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百合パワーは最強なのです!!〜女子高生が与えられたスキル「百合を感じるたびに強くなる能力」で異世界を救うかもしれない話〜  作者: ぎゅうどん
百合で強くなる女子高生とアリスvsザクロ大佐の部下達の戦い!編
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43話 恋の三角関係。

優梨達のことを見ていたザクロ大佐はというと…


【まさか、ベアー中尉が裏切るとは!】


怒りでバキンッ!!とワイングラスを割った。


「制裁を加えた方がよろしいのでは?」


【それは後々考える、それよりアーノ大尉もそろそろ持ち場に付いてくれ。】


「かしこまりました。」


【その前に一つ聞いてもいいか?】 


「何でしょうか?」


【魔王様から頂いた"赤魔石"が一つ紛失しているのだが、犯人に心当たりはないか?】


「いえ、知りません…」


【そうか、行っていいぞ。】


「はい。」


アーノ大尉は部屋を出て、赤い石を手に持った。


「これがあれば…」


一方、優梨達はというと、次の対戦相手と戦うために先を進んでいた。


「ユリ〜。」


「あの…腕を組みながら歩くのは流石に…?」


「いいじゃんか。」


「でもアリスちゃんが…」


「あなた、さっきからユリちゃんにベタベタしすぎだよ!」


「ユリはオラのご主人様だぞ。ベタベタして何が悪い?」


「絶対に下心あるに決まってるから!」

 

「そんなのないもーん。変な疑いかけないで欲しいべ。」


「ぐぬぬ…」


「アリスちゃん…?」


「何でユリちゃんは嫌がらないの!」


「えっ!」


「この子の元はムカムカベアーの♂だったんでしょう!しかも人間だったら中年のおじさんだったらしいじゃない!」


「でっでも今は女の子だし…?」


「そうだ。今はこんなに可愛い幼女だべ。」


「自分で可愛いだなんて…」


「ユリはオラの事、可愛いって思ってくれてるよな?」


「えっ!」


「まさか思ってくれてないの…?お姉ちゃん…?」


クマ子はうるうるな目で問いかけてきた。


「思う!思うよ!クマ子ちゃんは可愛い!」


「ほらな?」


「ユリちゃんって、ロリコンだったんだね…」


「違うよ!ロリコンではないから!」


「おめえさん、元が♂だのロリコンだのいちいちケチつけてくるけど、要は嫉妬してるんだろう?」


「嫉妬なんかしてないから!」


「どうだが?」


「あんたね?」


「何だべ?」


二人が火花を散らすほど睨み合った。


(どうしてこうなっちゃったのかな…?)


(それは二人の優梨さんへの百合度が80%だからです!)


(なるほど。百合度80%だからか。って!?80%!?)


(お二人を測定した結果!♡の数が4つだったので!)


(ちょっと待って!それって確か…)


(はい!お二人とも優梨さんに恋をしていると認めているんですよ!)


「えっーーー!?」


«えっ…?»


「あっいや、もう喧嘩はやめようね…?」


「そっそうだね…」


「ユリが言うなら…」


(驚きすぎですよ?)


(驚くに決まってるじゃん…?心臓が飛び出るかと思ったよ…?)


(わかっていた事じゃないですか。アリスさんは恋愛感情を力にするスキルを優梨さんへの想いで発動したんですから。)


(そんな事言われても頭が追いつかないよ…本当に同性で私に恋してる人が現れるなんて…しかも二人も…

 というか、何でクマ子ちゃんはすでに恋しての…?)


(きっかけはどれかはわかりませんが、クマ子さんを速攻で落としたみたいですね?)


(私にそんな才能ないと思うけどな…?)


(無意識たらしというわけですね。)


(あのね…)


(こんなチャンス逃したらもったいないです。二人ともっと親交を深めて必ずパーティーに誘ってください!)


(わかったよ…?)


(どちらかと恋人関係になってくれるとスキルがさらに発揮出来ると思うので、期待してますね。)


(アリスちゃんまではわかるけど…クマ子ちゃんを恋愛対象に見るのはロリコンになる気がするから、難しいと思うな…)


(アリスさんまではわかるんですね。)


(あっ!えっと…今のは言葉の綾で…)


(隠さなくていいですよ。ユリさんの気持ちの変化はサポートしている私が一番よく理解しているつもりですから。

 だから現に"想い"でスキルを発揮出来てるわけですし。)


(だよね…本当は気づいてるんだ…私、アリスちゃんに…)


「また腕組んでる!」


「えっ?あっ本当だ?」


「いいべ。べつにしたって。」


「腕組みが何だ。アタシはユリちゃんにキスしたことあるんだから!」


「えっ!?」


「頬にだけど…」


「なっなんだ…」

(森でのキスかと思った…)


(アリスさんは寝てて知るはずありませんよ。)


(そっそれもそうだよね…?)


