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百合パワーは最強なのです!!〜女子高生が与えられたスキル「百合を感じるたびに強くなる能力」で異世界を救うかもしれない話〜  作者: ぎゅうどん
百合で強くなる女子高生とアリスvsザクロ大佐の部下達の戦い!編
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54話 魔族ザクロ大佐との戦いを前に…

優梨達は全ての対戦相手を倒し、ついに敵の親玉であるザクロ大佐が待つ最上階を目指して歩いていた。


「そんな決着だったのか…」


「うん…」


その間に優梨はクマ子にもアーノ大尉の事を話していた。


「あいつも可哀想な奴だったんだな…」


「だからアーノ大尉を許してあげてくれる…?」


「いいぞ。ご主人様のお願いは素直に聞くもんだべ。」


「ありがとう…」


「良い子だね。」


アリスはクマ子の頭を撫でた。


「こっ子供扱いするな…オラはおめえさんより年上だぞ…?」


「照れちゃって可愛い。」


「あのなぁ…?」


(二人とも、すっかり仲良しですね。)


(そうだね…)


(まだアーノ大尉の事で落ち込んでいますか…?)


(どっどうして…?)


(通常の優梨さんなら、二人を見て、涎を垂らして喜んでいるかと…)


(私をどんなキャラだと思ってるのかな…?でもそうなのかも…頭からアーノ大尉の顔が離れないんだ…)


(アーノ大尉の過去は女神様から聞いていて、私も知っています。でも罪悪感を抱くことはありません。救世主として当然の事をしただけですから。)


(救世主としてか…アイルちゃんはまだ眠ってるの…?)


(はっはい…)


メアはベッドで眠るアイルを心配そうに見つめた。


(推測だけど…アイルちゃんが眠ってる理由って…スキルを唱えて疲れたからじゃない…?)


(どっどうしてそう思うんですか?)


(あの後から声に元気がなかった気がしたから…)


(考えすぎです!昨日徹夜したと言ってましたよ!それで眠ってるんだと思います!)


(そっそうなんだ…?)


(ええ…)


メアはアイルのスキルの危険性のことを言えなかった。なぜならアイルが心配させないように内緒にしているのがわかっているから。


(メアちゃん…?)


(あっいや、そういえばレベルが上がりましたよ!)


(それってアーノ大尉を倒したから…?)


(いつまでもクヨクヨしないでください!)


(はっはい!)


(あっすみません、つい大声だして…?)


(いいんだよ…確かにクヨクヨしてられないよね。喝をいれてくれてありがとう。)


(そんなつもりは…ステータスを見せますね…)


『園咲優梨のステイタス』

 現在:レベル36

 体力:102 防御力:55 俊敏さ:46

 優れた勘:42 術力:58 魔力:百合次第


(覚醒寸前)SUPERスキル「百合を感じるたびに強くなる能力」


(レベル一気に9も上がったんだ…)


(それもそうなのですが。重要な場所はここです。)


ピカッと一部の文字が光った。


(覚醒寸前…?)


(レア以上のスキルには覚醒というさらに上の段階があるんです。)


(ゲームや漫画にあるやつだ…?だけどいつ覚醒するのかな…?)


(何か条件が必要みたいですね。)


(条件か…)


(たとえば告白するとか。)


(告白!?)


(アリスさんのことそれぐらいに想いつつあるはずです。そうでなければ覚醒寸前までいくはずがありませんから。)


(そっそれは…)


(きっとその迷いすらも飛び越えて。必ず想いが強く突き動かす時がやって来ます。)


(断言するんだね…?)


(それが恋というものです。)


(それが恋…)


優梨が頬を赤らめて、アリスを見つめていた頃。

ザクロ大尉は最上階の闘技場に向う最中にある人物に連絡をしていた。


『あらら。たった二人の人間の少女に部下全員を倒されたですって?』


【本当だ、奴らは部下の力を遥かに凌いでいた。】


『その割には嬉しそうね?何か狙いでもあるのかしら?』


【フッ、感の鋭いやつだ、いいだろう教えてやる。】


ザクロ大佐は話した。


『なるほどね、だけどそれを受け入れなかったら、どうするつもりなの?』


【全力で抹殺するだけだ。】


『あら。もったいない。』


【しかし万が一だが、敗北もありえないわけではない。

 その時は我の代わりに魔王様とほかの魔族に報告を頼んだぞ、それが言いたかったのだ。】


『随分と弱気じゃない?』


【馬鹿者、いちようだ、負ける気などこれっぽっちもない。】


『あっそ、まぁあんたが倒されようが興味もないわ。でも報告だけはしといてあげる。』

 

【頼んだぞ…】


ザクロ大佐は連絡を切った。


【ふん、相変わらず生意気なやつだ、我の方が魔族としてずっと先輩だというのに…】


一方、さっきザクロ大佐が話していた相手はというと…


「ウフッフ、二人の人間の少女ね。私好みの子かしら。」



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