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百合パワーは最強なのです!!〜女子高生が与えられたスキル「百合を感じるたびに強くなる能力」で異世界を救うかもしれない話〜  作者: ぎゅうどん
百合で強くなる女子高生とアリスvsザクロ大佐の部下達の戦い!編
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49話 ザクロ大佐についての情報

少しの休息を取った優梨達はゲーム上での最後の対戦相手と戦うために先を進んでいた。


「アリスちゃん?本当に回復したの?

 まだ寝ててよかったんだよ…?」


「ユリちゃんの膝枕がすごく居心地がよかったのかな。なんだか気持ちよく眠れた感じがするんだ。」


「そっそう…?」


「うん。ありがとうね。」


「お礼なんて…」


「今回は仕方なく膝枕を譲ってやったけど、次は絶対にオラがしてもらうんだからな。」


「はいはい。」


「何も宣言しなくても…?」


「それぐらいして欲しいんだ。」


「そんなに膝枕して欲しいなら、アタシがしてあげようか?」


「なっなんでそうなるんだべ!?」


「戦ってる時に応援してくれたじゃない。そのお礼。」


「勘違いするな!あれはあの蛇野郎がムカついただけで!」


「頑張れって聞こえたような?」


「確かに言ってたね。」


「むぐぐ…というか、おめえさん、オラは元おじさん熊だとか、嫌がってなかったか…?」


「ユリちゃんの言う通り今は幼女なんだし。気にすることないかなって。」


「よかったね。クマ子ちゃん。受け入れられて。」


「ふっふん…こいつに受け入れられたって、嬉しくなんかねぇよ…」


「そう考えたらツンデレな妹が出来たみたいなんだもん。」


「おい、ツンデレって!ふぎゅ!」


アリスはクマ子を胸に抱き寄せた。


「抱きしめたらわかるけど。本当に小さい。」


「ついにクマ子ちゃんもやられたか。」


「最初に会った時は敵だったから言えなかったけど、くま耳が可愛いなって思ってたんだ。」


「そうだったの?」


「耳の肌触りたまらない。」


「ぷはぁ。いい加減、離しやがれ!」


「え〜?まだいいじゃない〜?」


「言い訳あるか…」

(なっなんだ。今の柔らけぇ感触は。)


「じゅるり…」


(ユリさん。涎垂れてますよ。)


(あっいやこれは!)


(ノートに書いてありました。優梨さんは前の世界に居た頃から百合が大好きなんですよね。)


(マジか…そんなことまで…)


(その好きって気持ちがあなたの力の源になるんです。恥ずかしがることありませんよ。)


(アイルちゃんと似たこと言ってるね?)


(そっそうでした…?)


(こっちからは姿は見えないけど。声で照れてるのはわかるかな。)


(えへへ…)


するとバッアン!!と扉を開けて、アイルが入ってきた。


「ハァハァ…ただいま…」


「そんなに息を切らして!もしかして走って戻ってきたの?」


「そうだよ…」


「アイルったら、女神様から与えられたスキルで救世主の役に立ちたいって。」


「エイラさんも一緒だったの…?」


「エイラさんはこの本を届けてくれたんですよ。」


「もしかして天界図書館で調べていたやつ…?」


「ええ、ザクロ大佐の情報が書いてありますわ。」


「そうだったんだね…勘違いする所だった…」


«勘違い…?»


「あっいや、何でもない。」


「そうですの…?」


「これまでのこと聞かせてもらっていいかな?」


「わかった。」


メアはアイルが部屋を出てから、現在までに起った出来事を詳しく話し始めた。


「というわけだったの。」


「なるほど…アリスさんがそんな強い力を…」


《メアちゃん?何かあったの?》


会話の途中だったので優梨が心配していた。


(今、アイルちゃんが部屋に戻ってきたんです。)


(そうだったんだ。)


(ただいまです。優梨さん。)


(お帰り。それで新しいスキルは与えてもらえたの?)


