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第二十七話 スマホの充電切れで鬱だ……

 REONAと連絡先を交換したらしい声優は分かった。

 が、名前とかどうでも良い!REONA以外は興味がわかん!

 せっかく貰ったものだから、ということでアニメ雑誌は最初から最後まで目を通したさ。だって、俺が金を出したわけじゃない、近藤がわざわざ買って来てくれたものだからな。そりゃあちゃんと目を通さなきゃダメだろうって話だろう。

 基本的に俺はREONAが出演していなければその他のアニメには詳しくない。なので、アニメ雑誌にここぞとばかりに取り上げられている最近のアニメ、人気とされているアニメなどの情報を知ることになった。男の子向けの可愛らしい女の子たちばかりが登場してくるようなアニメも意外と男子ばかりではなく、最近では女子にも人気になってきているようだ。近いうちにゲーム化されているという話もあがっているらしい。最近のアニメとかってすぐ人気になるとゲーム化までに進んでいくまでが早くないか!?あ、それも見越した上で、世間で流行りそうなアニメ制作に力を入れているんだろうか……。少し話が逸れたが、女の子向けの作品……まあ、つまりイケメンばかりが登場するアニメっていうのもあるし、昔から人気が続いている作品も多いようだ。最近は、オタ活も増えてきているからなあ。なんつーか、ザ・アニメ風のバッグとかアニメ系のストラップだとかぬいぐるみをバッグに付けていてもあまり変って感じがしなくなってきている気がする。それだけアニメっていうモノが巷に出回っているってことなのか。


「……げ。もうこんな時間か!?」


 珍しくスマホが静かだ……と慌ててスマホを確認してみるとなんと充電が切れてしまっていた。あー……充電し忘れていたのか。気が付かなかった。妹の具合も心配だったし、あれこれしているうちにスマホを構う余裕も無くなってしまったんだろうか。……今の今までアニメ雑誌に没頭してしまっていたのは他ならぬ俺だけれど。


 慌ててスマホを充電していくと、数件の連絡が入っていた。それらは会社共通のメッセージアプリ。それから近藤からだった。会社からは明日に課長代理を含めた顔合わせを改めておこなうということだった。まあ、課長はしばらくは安静にしていないとまずそうだったからなあ……つか、課長代理って誰だ?


 近藤からは電話ではなく、メッセージが届いていたので軽く目を通すと『雑誌の感想待ってるぜ☆妹ちゃんに、よろしく~!』といったモノ。まあ、今日はえらく近藤にはお世話になってしまった。いろいろ買い込んで来てくれたみたいだしな。


「えーっと……『スマホの充電切れてた、すまん。アニメ雑誌見たぞ。もう相手がクソ羨ましいけしからんな!妹にも、伝えておくよ』」とメッセージを送り、簡単なスタンプも付けておいた。


「夕方、か……そろそろ母さんが帰って来てもおかしくない頃か……」


 母さんも大丈夫なんだろうか。だって介護職だぞ!?その気になれば、一気に感染が爆広がりしそうな場所じゃねえか。あ、決してご老人が嫌いだとか偏見があるとかじゃないので誤解しないでくれ!誰だって歳は取って、老人になっていくものだからな!でも、寝たきりの人の世話も大変だろうし、着替えやら入浴の手伝いやらをおこなっていければ患者と触れる時間が長い。そのなかで、どうしたって感染予防をしていても疎かになるときだってあるだろう。

 父さんは、どうだろうか……。もちろん警察学校も世の中がこんな状態になれば感染予防だ!って言って予防は徹底的におこなうかもしれない。でも、百パーセント安全!なモノなんてものはこの世には存在しないんだよなあ。まあ、帰って来たらそれとなく話を聞いてみるとして……。


「隣、静かだな……まさか、ぶっ倒れたりしていないよな……」


 確か近藤からの差し入れを持っていったのが、昼飯を食わせた後だったから十三時頃だっただろうか……。その時には、既に寝入っていた様子だったから声を掛けたりして無理に起こそうなんて気持ちにはならなかった。が、今はどうなっているんだろう。


 仕事をしているときには、とことん仕事のことだけを考えていれば良かったけれど、家で仕事をするようになるとあれこれと考えることが増えて……俺の心が落ち着かない。つか、むしろ鬱っぽくなってきていないか、俺!?不安定!情緒が不安定になるんだよ!だから定期的にREONAのボイスを聴きたいところだったのだが、ついついスマホの充電をし忘れていたようだ。くそ、俺のバカやろうーっ!


