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ミーナとアリスの愛の約束。

「はぁぁ♡何度見ても可愛い♡本当に双子の姉妹みたい♡」


ミーナはお店の開店準備に取り掛かる前に昨日、撮ったアリスと優梨の寝顔写真を見て喜んでいた。


「さっそく、アルバムに追加しなくちゃ。」


すると開いたアルバムから一枚の写真が床に落ちた。


「あら!これって確かアリスが冒険者になった日に

 撮った写真じゃない!

 一枚だけ、失くしちゃったと思ってたけど、このアルバムに挟まってたのね。よかった。」

 

私は写真を見ながら、その日のことを思い出していた。


「確か…この時…」


〜今から半年前、アリスが冒険者になった日〜


「お姉ちゃん!見て、見て!

 これが冒険者になった証に貰った腕輪だよ!」


「あら。オシャレな腕輪ね。とっても似合ってるわ。」


「えへへ。でしょ。」


「アリスったら。その腕輪がよっぽど気に入ったのね。」


「だって、これを着けてるとアタシもやっと冒険者になれたんだって実感するんだもん。」


「アリスのこの姿、お父さん、お母さんにも見せてあげたかったわね…」


「うん…見せてあげたかったな…」


「冒険者になるために努力したものね。よく頑張ったわ。」

 

「まだまだ始まったばかりだよ。緑色はまだランク的には一番下のFランク。

 父ちゃんと母ちゃんに二人を超えてみせるって約束したんだもん、絶対にDランク以上になってみせるんだ。」


「きっとなれるわ。私はそう信じてる。」


「ありがとう…どんな敵からもお姉ちゃんを守れるぐらい今より強くなってみせるから…

 そしたら、あの10年前みたいなことがあっても…」


「アリス。」


ミーナは後ろから抱きしめた。


「お姉ちゃん?」


「あまり無茶はしないでね。

 あなたが10年前みたいな目にあったら…私…私…」


「わかってるよ…お姉ちゃんに心配させないようにするから…」

 

「約束よ…?」


「お姉ちゃん、これ。」


「これって…?あなたと同じ腕輪…?」


「家族と連絡用にもう一つもらったんだ。」


「よく貰えたわね…?」


「本当は一人一個までらしいんだけど、昔、町を救ったお礼だって、無理を聞いてくれて、もう一つくれたんだよ。」


「そうなのね。」


「これがあればいつでも連絡が取り合えるから、少しは心配かけなくて済むかな…?」


「ありがとう。そこまで考えてくれて。」


「大切なお姉ちゃんのためだもん…当然だよ…」


「それでもありがとう…」


「お姉ちゃん…昔した約束覚えてる…?」


「昔した約束…」


「小さい頃によく通った公園で、約束したことなんだけど…」


「ごめんなさい…覚えてないわ…」


「そっか…覚えてないならいいんだ。」


ミーナはその時の写真をアルバムに閉まった。


「ごめんね…忘れたフリして…本当は私だって…」


その頃、まさかアリスと優梨が森の中で恐ろしい邪悪なモンスターに遭遇しているとはミーナは考えもしてなかった…



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