第三十九話 鬱を通り越して、寒気&咳&頭痛がヤバいです……
俺のREONA愛……いやいや、REONA病を舐めるなぁ!
このぐらいの咳、すぐにでも治してやる!
俺がズーン……と肩を落としながら病院から帰ってきた時点で俺の家族たちは何かを察したらしい。しかもマスクをしていても聞こえてくるほどの咳。そして処方された薬を手にしていたものだから『あぁ、これは……』と両親も妹の麗奈も察したようだった。
「げっほ、ごっほ!こ、こんぐらいの咳が……げほっげほ!なんだ、こらぁ!!ごっほごほっ!」
「……無理に気合いなんて入れる時間があったら部屋行って寝てなよ……」
ちょい熱っぽいか?と思って熱を測ったら38.0……という驚異的な数字が目の前に飛び込んできた。いやいや、嘘だ嘘だ。だって、俺は麗奈の近くにいても何もならなかったんだぞ!?それに一応、小山先生のところで、インフルエンザとかの検査もしてもらったが、そっちの方には陰性だったようで取り敢えず安心していた。が、ものの見事に熱を出し、落ち着くことのない咳に苦しめられることになってしまった。麗奈……お前、こんなにしんどい中、生活していたんだな……お兄ちゃん、ようやくお前の気持ちが分かった気がするよ……。
「へ、いきだ!げっほごほ!う~……喉、いてぇ……」
「……はぁー。……残りモノだけれど、あげる。ほとんど開けてないモノもあるから」
そう言いながら麗奈はビニール袋に入ったまんままとめて寄越してきた。中身は何だ?とがさごそ開けていたら近藤からの差し入れとしてもらった喉飴。そのほとんどがまだ未開封のモノだった。有難い!って、麗奈は普段から結構、喉飴を口にしていることもあったからまさに余りモノだったんだろう。
「さ、さんきゅ~……ごっほごほっ!」
さすがにここまでの症状、そして熱が出ていると自然と周りにいる人たちは優しく接してくれるようで、麗奈なんか気を遣ってお粥まで作ってくれた!ぐぬぬ……っ、すげぇ喉は痛いけれど少しでも食べるモノは食べて薬を飲まんとな!!
「あ、ありがとな……げほっごほ……」
「……凄いね、咳。ってか私のときよりも咳、凄いんじゃない?」
「ん?そうか?……げっほげほっ!!」
お粥が喉に沁みる……痛い。でも、具合が悪いときにこそ食べないと!麗奈に作ってもらったお粥は残さずにきちんと完食した。だって残したら作ってもらった人に悪いだろう!?喉が痛くて痛くて、多少は時間が掛かってしまったがそれでも綺麗に平らげた俺に『おおー!凄い食欲』と感心していたようだが、たぶん量そのものはそんなに多くはなかったんじゃないか?と思う。水分で増し増しにさせて食いやすいように作ってくれたんだろう。ぐすっ……麗奈が優しくて泣けてきそうじゃないか。
えーっと、食後の薬は……うげっ!錠剤は分かる。でも、コレは……所謂、咳止めの薬。液体型のヤツだ!小山先生ーっ!俺はもう大人なんです!!普通に錠剤だけで良かったんですよーっ!!(別に液体型の薬は年齢問わずに処方されるモノだ)錠剤はすぐに飲み込んでしまえば味なんて分からない。だが、液体型のヤツは口に入れた途端に甘苦い味が広がっていく。この苦しさを麗奈も味わって乗り越えたんだなあ……。
咳のし過ぎだろうか、たまに『ゼェゼェ』と怪しい呼吸をしながら生姜湯を飲んで、甘苦い薬の味を少しでも和らげていった。ホットレモンだとか、ポカリの粉をお湯で溶かしていろいろ飲みまくった。熱もあるし、そこそこに汗も掻いているから水分は欠かせなかった。
食うモノも食ったし、飲むモノも飲んだし……寝るか。
「わ、悪い……げっほごっほ!……部屋、こもる……ごっほっ!」
「……お大事にー」
麗奈はまだリビングでテレビでも見るつもりらしく、俺が部屋に向かうのを見届け、そしてついでに声を掛けてくれた。
