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5.騎士団寮の事情


 今後の動きをフェリクス様と話していると、彼と同じ第二騎士団の服を着用した二名の騎士がやってきた。


「だっ、……っいて!」

「ばかっ」

「うあっ。ああーっと」


 背の高い騎士が何かを言いかけて、彼より背の低い騎士が彼の足を思いっきり蹴った。

 蹴られた騎士はこちらを見てなぜか恐怖したように顔を引きつらせると、ぴしりと背筋を伸ばした。その背中をばしんと横の騎士が叩き、私をちらりと見るとフェリクス様に話しかけた。


「すみません。居なくなったと探していたら女性と一緒におられたので驚いて。そちらの女性は?」


 フェリクス様は背の高い騎士のほうをじっと見据え呆れた息をつくと、私を見てにこりと微笑み彼らに紹介してくれる。


「彼女はミザリア。わけあってひとりで王都に向かう予定だったので一緒に王都に戻ろうと思う。今回の任務は終了だ」

「「わかりました」」


 背の高い騎士がアーロン様でもうひとりがザッカリー様。彼らは名乗り終えるとにこやかに私に話しかけ、フェリクス様の指示に従いさっそく馬車を手配した。

 その馬車にフェリクス様と一緒に乗ると、騎士二人はそれぞれの馬に乗り、フェリクス様が乗ってきた馬も一緒に繋いで王都に向かった。

 そこまでこちらの意見を挟む間もなくあっという間であった。


 馬車の中、フェリクス様に質問されるがまま答える。


「やはりブレイクリー伯爵家のお嬢さんだったんだね」

「どうしてわかったのでしょうか?」


 人から見てわかりやすい行動をしていただろうかと不安になり尋ねると、フェリクス様は軽く眉を寄せちょっと困った顔をした。


「昨夜家を出されたばかりと言っていたし、この町までの距離と魔石を持っていたことでそこしかないなと」

「簡単に割り出せてしまうのですね。家を追い出された身で名乗るなと言われているので、あまりバレるようなことはしたくないのですが……」


 困ったなと目を伏せた。

 これはフェリクス様が特別に聡いのか、それとも誰が見てもわかるのかでかなり違ってくる。

 せっかく解放されたのだ。向こうも思っているだろうけれど、私ももう彼らと二度と関わりたくない。


「確かに下手な言いがかりをつけられる可能性はつぶしたいか。ミザリアのことはある程度地形や情報を持つ者ならすぐに推測を立てられるだろう。ミザリアも信頼できる相手以外は、家を追い出されたことや時期は言わないほうがいいだろう。魔石もなるべく最後の手段にとっておくといい」

「わかりました。仕事を探しに王都に出てきただけにします」


 なんでもバカ正直に話すと良くないのだろう。

 そのせいで買いたたかれそうになったばかりだ。


「そのほうがいい。それで仕事を探すのにミザリアはどんな仕事に就きたいとかはある?」


 私を見つめるフェリクス様の瞳の奥には見定めるような厳しさが見え、私は先ほどのアーロン騎士のようにぴしりと背筋を伸ばした。

 口調は柔らかいのに真面目な空気を出されると、それだけでこの馬車の中の空気が張り詰める。


 まだ若そうだけれど指示を出していたこともあって、階級などの説明はなかったけれどフェリクス様は彼らの上司であることはわかる。

 そんな相手に観察されると、何もかも暴かれるような気がして緊張する。

 隠すようなことはないのだけど、世間知らずなところを知られてしまっているのでこれ以上呆れられないかも心配になった。


「どのような仕事があって私に何ができるのかわからないのですが、家事は得意なのでそれを活かせる職業があればと思います。できそうな範囲のものを目についたところから手当たり次第といか、選べる立場ではないので雇ってもらえるところで頑張っていきたいです。あと、できたら住み込みのところとは思っています」

