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69話 結婚の約束〜優梨とアリスの誓いのキス〜

お風呂に入った後、4人はリビングで少し雑談をして、クマ子はミーナとそして優梨とアリスで寝ることになった。


「なっなんか…初めて二人で寝た時より緊張するね…?」


「私は最初の時から緊張してたかな…」


「そうなの…?」


「だっだって…誰かと一緒に寝るなんて、子供の頃以来だったし…それに意識し始めてたアリスちゃんの顔がこんなに近くにあったんだもん…緊張しないはずないじゃない…」


「その気持ち…今ならよく解かるかも…今のアタシがそうだから…」


「アリスちゃん…」


「手を繋いでもいいかな…?」


「うん…いいよ…私もちょうど同じこと考えてたから…」


「じゃ…じゃあ…」


二人は照れながら布団の中で手を繋いだ。


「ユリちゃん達がお風呂に入ってる時に私、お姉ちゃんに伝えたよ…ユリちゃんに告白して両想いになったこと…」


「そうなんだ…ミーナさんは何て…?」


「笑顔でユリちゃんと幸せになるんだよって…言ってくれた…」


「ミーナさん…」


「だからアタシもお姉ちゃんに…ソフィーちゃんと幸せになってねって…言ってあげたんだ…」


「必ず幸せにするよ…アリスちゃんのこと…」


「ユリちゃん…」


「あのね…私、伝えなきゃならない大事なことがあるんだ…聞いてくれるかな…?」


「もちろん、ちゃんと聞くよ。」


「私、天使のアイルちゃんに召喚されて、この世界に来たって言ったじゃない…?」


「うん。」


「召喚されたのには理由があってね…私は魔王とその家来を退治して世界を救う使命を与えられた救世主って存在なんだ…」


「世界を救う救世主か…だからユリちゃんはあんなに強い力が出せたんだね?」 


「その使命を果たすためにも私はこの町に留まり続ける事は出来ないんだ…次の魔族のいる場所に旅に出なきゃならないの…だからその…私と…えっと…」


「ついて行くよ。その旅に。」


「えっ…?いいの…?」


「うん。」


「でっでもさ…ミーナさんやソフィーさん、それにミノリさん達にそう簡単に会えなくなるんだよ…?」


「それぐらいわかってるよ。」


「それにきっと長い旅になると思うし…ミーナさんを心配させることになるんじゃ…?」


「もう。」


「ほぇ…?」


アリスはユリの頬を軽く引っ張った。


「安心して。お姉ちゃんならきっと納得してくれるから。」


「アリスちゃん…」


「付き合ったばかりで…遠距離恋愛なんて嫌だもん…」


「あれっ…?もう私達、付き合ってることになってる…?」


「違うの?お互いに告白し合ったよね?」


「そっそれもそうか…?」


「もしかして付き合いたいくない…?」


「そっそうじゃないよ!私、人と付き合う事自体が初めてだから…」


「アタシだって初めてだよ…」


「それに付き合うなら…世界を救ってからって決めてたから…」


「真面目なんだね…?」


「駄目かな…?」


「わかったよ。今はユリちゃんのパーティー第一号になれた事で我慢することにする。」


「そっか…」


「ただし。」


「えっ?」


「それまで待つ変わりに世界を救ったら、『結婚』しようね?」


「なんだ…結婚か…結婚!?」


「まさかここに来て嫌だとか言わないよね?だったらぶっ飛ばしちゃうんだから。」


「嫌だとは言わないよ!ただ飛躍したなと思って…?」


「でもそれぐらいアタシはユリちゃんが大好きってことだよ…わかってくれた…?」


「はっはい…十分…伝わりました…」


優梨は顔を真っ赤にした。


「それならいいんだ。世界を救ったら結婚してくれる…?」


「するよ…」


「ありがとう!」


アリスは優梨に抱きついた。


(結婚か…想像は出来ないけど…アリスちゃんとなら…)


「今の誓いとして…キスしてくれる…?」


「キス!?」


「指導初日にもキスしたじゃない…?」


「なっ何で知ってるの!?」


「何でかな。」


「気づいてたんだね…?」


「それでしてくれるの…?くれないの…?」


「する…」


優梨は目を閉じてゆっくり近づくと、アリスの唇にキスした。


「これでいい…?」


「足りない…」


「んっ!」


次はアリスから優梨にキスをした。


「やっぱり気持ちいい感触…」


「もう…アリスちゃんったら…」


「何度もは嫌だった?」


「嫌なわけないでしょう…」


「可愛い。」


「そっちこそ、可愛いくせに…」


「嬉しい…」


その後、少し会話したら、魔族との戦いの疲労からか、二人はそのまま眠りについた。

そして一方の隣の部屋で一緒に寝ているクマ子とミーナというと…


「スゥゥ…スゥゥ…。」


「ふっふ。クマ子ちゃんったら、布団の中で私に抱きついたと思ったら、すぐに眠っちゃった。可愛い。」


「ミーナ…ソフィー…これからよろしくな…」


「まぁ。こちらこそよろしくね。クマ子ちゃん。」


自分の胸に顔を埋めて眠るクマ子の寝言にミーナは微笑んだ。



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