第三十六話 愛する人の冒涜は許せない!鬱になる!
今朝のリモートも終了。
つか、たいしたやり取りなんかしてなくね?
会議だよな。もうちょっと話し合いとかさ!するべきじゃねえの?
リモートを切ったパソコンでそのまま軽くアドレスに届いている連絡が無いか、それが終わると軽くネットを使ってREONAに関しての体調について調べてみたものの、やっぱりヒットすることは全く無し。一般的な人たちが多いSNSの中でしかREONAは発信もしていないらしいのだ。
だが、あくまでもインターネット上においてREONAの検索をかけていくと、そこには架空上の存在のREONAがファンによって創造させられていた。REONAの素顔というものは誰もが知らないはずなのに、ファンの妄想によって好き勝手にイラストが創作されている。イラストレーターによっては大人しげな雰囲気を醸し出しているREONAのイラストもあれば、まったく逆。活発そうなイラストというものも創作されているようで、これまたイラストレーターが変わると当然ながらイラストもがらりと変わっていくので見応えというものはあるものの、それってつまりはイラストレーターの想像上の生き物ってヤツだろう?REONAはプロフィールを調べても素顔や写真らしい写真一枚だってアップされていることは無いんだから。そう考えるとイラストレーターは一体どうやってREONAの想像上のイラストを描いたんだろう?それが不思議だ。
「はは。こっちは何だ?ヤンデレ系?メンヘラ系?ここまで想像して勝手に創作しても大丈夫なのかよ?」
最近、二次元界隈で一部のヤツらに人気とされているヤンデレ風のREONAがいたり、メンヘラ系な雰囲気を醸し出しているREONAのイラストというものもあった。いやいや、そもそもお前らREONAの素顔を知ってるのかよ?知らないよな、だからこんな自由に描けるんだろ!?
事務所とか、声優界隈の人物を勝手に創作してイラストなんかもネットにあげて……問題は無いんだろうか?こんなことまでされると声優そのもののイメージにも影響があると心配されてイラスト掲載はそのうち禁止されることにもなるんじゃないだろうか。
「……まあ、個人の趣味はこんなふうにアップせずに個人だけで楽しめってことだろ」
ある意味、REONAに対して冒涜とも捉えられるだろう。本人が見たら気分を害することもあるんじゃないだろうか。
もしも俺が勝手に二次創作モノとかに使われていて、しかも許可無くそれが販売とかにもされているんだったら超絶怒る。そして裁判沙汰を起こすかもしれない。
「REONA本人が何とも言わないなら、自由ってか?……やり過ぎだろ、これ」
ネットサーフィンもこの手のばかりだと飽きてくるよりも気分が悪くなってきたので強制的にパソコンの方は電源を落としてしまった。別に、スマホもあるし、何か必要そうな情報を得たいのならスマホでもじゅうぶんだしな。
カップに入っていたインスタントコーヒー(かなりぬるい)をごくごくっと飲み干してしまうとパソコンの前から立ち上がる。時間を確認すれば、まだまだ午前と言える時間帯。そう言えば母さんや父さんたちは仕事に行ったんだろうか?母さんの仕事柄的にはリモートっていうのは難しいかもしれないけれど父さんの仕事はギリ、リモートでも出来そうなことってありそうだよな。下にまだいるだろうか。顔を出してみるか。
自分の部屋を出ると、『あ、そういえば……』とアニメの円盤を麗奈に貸し出していたのを思い出した。だが麗奈の部屋の前に立っても……えらく静かじゃね?また寝転がったのか?寝たんだろうか?声を掛けても良いだろうか……と唸りながら控えめに麗奈の部屋のドアをノックすると、すぐにドアが開いて麗奈が顔を出してくれた。
「……なに?……ごほっ……」
「あー、いや。静かだったから寝てるかと思ったんだけれど……起きてたんだな?」
「……借りてるアニメ観てたんだけれど……ごほごほっ……」
「マジか!面白いだろ!」
あ。でもREONAが担当するキャラクターって一話目からは登場していなかったよな……確か、ちょい経ってから登場してきた気がする。
「んー……まあまあ?」
普段からあまりアニメを観ない麗奈にとっては青春学園系アニメは観やすいんだと思う。だから作品への感情移入だとかキャラクターへの感情移入っていうものもこれから少しずつ生まれていくんだろう!そしてREONAが担当したキャラクターの演技にもビビるはずだ。
「はは!でも、好きな作品を観てくれてるだけでも嬉しいんだって!ありがとな。飲み物補充に下行くけど、麗奈はどうする?」
「あ、うん。私も……ごほっ……行く」
ドアはそのままに急ぎカーディガンを羽織って愛用しているマグカップを片手に、そしてスマホも片手にしてくるとドアは俺が閉めてあげた。さすがにスマホは……カーディガンとか寝間着のポケットとかに入らないもんか?両手が塞がってたら部屋に戻るときも大変なんじゃね?
