも応援ありがとうっていう意味だったりするんじゃないだろうか。……っていうのは、俺の想像だけれど。


「まあ、声優の仕事は分からんが……何かあれば相談乗るからな。なにせ、俺はREONA病感染者だから!」


「REONA病?また、ワケの分かんないことばっか言い出すよね……キモイ」


「はいはい、お前からのキモイも有難くいただくことにするよ」


 妹が実は俺のなかでリアコ化しているほどの推しの声優。

 ちょっと躊躇う気持ちはあったけれど、麗奈は麗奈。そしてREONAはREONA。として考えることにした。まあ、機会でもあれば麗奈に頼んでここぞとばかりに言ってもらいたいセリフを生で言ってもらうっていうのも有り……かもな!

 お兄ちゃんは、実の妹が推しの声優だったなんて知らなかったけれど、これからも全力で応援します!

 結局は、応援するのよ!これぞ、愛ね!

 今回のお兄ちゃん作品は、今回にて終了です!もしかしたら同じく『お兄ちゃんは知りませんでしたが!〇〇』って感じで第二弾が続いていくこともあるかもしれません。今作は、なるべく登場人物は少なく、そしてどんな気持ちを抱いているのかという作品になりましたが、読者様たちにはとてもとても感謝しています!


 良ければ『ブックマーク』や『評価』などをしていただけると嬉しいです!もちろん全ての読者様には愛と感謝をお届けしていきますよ!

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