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66話 感動の姉妹再会。

家に着く頃にはすっかり日が暮れていた。


「アリス!!」


「アリスちゃん!」


「ただいま…お姉ちゃん…ソフィーちゃん…」


「よく無事に帰ってきてくれたわね…」


ミーナは泣きながらアリスを抱きしめた。


「ごめんね…心配かけて…」


「いいのよ…よく頑張ったわね…」


「魔族は倒したの…?」


「アタシじゃないよ…ユリちゃんが命をかけて魔族を倒してくれたんだ…」


「すっすごい…」


「そっか…やっぱりあの子はそれほど強かったのね…」


「うん…アタシの大事な人だもん…」


「大事な人か…」


「そっそういえば、さっきからユリさんの姿が見えないけど、どこにいるの…?」


「あれっ!家の前まで一緒に居たのに!」


-洋食屋の前にて-


「ユリ、おまえ何で建物の中に一緒に入らなかったんだべ?」


「だって姉妹の感動的な再会の邪魔をしたくないじゃない、クマ子ちゃんこそ、どうして入らなかったの?」


「怖かったからだよ…」


「どうして…?」


「もしかしたらアリスの姉ちゃんがオラのことを受け入れてくれないかもしれないべ…」


「なぜそう思うの…?」


「だっだって…オラは魔物だぞ…?それになによりザクロ大佐の元部下で…アリスの姉ちゃんは10年前にウルフ少尉に殺されかけたんだろ…?オラを受け入れてくれるのかどうか…」


「らしくないな。」


「えっ…?」


優梨は頭をそっと撫でた。


「きっとミーナさんなら。クマ子ちゃんのことを受け入れてくれるよ。」


「そうだべか…」


すると扉を開けて、アリスが出てきた。


「あっ!やっぱり外にいた!」


「あはは、バレたか…」


「アリス…」


「二人ともどうして店の中に入って来ないの?」


「ごめん、ごめん。今、行くから。」


「クマ子ちゃんも早くおいで?」


「わかったべ…」


クマ子も後から続いて店の中に入った。


「ユリちゃん!!」


「ふぎゅっ!」


ミーナは優梨を胸に抱き寄せた。


「アリスから聞いたわ!この町を救ってくれてありがとう!魔族を倒しちゃうなんて、あなた本当に凄い人だわ!」


「くっ苦しいです…」


「あら、ごめんなさい!感謝を伝えたくてつい!」


「もうお姉ちゃんったら。」


「あれっ…?アリスちゃん怒らないんだね…?前ならそこはアタシの特等席だってならなかった…?」


「そっそれは…」


「ソフィーちゃん、いいのよ。」


「えっ…?」


「魔族を倒したことを祝して、今日は盛大なパーティーを開きましょう。

 料理はいっぱい作ってあるのよ。ねっ?ソフィちゃん。」


「そっそうだね…」

(ミーナちゃんもスルーするなんて…普段ならとても寂しがるのに…?)


「その前にお姉ちゃん…ソフィーちゃん…紹介したい女の子がいるんだけど…?」


「紹介したい女の子…?」


「あら。誰かしら。」


「ほら。おいで。」


「おっおい!」


アリスは後ろに隠れていたクマ子を前に出した。


「この子の名前はクマ子ちゃんっていうの。」


「どっどうも…はじめまして…オラ…クマ子っていうべ…」


「あら♡小さくて可愛い♡くま耳までつけて♡」


「普通の子じゃないよね…?」


「この子はね…」


アリスは二人にクマ子のことをちゃんと話した。


「こんな小さな女の子が魔物なの?」


「そっそれに魔族の部下だった…?アリスちゃん、本当に言ってるの…?」


「だっだけどね!お姉ちゃん、ソフィーちゃん!

 クマ子ちゃんは魔族の部下をやめて、私達の仲間になって一緒に戦ってくれたんだよ!」


「そうなんです!クマ子ちゃんは優しい魔物なんです!」


「それでね、お姉ちゃん…?アタシにとっては妹みたいになってるし…クマ子ちゃんをこの家に迎え入れたいんだ…」


「私からもお願いします!」


「駄目かな…?」


「そんなの決まってるわ、もちろん…」


「ちょっと待って!」


«えっ?»


「私が口を出すことじゃないかもしれないけど、アリスちゃん…私は反対だよ…」


ソフィーのまさかの言葉にその場は静まり返った。


「ソフィーちゃん…?」


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