「そう。家事というのはどこまでできる?」

「掃除、洗濯、料理と一通りこなせると思います。資料整理もできるので、そちらの方面もあればとは思っています」


 伯爵家では掃除に料理になんでもやってきた。

 伯爵夫人はとにかく私に仕事を与えたがった。少しでも私がゆっくりと屋敷で過ごすのは許さないとばかりにあれこれ言いつけられた。


 母が亡くなる六歳までは教育を受けていたので字は読める。それに加えベンジャミンの学業や仕事の手伝いもこっそりとさせられ、知識がまったくないわけではないのである程度のことはできるはずだ。

 フェリクス様にどのような環境であったか詳しくは説明するつもりはないけど、働く場所さえ間違えなければ迷惑をかけることはないと思う。


 それでも不安はあるのでそろっと窺うようにフェリクス様を見ると、視線を落とし真面目な顔して思案していたフェリクス様は視線を上げた。

 聡明そうな瞳とぱちりと視線が交差し、その見極めるような鋭さにぴくっと肩が跳ねる。


「これは運がいい」

「運、ですか?」

「ああ。ちょうど住み込みで家事ができる人を探していたんだ」


 そこで興奮したような声を上げたフェリクス様は、よし、とでもいうように満足げにちょっと口の端を上げた。


 頼みたいことと言っていたからどんなことかと思えば、フェリクス様のほうも人手を欲していてそれと合致するかどうかの確認だったようだ。

 私が職を探していると言ったので、フェリクス様のお眼鏡に適うかどうかと話し合いの場を設けたのだろう。

 だけど、引っかかることがある。


「家事ができる人ならたくさんいると思うのですが」

「まあ、ちょっと事情があってね」


 そこで、憂い困ったようにフェリクス様は眉尻を下げた。

 見た目は知的に見えるし、騎士たちとのやり取りを見て厳しさも持ち合わせている人だとは思うのだけれど、この件に関しては喜怒哀楽を隠しもしない。

 該当者を見つけただけで興奮していたことからして、今まで苦戦していたのだろうことは察せられる。


「ええっと、大変だったんですね」

「そう。そうなんだ。それでミザリアは職を探していると言っていたね? だったら王都にある騎士団寮で働かない?」

「騎士団寮とは、騎士の皆様が住むところですよね?」


 流れ的にフェリクス様個人、もしくは知り合いのところなのかと考えていたがまさかの騎士団寮。

 嘘でしょ、と信じられない気持ちで確認する。


「そう。俺も入寮しているから安心して」

「……えっと、フェリクス様も入寮しているのですね。それは」


 知っている人がいるのは確かに安心材料になるけれど、そもそも騎士団寮は敷居が高すぎる。

 どう伝えていいか考えをまとめるように言葉を切ると、フェリクス様が詰め寄るように言葉を重ねた。


「変わった者もいるが基本気のいい者たちばかりだし、騎士団寮ならそうそう家にバレることもないし、何かあれば俺たちが守ることもできる」

「いえ。守っていただくとかは」


 迷惑をかけるようなことはしたくない。私が小さく首を振ると、フェリクス様は困ったように眉尻を下げた。

 考えるように一度外に視線を投じ、フェリクス様はきゅっと眉間にしわを寄せた。それから私に視線を合わせるように上体を屈めて、先ほどより強い口調で繰り返す。


「これは利害の一致と思ってくれていい。まずは軽いお試しと思ってくれたら」

「お試しですか?」


 どこが利害一致しているのか? 自分ばかりが条件が良くかなり押してくるなと首を傾げていると、フェリクス様は微苦笑を浮かべ柔らかな声で頷いた。


「そうだ。まず一度働いてみてできそうなら続けてほしい」

「望まれるのなら私はどこでも働くつもりではあります。そもそも雇ってもらえるだけありがたいのですが、私に務まるとは思えません」


 国に関わる人たちの生活基盤に関わるなんてやはり荷が重すぎる。

 迷惑をかけることを考えると、ここで断っておいたほうがいい。


 役立たずだとまた追い出されることになるのが怖くもあって、どこでも働くという気持ちは本当なのにあまりの場所に尻込みした。

