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第二話 ギリ学生時代から沼った存在

 さくっとパンとコーヒーだけの朝食を済ました俺。

 ……これからが地獄のはじまりだ。


 そう、『通勤電車』という名の!……鬱だな……。

 なんで、通勤電車ってこんなに混むんだ?

 こう毎朝毎朝、バカみたいにみんなが同じ時間帯の電車に乗ってさ、ぎゅうぎゅう詰めになりながら目的の駅まで移動。人間って意外と単純な生き物なんじゃないか?こうも毎朝混むってことが分かっているならなんで一本とか二本とか電車をズらして乗ろうとかって考えないんだよ!?そうすればこの混み具合ってのももう少し緩和されていくんじゃ……?

 おかしいな。

 学生時代にも電車は乗っていたが、こんなに苦痛に感じていただろうか。

 もしかして、老いたからか!?

 俺みたいな27の体には、もうキツいってか!?

 ふざけんな、バカ野郎!人間ってのは誰もが老いていくものなんだよ!世の若者たちよ、そうやってバカなことやっていられるのも今の内だからな!せいぜいそのバカな行動を今のうちに楽しんでおけ!精一杯、悔いが残らないように楽しめよ!!

 思えば俺って結構学生時代は真面目だったんだよな。遅刻、無意味な欠席はしたことが無かった。インフルエンザなんてものにも罹ったことなんて経験が無いから特殊な欠席扱いにはなるが正式には欠席としてカウントされるような欠席もしたことがない。……今、欠席って何回言ったんだ、俺……。きちんと同じ時間帯の電車に乗って、決まった時間帯に登校して……って、学生時代って今になっても意外と思い返せるものなんだなあ。

 まあ、そんなくそ真面目過ぎる学生生活を送っていたツケがまわってきたのかもしれないが、高三辺りだったろうか、その辺りでREONAの存在を見聞きして知った。その時の気分といったら……めちゃくちゃ感動モノだった。今まではアニメだとか漫画だとか、二次元的なモノにはあまり触れてこなかった。くそ真面目な学生だったからな。そのため、REONAとの出会いが衝撃的すぎた。

 その時にREONAが出演していたのは、確か魔法少女系のアニメだったような気がする。年齢的には小中学生辺りが好みそうな内容で、学生少女が変身して悪と戦っていくといった内容のもの。とてもじゃないが高校生の男が観て楽しむようなアニメではなかったように思う。が、そのREONAの演技に一発で引き込まれてしまった。いや、アニメにも魅入られた、と言うべきかもしれない。『アニメってこんなに面白いモノだったのか!』とアニメ無縁だった生活に潤いをもたらせてくれるものだった。まるで、そう砂漠にオアシスが生み出されたときのようなキセキを感じた!


 だが、声優っていうのもなかなか厳しい競争社会らしい。魔法少女系のアニメからしばらくREONAが出演している作品を見かけることはなくなってしまった。そのため、何度も何度もその魔法少女系アニメを見返したのだ。有名なセリフならば、いくつもスラスラと口に出せるほどに。本当に口に出そうものならば変質者にでも思われそうなのでやめておく。

 魔法少女系アニメも終了し、半年か一年近く経った頃だろうか。REONAが主役の座を掴みとったらしいことをSNSで発表していた。顔も本名も誕生日すらも公開していないのに、SNSでアニメ出演の発表だけはちょくちょくしていた。その時は、自分の誕生日でもないにもかかわらず、思わず記念のケーキを買って家に帰ってしまった。あのときは、家族中から『どうした?』っていう目で見られて、思わず『食べたかったから……』という苦しい言い訳で、結局みんなで美味しくいただいた。

 だが、いよいよREONAも主役か!やったな!きっと世のREONAファンたちは、俺と同じようなことをしていたと思う。いや、絶対していただろう!違いない!SNSでは俺と同じように『祝!主役デビューおめでとう!』とチョコレートペンで記載されているケーキ写真がSNSで流れてきていたから、やはりオタクたちは考えることは同じなのだ。