「なんだ、頬にキスぐらい。」


「なっ!」


クマ子が背伸びをして、優梨の右頬にキスをした。


「いきなりは驚くよ…?」


「ごめん、ごめん。これでどうだ?」


「だったら!アタシだって!」


「なっ!」


アリスも負けじと左頬にキスをした。


「ふふん。」


「アリスちゃんまで…?」


「だったら、もう一度だ!」


「アタシだって!」


「ちょっと!」


優梨は両頬をキスされた。


«さぁ、どっちのキスが一番良かったと思う!»


「そんなの答えられないよ〜!」


それをアイルは喜ばしく見ていた。


「優梨さんはやはり女の人に好意を持たれる人間だと思ってましたよ。

 この世界に来る前にも"三人"から片想いされてましたからね。本人は全く気づいていなかったようですが。」


すると部屋の扉をノックされた。


「はっはい!どなたですか?」


「ハァハァ…私だよ…」


「メアちゃん、どうしたんですか!そんなに息を切らせて!」


「女神様が新たなスキルを完成させたから至急、神殿まで来るように伝えて欲しいって頼まれて。」


「それで慌てて伝えに来てくれたんですか。でも今、行くのは…」


「わかってる。救世主の子が心配なんだよね?

 女神様からアイルちゃんが戻って来るまでサポートの代わりを頼まれたから任せて。」


「そこまで考えてくれてたんですか…」


「安心して行ってきて。」


「ありがとうございます。メアちゃんになら任せられます。」


アイルは優梨に状況を伝えると、出掛ける前にノートを渡した。


「これに今までの記録や出来事をメモしてあります。困ったりしたら見てくださいね。」


「ありがとう。助かるよ。」


そしてすぐに神殿へ向かった。


「アイルちゃんのためだ。頑張るぞ。」


メアは気合を入れたら、テレパシーで話しかけた。


(初めまして。救世主の園咲優梨さん。

 聞いたと思いますが、アイルちゃんが戻って来るまで代わりにサポートを担当する守護天使のメアです。お役に立てるように尽力致します。よろしくお願いしますね。)


(こっちこそよろしくね…メアちゃん…)


(随分とお疲れのようですね…?)


(色々とあってね…ようやく二人の喧嘩を収められたところなんだ…)


(そうなんですか…?)


(それはともかく頼りにしてるよ…)


(任せてください。アイルちゃんのメモがありますから。どんなことがあっても対応出来ると…)


(メアちゃん…?)


(あの、聞いてもよろしいですか?)


(あっうん…?何かな…?)


メアの声のトーンが変わった。


(ノートに優梨さん大好きって書いてあるんですけど、これって何ですか?)


(えっ!?)


(二人は相思相愛だとかも書いてありますね?)


(あっわかった!それはきっと!)


(まさか二人ってそういう関係だったんですか?)


(待って違うよ!)


(私のアイルちゃんを奪うなんて…許さない絶対に…)


(ちゃんと話を聞いて!)

 

(てめぇ…呪ってやる…)


(それはアイルちゃんが考えた百合妄想のアイデアだから!)

 

(えっ…?百合妄想…?)


(私のスキル知ってるはずでしょう…?

スキルを発動させるために、妄想を手助けしてもらってたんだよ…シナリオと声を担当してもらったりしてね…?)


(本当だ…ノートにもそう書いてありました…)


(でしょう…?)


(すっすみません!)


(気にしないで…勘違いは誰にでもあるよ…ただ正直、怖かったけど…)


(私、アイルちゃんのことになると性格が変わっちゃうので…)


(まぁでもそれだけアイルちゃんが好きなんだよね?)


(はっはい…小さい頃から大好きで…)


(もしかして結婚の約束をしたこと覚えてたり?)


(なっなっ何でそれを知ってるんですか!?)


(アイルちゃんが話してたから。)


(覚えててくれたんだ…)


(この異世界を救う役目を果たしたら、プロポーズするんだって言ってたよ。)


(それに私と同じことを考えてたなんて…)


(メアちゃんもそのつもりだったんだね。)


(うぐっ…うぐっ…嬉しい…)


メアは涙を流して喜んだ。


(よかったね。)


(優梨さん…)


(今、私から聞いたってことは内緒だよ。胸にとどめておけるよね?)


(はい。その日まで待ちます。)


(二人の恋、応援するからね。)


(ありがとうございます。私もサポート頑張りますね。)


メアは人が変わったように真っ直ぐな瞳をしていた。



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