 申し訳なくて肩を落として打ちひしがれると、フェリクス様は私の緊張や不安を解きほぐす、涼やかな声で諭すように語りかけてくる。


「家事には自信がありそうだったけど?」

「確かに家事に関してはそれなりにできるとは思いますが、男性ばかりの大所帯は今までと勝手が違うでしょうしやってみないことにはわかりません。できなかった場合ご迷惑をおかけするのは困りますし、それにどうして私なのでしょうか?」


 国の人気騎士が集まる場所で人手不足を引き起こしていること事態、あり得ないことはわかる。

 国が人員を用意するのではなく、騎士自らスカウトのようなことをするほど人が足りていないのはよほどの問題があるのだろう。


「それなんだけど、ミザリアは王都の情報は詳しくない?」

「あまり知らないと思います」


 本や資料に載るような情報は知っているけれど、伯爵領にしかも自分に入ってくる噂はごく一部でほとんどわからない。


「なら基本情報からだね。王都にある騎士団寮は独身のみが利用でき、そして我ら騎士団総長もそこに住んでいる」

「総長様もですか!?」


 騎士団総長。第一から第十五騎士団の総まとめで最強の存在。

 今代の総長はものすごい魔力を保有しその力でトップの座に君臨し、ひとたび戦場に立つと白金に輝く光線で場を一掃するのだとか、そういった噂のある騎士団のまとめ役。雲の上の偉いお方。


 年齢や出自などは不明。とにかく美丈夫であるということだけで、あれこれ憶測とともに様々な噂がある。

 総長が出陣するだけで勝利が確実になる。一人で何千もの騎士と同等の力があるのだとか、一瞬で場を収めてしまうだとか。


 総長のそばは騎士団長クラスの特定の者しか侍ることは許されず、孤高の存在。

 戦績以外のこと、プライベートのことは一切表沙汰になることはないのでもちろん女性との噂もなく、完璧な騎士のトップとして君臨していた。


 あのベンジャミンでさえも、総長と第一騎士団長は憧れを抱いている発言をしていたことがあったくらい有名な人だ。

 そんな立派な方までいるのに、なぜ人手不足になるのかますます疑問だ。


 私の疑問を感じ取ったフェリクス様は小さく肩を竦めると、ゆっくりと右手を上げてほつれ頬にかかった銀の髪を耳にかけた。

 ふぅっと妙に溜めて息を吐き出しじっと見つめられ、私は緊張からこきゅんと喉を鳴らした。


「総長は非常に人気で女性にモテすぎてね」

「えっ? そうなのですね? 噂ではものすごい美丈夫だと聞いております」


 醸し出す空気に合わない内容に拍子抜けする。


「そう。どの噂が耳に入っているのかは知らないけれど美丈夫というのは間違いない。総長を見たら誰もが一度は見惚れるレベルだ」

「それはすごいですね」

「俺も初めて出会った際、しばらく言葉もなくぼんやりしてしまったくらいだしね。まあ、大分昔のことで今は慣れたけど」


 性別が関係なくなるほどのレベルの美貌。

 その上、実力も伴い立場もあるとなれば女性が騒ぐのは仕方がないのだろう。有名税というか、活躍がめざましく、謎が多い部分も興味を駆り立てる要素だと思う。


「それは、総長様も大変そうですね」

「そうだね。そのため年頃の女性とは徹底的(・・・)に距離を置くようにされている」


 徹底的にというところがやけに力強く、総長や周囲の苦労が垣間見えた。

 モテて人生勝ち組とかそういったレベルではなく、日常に迷惑を被るくらいの人災に遭っているようだ。

 そのため、現在人手不足を生じ騎士団寮で働く人を募集しているということ。

 想像したこともない内容に驚いていると、フェリクス様は遠くを見るような哀愁を滲ませ苦笑した。


「まあ、他にも理由はあるのだけれどね。とにかくそれは総長を語る上でごく一部というか。実際会ってもらえば言いたいことはわかってもらえると思う。総長を見るとのぼせ上がって異性としてアプローチしてくる女性が多すぎて連敗続きなんだ。人気職だから次から次へときて、そろそろ安定して働いてくれる人が欲しくて」


