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第四十七話 鬱の俺にも、REONAを通じて知り合いが生まれた!

 グッズ売り場には、REONAに関するモノが見当たらない。

 REONAが顔出しをしていないから写真の類も売りに出されていないのは、まあ分かる。でも、担当したキャラクターたちのグッズ関連も一切無いって……こんなこと有るか!?

 よくよく目にしていけば、本日出演を決めている声優たちのグッズはいろいろと販売されているようだ。それらを求めて早くも端から買い求めているファンたちの姿も目にしていく。しかし、REONAグッズは!?俺が欲しいのは、REONAグッズなんですよ!!


「あの~、今日出演予定が決まっているREONAさんのグッズっていうのは……無いんですか?」


 思わず、販売コーナーで接客をしている係さんに声を掛けてしまった。だって、いろいろな声優のグッズが並んで販売されているというのに、REONAに関するモノが何一つとして見当たらないんだぞ!?


「あぁ、REONAさんですか!彼女は、まだ顔も出していない謎の多い声優さんでしょ?先にグッズで販売してしまうのもどうかと考えているので、REONAさんに関してのグッズは、ライブが終わってから販売するように……とREONAさんや他の声優さんとの話し合いによって決められたそうです」


「なっ!!そ、そうだったんですか……あ、ありがとうございました……」


「いえいえ!ライブ。最後まで楽しんで行ってください。REONAさんも初めてのライブで緊張とかもしているみたいですが、きっとお客さんには満足して帰ってもらうようにきちんと事前準備だけは他の誰よりもおこなっていた人ですから」


 緊張……やっぱり、REONAでも緊張するんだなあ。まあ、人間だし、初めてのライブだし、それに、今日のライブでREONAは初めて自分の顔を大勢のファンのみんなに向けて顔出しをしていく……。もしも、自分の見た目とかがファンの期待に応えられなかったらどうしよう……とかってビジュアルとかを気にしているんだろうか?でも、安心してくれ!REONAのビジュアルなんてものは二の次で、俺はどんなREONAだとしても全身で受け止めてあげるからな!


 店子さんたちの話だと、いろいろと情報が出回っていないREONAのグッズをライブが始まる今から販売するのは控えられることになったらしい。まあ、例え販売されたとしてもどれがREONAグッズなのか分からないってこともあるんだろうなあ。それでも、二頭身とかのREONAをデザインされたぬいぐるみみたいなモノでも良いからちょっと販売してほしかったという気持ちもある。だから張り切ってグッズ販売に顔を出したのだけれど、お目当ての商品が見つからなかったので残念な気持ちになってしまった。

 取り敢えず、ライブが終わったら即販売コーナーに乗り込んでいかなければならないらしい。多くのファンたちにもみくちゃにされながらREONAグッズを買い占めるのはなかなかに大変なことになりそうだが、それでも今日という日を迎えたのだから手ぶらで帰るわけにはいかないだろう!


『会場に起こしの皆さん。そろそろライブステージが開場されます。周りのお客様のご迷惑にならないよう、スマホの電源は切り、ご入場をお願い致します。ライブ開始までは時間がありますが、お客様同士で揉め事が起こるようでしたら暴動を避けるためにも揉め事を起こした人たちは強制的に会場から出てもらいますので、その辺りはどうかご理解いただけますと幸いです。尚、あまりにも度を越した出演者たちへのアピールなど、そして周りに迷惑を掛けるような激しいアピールといったものも控えていただけますと幸いです。どうか楽しいライブのためにも、ご理解いただけますようよろしくお願い致します』


 と、何処からともなく会場アナウンス……だろうか、それが聞こえてきた。

 しかも、今アナウンスしていたのって、そこそこに有名な声優の一人なんじゃね?REONA一筋の俺にだってさすがに分かるような声をしている人だったし、確かREONAともアニメで共演していたことがあるはずだ。名前はー……残念ながら覚えていないものの、そんな有名な声優がアナウンスをするものだから聞き耳を立てていたファンの中には、『尊い!』だの、『やっぱり神声だな!』と目をキラキラさせているファンたちの姿が見られた。


 とにかく、今のところ買えるグッズが無いようだからそうそうにステージの方へと移動することにした。チケットの番号からして、結構前の席になると思う。

 かなりの広さがあるステージに、会場だってそこそこの人数を呼び込める規模だろう。ここでREONAが出演してくるのかぁ!くぅー、楽しみ過ぎて逆に鬱になりそうだぜ。


 チケットに表示されていた席に着くと隣近所のファンたちの迷惑にはならないように自分の荷物は自分の足の間に置く形にしておいた。もちろんREONAが出演してきたらいつでもファン内輪を取り出せることが出来るように準備はしておく。