(もらいましたよ!新たなスキルは…)


「どうやら私のサポートはここまでみたいですね。」


「そのことなのだけど、あなた、アイルが無茶をしないように付いていてあげてくれるかしら…?」


「無茶をしないように…?」


「実は…」


エイラは部屋の外に連れ出して、新しく手に入れたアイルのスキルの危険性を話した。


「そっそんな危ないものなんですか!?」


「きっとあのアイルことですわ。たとえ女神様と約束していても、自分の命を顧みない行動に出ないとも限らない。あなたがそれを止めてあげてちょうだい。」


「わかりました…絶対に止めます…」


「それなら、安心しましたわ。女神様にはわたくしから伝えておきますから。これで…」


「待ってください!」


「何かしら?」


「どうして心配を?あなたはアイルちゃんがライバルとして憎かったんじゃないんですか?」


「まぁ、確かに憎いですわ。」


「じゃあ、どうして…?」


「でも消えて欲しいとはまでは思いません。そんな勝ち方しても、ちっとも嬉しくないですわ。」


エイラは真っ直ぐな瞳で答えたら、去って行った。


「かっこいい…」


「メアちゃん、エイラさんは?」


「あっうん。帰っちゃった。」


「そうなんですか…?もう一度、お礼言おうと思ってたのに…?」


「私、引き続きアイルちゃんの手助けするね。」


「いいんですか?」


「残る敵はあと二人、気を引き締めた方がいいと思わない?」


「そっか。それもそうですよね。メアちゃんが居てくれると心強いですし。」


「一緒に頑張ろう。」


「はい!」 


二人は部屋に戻った。


「それでメアちゃんにもここのページを読んで欲しいんだ。」


「確か、ザクロ大佐の情報が書いてあるってページだね?どれどれ…」


"ザクロ大佐はレベル70の魔族、固有能力として引力、斥力、重力を自由自在に操る事が出来る。

 弱点は不明。ただ邪悪な者である限り、光属性の攻撃は効果抜群であると考えていい。"


「レベル70、やっぱり強敵だね…?」


「魔族だからね。」


「優梨さんにもこの情報は伝えた?」


「伝えたよ。」


「反応は?」


「思ったより怖がってなかった。むしろ決意を新たにしているみたいだったかな。」


「強いね。優梨さん。」


「強くなったと思う。最初に会った時より随分と…」

 

そして当の本人の優梨はというと…


(ザクロ大佐は重力を操れるのか…漫画とかアニメだと確実に強敵だ…二人を守るためにも私がもっと強くならなくちゃ…)


「ユリちゃん、考えごと…?」


「あっううん、違うよ。」


「お腹でも空いたのか?」


「それはクマ子ちゃんの方じゃない?」


「へっへ。バレたか。」


「家に帰ったら、お姉ちゃんにいっぱい美味しいご飯作ってもらうことにするね。」


「オラも食わしてくれるのか?」


「もちろん。」


「やったべ。」


「よかったね。」


「お姉ちゃん…」


「んっ?どうした急に暗い顔して?」


「そっか…次の相手はいよいよ、あいつだもんね…?」


「うん…」


「アーノ大尉とも因縁があるのか?」


「まぁね…」


「10年前に居たのか…?」


「それもあるけど…」


アリスはクマ子にあの出来事を話した。


「あいつ、お前達の前に突然、現れたのか…?」


「私達も驚いたよね…?」


「うん…?」


「あいつ、オラも謎だったんだよな?魔物のくせに頭に角や耳があるわけでもないし。」


「確かに角も耳もなかった気がする…」


「何よりお面を一切外さないから、素顔もわからないし。」


「お面をかぶって、正体を隠してるとか…?」


「誰に…?」 


「さっさぁ…?」


「おい、見えてきたべ!」


そしてちょうど同じタイミングで、扉が見えてきたのだった。


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