 人はやってくるけれど、フェリクス様たちが思うような人が見つからなかったようだ。


「ますます私でいいのか心配になります」

「こういう言い方は好まないのだけど、ミザリアは生活がかかっている。しかも事情があり浮ついた気持ちを抱く暇がないだろう?」

「確かにそうですが」


 フィリクス様の言う通り、とにかく安定して働けるところがほしい。美丈夫に(うつつ)を抜かしている場合ではない。

 後ろ盾もない小娘にとっては働き口のありなしや場所は死活問題である。


「そう難しい業務ではないんだ。浮つかなければ。その浮つくという部分が王都の女性だと難しいようでね」

「なるほど」

「だから、職を探していると言ったミザリアならと思ったんだ。話していても落ち着いていたし、最後も騎士団寮と聞いて飛びつこうとせずむしろ辞退しようとしたところも俺には好感触だった。ミザリアが働いてくれたら助かるのだけど、引き受けてくれないだろうか」


 そう言い終えるとフェリクス様は少し心配そうな、それとは別の感情も入り交じったような真剣な顔で私を見た。

 カタッ、とおそらく馬車が小さな石に乗り上げたのだろう音が妙に耳につく。

 私は考えるようにゆっくりと視線を下げた。フェリクス様によって守られたピンクベージュの髪が視界に入る。


 ――私にできるだろうか?


 そういった心配はある。だけど、お世話になった騎士にお願いされて断りにくいというのもあるけれど、命令されることはあっても頼まれることはなかったので役に立てるのならやってみたいという気持ちが湧き上がる。

 それにやはり職にありつける可能性を捨てることはできない。

 スカートの上でぐっと手を握り込み、私は視線を上げてフェリクス様を見た。


「ありがとうございます。私としては総長様にご迷惑をかける事案が発生してしまった時にフェリクス様のお立場が悪くならないかが心配ですが、働ける場所があるならそこで頑張りたいです」

「うんうん。気負いすぎず頑張ってくれたらいいよ。それにきっと追い出されるようなことはない。俺の勘がそう言っている」

「勘、ですか?」

「ああ、騎士として鍛えられたこの勘には自信がある」


 妙に堂々と告げるフェリクス様を私はまじまじと見た。


 ――ここにきて勘……。


「ふっ」


 信じてくれるのは嬉しいけれど、それが勘だと言われて思わず笑いが漏れた。


 銀の髪や瞳の色に整った容姿は黙っていたら冷たく見えるタイプの美形だけれど、話し方が気さくなので構えずに話しやすい人物だ。

 総長がモテることは聞いたが、フェリクス様もとても人気がありそうだ。


 ふふっと声に出して笑っていると、フェリクス様が透明度の高い湖面のような瞳でじっと私を見据える。軽い空気を醸し出してはいても、その目は真剣で私は笑うのはやめ背筋を伸ばした。

 空気は柔らかなのに、この瞳に観察するように見つめられると緊張する。


「ちゃんと笑えるんだな」

「すみません。急に勘だと言われてちょっと気持ちが緩んでしまいました」


 自分では何度か笑っていたつもりだったのだけど、ぎこちなかったのかもしれない。


「いや、安心した。総長と俺は騎士団に入る前から長年の付き合いがある。あの方のほうが三つ下であるけれど常に理性的で俺の尊敬する人だ。それとともに長年一緒にいるからどのような人物なら受け入れるかだいたいわかる」