 俺があれこれと準備をしているうちに俺の左右にもファンらしき男性が座って来た。もちろん今回のライブでは人気の高い男性声優も女性声優も出演するとのことだから、客としては男女半々ぐらいってところなんじゃないだろうか?どうしても声優ライブ!って聞くとザ・オタクの集まりが来そうなイメージは強いものの、純粋に声優の誰誰のファンだっていう見た目だけで言えばごくごく一般人風の客。声優からのファンサを楽しみにお手製の内輪を早くも手にしてワクワクしている若い子たちの客も見られた。やっぱり、こういうライブっていろいろな人が集まるもんなんだよなあ。俺もその一人だけれどさ。


 不意に隣に座った男性ファンから俺に話し掛けられてしまった。


「あの、あなたはどなたのファンなのですか?」


 見た目は、大人しめの印象を抱いたけれど……実はアニメとか声優とかが大好きな人だったりするんだろうか。俺もそこまで陽キャ体質ってわけでもないし、どちらかといえば大人しい人には話し掛けられることも多いかもしれない。しかも同じライブを見に来ているってことは、出演している誰かしらの声優のファンだってことは分かるだろうけれど、『誰が好きなんですか?』と直球で聞かれるとは思わなかった。でも、ここで即答することが出来ないなんてREONA愛とは言えないよな!


「俺は、REONAですね。あなたは?」


「あ、僕もREONAさんなんです。いろいろと情報が明らかになっていないのにアニメ作品とかでは活躍することも多くなってきているので、今日初めて顔が見られるということで凄く楽しみにしていたんです!」


 どうやら最近ファンになったという感じよりも、だいぶ前からREONAが出演しているアニメにはチェックしているような古参のファンといった感じらしい。

 俺はここぞとばかりにREONAファンを見つけた嬉しさもあって、ついつい名も知らぬその男性(だいぶ若そうだな……それに、如何にもオタクって感じではない気がする。真面目で、勉強とか仕事にもしっかりとこなしていきそうなイメージを抱いた)とライブが始まるまで軽く自己紹介をしつつ、REONAについての、どの作品が良かった!とか、こういう作品もREONAにはこれからも挑戦してもらいたいですよね!といった話ですっかり盛り上がることになってしまっていた。もちろん周りの客に迷惑を掛けることは出来なかったので、声量そのものは控えたものにしておいたけれど、まだまだライブが始まったわけではないので、声量は落としたものでもじゅうぶんに会話は通じていた。


「あ。そろそろ時間ですね。……REONAさんは、未だにいつ登場するか分かっていないんですよね?」


「確か。でも、ビックリサプライズ的に登場するのであればライブ後半になるんじゃないかな?その方がREONAファンとしては一番盛り上がるだろうし!」


「この席なら、じゅうぶんにREONAさんの顔も見ることが出来ますね!一緒に応援していきましょう!黒瀬さん!」


「おう!」


 一応、自己紹介をしたときに知ったことだったのだが、同じくREONAファンだというこの男性は、白井しらいさんという。なんと、ギリ大学生とのことだった。いろいろと忙しい身だと思うのに、REONAが初めてライブに出演することを知って、即チケットを購入したらしいからREONA愛は確実にあるんだろう。

 うんうん!やっぱりREONA愛を抱いている人たちは、人との繋がりっつーか、見知らぬ人であったとしてもREONA愛があるってことだけで、すぐに仲良くなることが出来るらしい。これもREONAがアニメで活躍、そしてSNSで発信をしているからだろう!


 そして、一旦会場が真っ暗になっていった。


『会場にお越しの皆さん。本日は、声優ライブにお越しいただきありがとうございます。これから、待ちに待った声優ライブを始めさせていただきます!どうか、楽しい一時をお過ごしください!』


 アナウンスが終わると一気にステージの中心部にライトが付けられ、そこには大御所の声優が既にスタンバっていたらしい。ライブだけに、そこそこに派手っぽい衣装を着ているが、どれもこれもが声優一人一人に合わせたデザインになっていて、別にその声優のファンじゃなくてもいろいろと楽しめる始まりとなっていった。

 REONA愛は、同じくREONA愛を引き寄せるのでしょうね!そして、いよいよライブがスタートです!!REONAはいつ、登場してくるのでしょうか!?


 良ければ『ブックマーク』や『評価』などをしていただけると嬉しいです!もちろん全ての読者様には愛と感謝をお届けしていきますよ!

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