 REONAが主役として出演したのは、意外にもロボットアニメ系だった。そこのヒロイン兼主役がロボットに乗り、敵と戦っていくという内容。有名な監督、アニメ制作会社にも恵まれたらしく多くのファンが生まれることになった。そしてREONAの演技力が爆発された作品の一つにもなったのだ。叫ぶ、絶叫する、怒る、怒鳴る、泣く、泣き叫ぶ、哀しむ、喜ぶ、笑う……人間として必要不可欠な表現力全てを詰め込んだREONAの演技はいろいろなところで取り上げられることになった。もちろんインタビューもしたがった雑誌もあっただろうし、アニメ情報誌からすればREONA密着インタビューもしたかったかもしれない。が、ここにきてもREONAは素性を公には出さないままだった。ロボットアニメに出演したから、さらに頑なになってしまったのだろうか……いや、なんでもない。


『もうすぐ着くよ!もうすぐ着くよ!もうすぐ着くよ!』


 イヤホンから聞こえてくるのは、もちろんREONAの声。

 そして、これが聞こえてくるってことは降りる駅が近付いているということだ。

 時間予約設定なんてものはいくらでもできる。

 そして、今流れた音声というものがロボットアニメで流れていたREONAの言っていたセリフの一つでもある。感動的なラスト近くで言っていたセリフの一つだ。物語の最後もファンを裏切ることのないラストの仕上がりになっていて、円盤の売り上げも高かったようだ。(もちろん俺は予約済みだったが、普通に買おうとすると店には在庫が無いと断られることが多かったらしい、とSNSで見聞きした)。確かこの頃からだったかな。REONAが出演したアニメキャラクターのグッズや作品で言えば円盤だったり作品のBGMがストックされているCDなどを買い占め始めたのは。あまりお小遣いも派手に使うタイプではなかったため財布の中身には余裕があったから、途端に金遣いが荒くなったことで両親からは注意されるようになってしまった。仕方がないんです!これも好きな子のため!好きな子を応援する気持ちなんです!!


 目的の駅に到着すると俺に合わせてズラズラと乗車客もたくさん降りて行った。この近くはオフィス街だ。つまり、社会人が多い。そのなかに混じりながら俺も自分が働いている会社に向かった。

 ……鬱がまたひどくなった気分だ。

 毎日こうなのだ。

 電車に乗って、目的の駅に着くまではなんとか耐えられる。でも、ここからが一番難しい!

 これからハゲ上司にあれこれ言われると思うと……後輩イジリが好きな先輩にあれこれと絡まれると思うと……鬱になる。うっ、吐き気さえ感じるようになってきた。そんなときに効くのがコレだ!


『大丈夫、まだやれるよ!大丈夫、まだやれるよ!大丈夫、まだやれるよ!』


 というREONAが担当したキャラクターのセリフである。

 これがあるから、またなんとか頑張っていけるのだ。

 よし、まだやれる!やれるぞ!

 なーにがハゲ上司だ、先輩だ!俺は負けん!!


 だが、口からこぼれるのは溜め息ばかりだった。朝から溜め息なんて吐くな?だと?ふっ……いずれ、分かるさ。俺が、なんでこんなにも鬱鬱としているか。世の中はホワイトな会社ばかりでできているんじゃないんだぞ!!


 今のところ、REONAのボイスに問題は無さそうだ。そろそろイヤホンを新調しようかなと考えているのだが、その心配はいらない……かな?


 やっぱり、声優のREONAは俺の生活に無くてはならないモノらしい……。

 そこそこ、人が乗っている電車経験はあるのですが、超混み混みは……あ、新幹線で何回か経験したかもしれません。とても大変だった記憶があります。思い出したくはないですね……。


 毎日の癒しが好きな声優のセリフだなんて幸せですよ!むしろ、これが生きがい!!私もやってみたい!!私も結構、声優好き!!

 これまた変わったタイトル作品ではありますが、良ければ興味を持っていただけると嬉しいです!良ければ『ブックマーク』や『評価』などをしていただけると嬉しいです!そしてもちろん全ての読者様に愛と感謝をお届けしていきます!!

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