 口の端を引き上げ、続いて目を細めて告げるフェリクス様の表情はとても穏やかだ。

 その総長の事情で騎士団寮は苦労しているようだけど、恨んだりはしていないようだ。いい関係が築けているようで私には眩しく映る。


 ――私もそういう相手が、心から信頼できる相手がいつかできるといいな。


 生活が落ち着いたら、今までできなかったことをたくさんしてみたい。

 伯爵家では感じなかった人間関係を垣間見て、冬が明け初めて春を感じたかのように気持ちがぽかぽかとした。

 そう思わせるような表情に、大変そうな総長の実態に少し興味がわく。


「フェリクス様はおいくつなのでしょう?」

「俺は二十四だ」


 ということは総長は二十一歳。想像よりもかなり若い。


「フェリクス様の私が大丈夫であろうことは勘ということですが、私は屋敷と魔石の採掘の往復のみで外の世界を知りません。気づかぬうちに粗相することもあるかと思います。それでもと思われるのなら、私も仕事を探していたのでお誘いはありがたいので、こちらからもよろしくお願いいたします」


 そもそも家を出て次の日に仕事の斡旋までしてもらっていることが奇跡。

 総長の件は気になるけれど会ってみないことにはわからないし、フェリクス様が慕い信頼している相手ならば悪いことにはならないはずだ。

 ここまで説明され気を回され、この話を固辞する理由は私にはない。


「ありがとう。これで解放される」

「解放ですか?」

「ああ。食事の準備やら自分たちで回しているのだけど、仕事が忙しくなると身の回りのことは疎かになるし、外で食べるのはいいけど毎日だと落ち着かないし。いい加減疲れた日くらい寮でゆっくりしたい」


 誰にも気を遣わずゆっくりしたいという気持ちは痛いほどわかる。

 いつ叩き起こされるかとびくびくしながら寝る日々は疲れてしまう。いつ獣に襲われるかわからない外で寝た昨夜のほうが安心できるだなんて異常だと、それほどまでに精神的に追い詰められていたのだと、夜中に起きることもなく熟睡していた事実に私も気づいたばかりだ。


「ええっと、騎士団総長様に邪魔に思われないように頑張ります」

「さっきも言ったけれどそんなに気負わなくても大丈夫だよ。わかりにくい人だけど決して冷たい人ではないから」


 理由を聞かせてもらえたけれど今のところ憶測であるので問題が解決したわけではない。それでも、始める前からできないと決めつけるのはよくない。

 せっかく職を紹介してもらったのだ。しかも住み込みだというし、願ったり叶ったりである。


「いえ。頑張るのは役立たずだと思われながらそこに居たくないだけなので。お給金をいただくのでしたらやはり役に立つ仕事ができたほうが気持ちは落ち着くので」

「……なるほどね。俺はミザリアがずっといてくれると助かるし協力するからね。きっと他の者もミザリアを気に入るよ」


 そうか。難関の総長ばかりを気にしていたけれど、騎士は他にもいるのだ。

 彼らが私を気にくわなければ、それはそれで仕事に障りが出るだろう。ファーストコンタクトをクリアしたら仕事以外で総長とはなるべく接触しないようにすればいい。存在を押し殺すのは得意だ。


「まずはフェリクス様たちが落ち着けるよう仕事を覚えていきたいと思います」

「うんうん。帰ってミザリアがいると思うと和みそうだ。むしろ居てくれるだけでいいよ。話はついたね。このまま騎士団寮に向かってもいいかな?」

「はい。よろしくお願いします」


 家で寛ぎたいという気持ちはとてもわかる。

 せっかくなら私も自分の居場所を見つけたい。必要としてくれるのなら力になりたいし、必要だと思ってもらえるようになりたい。


 私は追い出されてすぐに頼りになる人物との出会いに感謝と期待に胸を弾ませた。




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