「……ポケット無いのか?両手にいろいろ持っていたら大変じゃね?」
「あー、うん。……まあ、スマホはいざとなったら小脇に挟んだり?するし……ごほっ」
「……んー、咳も少しは……あんまり酷く無さそう、か?」
「あー……そうかも。喉飴とかもめちゃくちゃ舐めてるしね……ごほっ」
なんつーか、麗奈が咳をし出すと『ごほっごほ!』って感じで数回に渡って咳き込んでいたようだけれど、今は、なんつーか……『ごほっ』だけで済むようになってきている気がする?
良かったー……少しは治ってきているってことなのかもしれない。
「はは、でも、声の方はめちゃくちゃな声してる」
「!う、うるさい……ごほっ……喉は痛いし、飲み物だって飲むの大変なんだよ?」
「分かってる分かってる。理解は出来てるつもりだから。まあ、ゆっくり治せってことだろ?学校もしばらくは休校なんだよな?だったら焦ることないじゃん。ゆっくり休んで、家で寛ぎながら俺がおすすめするアニメどんどん観てみてくれよ」
「はぁー……ホント、アニメ好きなんだから……ごほっ……」
「アニメじゃなくて、REONA好きなんだっつーの」
下の階に降りるとリビングには父さんの姿があったので、少しばかりびっくりした。なるべく音量を下げてテレビを観ていたらしい。たぶん具合の悪い麗奈に気を遣ってくれたんだろう。
俺はキッチンに立つとインスタントのコーヒーを淹れ、麗奈には生姜湯を用意してあげた。
「父さん、何か気になるニュースでもやってるか?つか、警察学校は?やっぱ休校になった?」
「あぁ、朝早くから連絡が来てな。講義以外はしばらくの間は止めにするらしい……和馬の会社と関係があるかは分からないが、医療機関はひっ迫しているってニュースで言っていたぞ?」
あー……やっぱり?
毎日、病院に足を運ぶ人たちが増えたってことだろう。もしも昨日、何とも無かったとしても電車とかバスの中でウイルスを感染して、貰ってきてしまうってこともじゅうぶん考えられるから同じ人が毎日のように病院に行って検査をおこなっているのかもしれない。
あとは、ドラッグストア系で咳止め薬も少ない……もしくは在庫が切れるかもな。だから開発部に連絡を入れたんだけれど、それでも今日中に補充が完了!ってわけにもいかないだろう。
「麗奈の様子は、どうなんだ?」
「まだ、ちょい咳はしているけれど……それでも、だいぶ咳は少なくなってきたよ。これで数日もすれば咳もおさまってくるんじゃないかな?」
「そうか。良かったな。……何か食べられそうだったら冷蔵庫にあるモノ食べてくれて良いからな?」
「ん、ありがと……ごほっ……」
んじゃお言葉に甘えて……と冷蔵庫を開けると、たまたまプリンに目が止まったから麗奈と俺の分を取り出し、スプーンも用意してあげた。俺は部屋で食う気は無いからこのままここで食べて行くつもりだ。
「へへ、ここのプリンって上手いんだよなぁ。昔ながらのプリンって感じがする」
「……まあ、美味しいよね……ごほっ……」
ちょっとした間食気分でプリンを食べ終えた俺と麗奈はそれぞれの飲み物を持っていくと再び各々の部屋に戻って行ったのだった。
創作物に批判は無いものの……それでも、公的には許可とかも無く勝手に想像したモノとかそれを売買に利用するのはあまり好ましく無かったりします……。なので、同人誌そのものは嫌いではないのですが、たまに微妙に考えてしまうこともあって……そこってグレーゾーンなのかな?(苦笑)
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