「……様子見、だけでも行くか……」


『あら、行ってらっしゃい!あら、行ってらっしゃい!あら、行ってらっしゃい!』


「うぉ!?今になって急に流れてきたし……スマホ、これに変えてから長いよな……そろそろ変え時か?」


 突然、部屋の中に聞こえてきたREONAボイスに(しかも、コレ明らかに時間おかしいだろ、ついに壊れてきたか!?)驚きながらそっと部屋を出ると、隣の麗奈の部屋の前へ移動した。……だが、どうする?寝ていたらそれはそれで良いんだが……あまりしょっちゅう様子見に来たらまた、うざがられたりするんだろうか。でも、そうやって『うざいキモイ』と言えるようになったら元気になったってことか。

 軽くコンコンとドアをノックするとかなり時間を置いてからそっとドアが開けられた。もちろんマスクを付けた麗奈が現れた。


「……な、に?……ごほっ……」


「わ、悪い。……もしかして、起こしたか?」


「ちょっと前から……ごほっ、起きてたから……どうしたの?」


「具合悪くしている妹の様子見。どうだ?咳は……相変わらず変わらないっぽいな……」


 熱も高かったけれどとにかく咳が凄かったからちょっとでも良くなっていると良かったんだけれど、朝昼と来て……そう目立った変化のようなものは感じられないな。


「体の怠さとかは?……言っておくけれど、『平気平気!』なんて言葉は受け付けないからな?」


 『むむむ……』と眉を顰めていくが、もしかしたら本当に『平気平気……』とでも言うつもりだったんだろうか。お前なあ……すげえ高熱も出ていたし、咳も酷いんだぞ!?たった数時間でそれが完治するとでも思うのか!?誰だって思うはずがないだろう。


「あ、あんまり……ごほっごほ……変わらない、かも……」


「だろうなあ……。あ、冷えピタどうした?剥がれたか?」


 うんうん、と無言のまま首を縦に動かす麗奈。冷えピタって最初の数時間ぐらいまでは良いんだけれど、気が付いたらスルッと剥がれ落ちているんだよな……。夜、張ったまま寝て起きると額から無くなっているから何処行った!?って、ちょっとしたプチパニックになったことがあるという人は俺だけではないはず……。


「ごほっ……あの、ビニール袋……なに?買い物行ったの?」


「ああ、あれか。俺の同期で、たまたまコンビニに用事があるヤツがいたから……つか、いろいろ話しててお前の話もしてたら最低限必要そうなモノをごっそり買って来てくれたってところだな」


「……あんなに?」


「……俺もびっくりしたよ。でも、もう貰ったモンだし……特に喉に噴射するスプレーは咳が酷い今、めちゃくちゃ必要だろ?ありがたく使ってくれよ?」


「……そう、なんだ……お礼、言っておいてね……ごほっごほ……」


 これは、もしかして……照れてる?ついついニマニマしそうになる口元はマスクで覆い隠されているから良いものの小さくフッと笑いながら麗奈の頭を軽くよしよし、と撫でてやった。つか、頭もまだ熱い気がする……薬がなかなか効いていないんだろうか。まあ、まだ一回分しか飲んでいないからどうもこうも言えないんだけれど……やっぱり心配なモンは心配だからなぁ……。

 なんだなんだ~?妹ちゃんってツンデレか?ツンデレだよな、ここまで来ると!!つか、寝てなかったのか。起きていただと!?一体何していたんだ!?水分補給か!?まさかスマホなんかイジってないよな!?(汗)


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