「うぅ……っ、寒気が……毛布出しまくってくるまるとするか……ごっほごほっ!」
布団だけでくるまるのは、ちょい肌寒い気がして押し入れから毛布を一枚、二枚と取り出していき、とにかくベッドで寝転がることにした。毛布二重に、さらに布団を被るという凄い厚着という形で。だが、寝よう寝ようと思ってもなかなか頭が言うことを聞いてくれない。普通に咳だけの症状ならまだしも熱が出ている。おかげで寒いのか熱いのかよく分からん。でも、これで布団だけで寝ていたらたぶん熱は下がらないままだろう。少しぐらい熱いぐらいに室内の温度もエアコンを操作して(といっても23度ぐらいに)設定し、毛布も被るが頭はそれほど睡眠を求めていないのか寝転がってもまったく眠気が襲ってこない。これは、困った。
REONAのボイスを……せめて、声だけでも聴きたい……そう思ってスマホに手を伸ばすものの、スマホ独特の光が頭に響くのかスマホをイジるのが苦痛で仕方がない。スマホの光って風邪っぴきにツラいのか!?とにかくスマホをイジるのは最低限にし、いつも聴いているアニソンの類を耳に流そうとするものの、いつも感じたことのない苦痛が耳から伝わる。まさか聴覚もいつもより敏感になっているのか!?音楽も何もかも楽しめられない!ただ、静かに寝ろだと!?そんなの無理があるだろうが!
「うぐぐ……っ……ごほごっほ!……れ、REONAー……絶対に、ライブまでには治すから……だから、ライブは絶対に、中止とかにはしないでくれー……」
こんな様子じゃアニメを観て気分を変えることも出来ない。たぶん、アニメ自体に問題は無いんだろうが、俺の頭がしんどくなる……。かと言って、横になっていれば落ち着くってわけでもない。そのまま、すや~っとすぐに眠れるならいくらでも横になるんだが、横になっても寒気は続くし、頭はガンガンするし、咳も止まらないし……そして、何よりも娯楽を楽しむことが出来ないのがツラい!
たまたま近藤から中身的にはどうでも良いメッセージが届いていたのだが、それに返信をするのがツラい。たぶん、スマホをじっと見ているのも負担になっているんだと思う。
『よ!ライブまで、あと一週間ぐらいか?お前、何用意したんだよ!?』
「う、るせー……っげほごっほ!……ファン内輪なら、もう用意済みだっつの……ごっほ!」
あー、ダメだ。
たぶんREONAの顔をやっと拝めるライブが迫っているから近藤としてもからかい混じり、そして俺の反応が楽しみでメッセージをくれたのかもしれないが、まともに文字が打てない……それに、スマホを持っているのも億劫だ。中途半端なメッセージになると後が厄介だと思ったので、取り敢えず返事は保留にさせてもらった。何度か近藤からは電話も掛かってきたりしていたんだけれど、まともに電話になんか出られるはずもない。どうせ近藤のことだから大した連絡は無いんだろうとスマホが鳴っても無視し続けてしまっていた。
とにかく、今は休まないと!少しでも良い、ちょっとでも良いからこの最悪な体の状態を何とかしなければ!REONAー!REONAも体調良くなったんだろ!?だったら、せめてSNSでも何処でも良いから俺に応援メッセージをくれーっ!!って、めちゃくちゃなことを言っている自覚はもちろん無し。REONAがSNSで誰かに向けた発信をしているなんてことは見たことが無い。せいぜいアニメ出演決定!とか、そういう類の情報だけだ。だけれど、REONA病の俺は、そんなめちゃくちゃなことを考えてしまうほどに具合が最悪だったってことだ。
「くっそー……っげほごっほ!……REONAに会いたい、REONAに会いたい……ごっほっ!!」
うはー、しんどそう……(苦笑)咳、熱、頭痛で、もうツラツラじゃん(汗)
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