毒舌妹のメグ少佐の苦悩➂
「お姉様、いらっしゃいますか!!」
扉を勢いよく開けて、メグ少佐が慌てて入ってきた!
「メグたん?そんなに慌ててどうしたの?」
「先程、サウスの街にお使いに出ていたメイドがある情報を手に入れてきたんです!」
「ある情報?」
「魔族のアルダ大佐とデッド大佐を退治したとされるAランク冒険者の双子姉妹、ロンとリンがサウスの宿に泊まっているらしいんです!」
「あの可愛い双子姉妹ちゃん達が来たのね♡」
「呑気に喜んでいる場合ですか!サウスの街は私達の城の近くにあるんですよ!奴らはきっとこの城を攻めるために来たに違いありません!」
「あら?メグたんは知らないの?」
「なっ何をですか…?」
「双子姉妹ちゃん達は明日、リーベルの町で例のソノサキユリちゃん達と模擬戦をするらしいの。だからその移動のためにサウスに泊まっているのよ。」
「それ本当ですか…?」
「フッフッフ。私、可愛い女の子に関する情報なら、メグたんより多く手に入れてるつもりよ。」
「さっ流石ですね…?」
「でしょう。」
レア大佐は自慢気な顔をした。
「だとしたらこれは両方の実力を把握する絶好のチャンスになりますね…すぐに偵察隊を編成して、リーベルの町に送り込みましょう!」
「そう言うと思って。私が選んだメイドちゃん達に行ってもらったわ。」
「えっ…?ちゃんとスパイ出来る子に行かせたんですよね…?」
「二人には観光してくる気分で行って来ていいからねって伝えてあるわ。」
「ハァ…不安になってきました…」
「心配しすぎよ。もっと部下を信頼しなさい。」
「そうですね…?」
ちょうどその頃、すでにリーベルの町に到着していた当のメイド達はというと、帽子とサングラスで変装しながら、仲良く腕を組んで、クレープを食べながら散策していた。
「このクレープ美味しい〜♡レアお姉様にも食べさせてあげたいな〜♡」
「ねぇねぇ!次、あの屋台、見に行こうよ!」
「いいね!行こう、行こう!」
果たして二人のメイドはちゃんと自分たちの任務を遂行できるのか…?




