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25話 意識しちゃうに決まってるよぉ!!

私は着替えながら、アイルちゃんと話していた。

 

(それにしてもアリスさんがあれほどまで姉のミーナさんを愛していたとは。)


(なんせ結婚したいだからね。)


(でも惜しかったですね。せっかく優梨さんへの百合度が少し上がっていたのに…)


(ほえ…?百合度…?何その新たなワード…?)

 

(ああ!そういえば、私の新たに与えられたスキルについて話すのすっかり忘れてました!)


(新たに与えられたスキル…?)


(実は私、昨日の夜、優梨さんが寝た後。女神様に呼ばれまして。サポートの手助けになればと新たなスキルを与えてもらっていたんです。)


(そうなんだ…?)


(その名もですね!女神付与スキル『優梨さんへの百合度を測定できる能力』です!)


(名前だけでも百合パワーの役に立ちそうなスキルだってことだけはわかるよ…?)


(百合度は♡の数で最高5個まで表示されます!例えば…)


 ♡の数が1つだった場合。

 「百合度20%」

《優梨さんのことが気になっている段階。》


 ♡の数が2つだった場合。

 「百合度40%」

《優梨さんを特別な存在だと感じている段階。》


 ♡の数が3つだった場合。

 「百合度60%」

《優梨さんに強く百合感情を抱いている段階。》


 ♡の数が4つだった場合。

 「百合度80%」

《優梨さんに恋をしていると認めている段階。》


 ♡の数が5つだった場合。

 「百合度100%」

《優梨さんが好きすぎてたまらない段階。》


(という感じです!説明はご理解頂けましたか?)


(なんとなくは…)


(確かに言葉だけじゃ、なんとなくですよね。実際に試してみましょうか。)


(だっ誰に…?)

 

(近場に居る人だとミーナさんでしょうか?)


(顔見知りはちょっと!町中で初めて会った女の人とかは…?)


(どうしてですか?)


(だって知っちゃったら、いくら恋愛に疎い私でも意識しちゃうに決まってるよぉ!!)


(往生際が悪いですよ?今後のためです。腹を据えてください。)

 

(わかったよ…ちょうど着替え終わったし…

 今後のためだから、試してみてもらおうかな…?)


(そう言ってくれると思ってましたよ。)


私は緊張しながら、一階に降りた。


「降りてきたわね。」


「遅くなりました…」


「それじゃあ。頂きましょうか。」


「頂きます…」


私はミーナさんと一緒に朝食を食べ始めた。


(ではさっそくスキルで優梨さんへの百合度を測定してみますね!)


(うっうん…)


(測定開始!)


「お味はどうかしら?」


「おっ美味しいです…」


「それはよかった。」


(出ました!)


(もう出たんだ…?)


(すごい!♡の数は3つです!)


「ぶふっ!ゴホッゴホッ…」


私は驚きのあまり飲んでた牛乳を口からこぼした。


「あらら。大丈夫?」


「平気です…」


「慌てて食べなくていいのよ。まだ7時になったばかりだし。焦ることないわ。」

 

「そっそうですね…」

 

(動揺してますね?)


(そりゃそうなるよ…?♡が3つって本当に言ってるの…?)


(事実ですよ。)


(どうしてそこまで♡が…?確かにスキンシップが激しいのはあったけど…?)


(推測ですが、優梨さんがアリスさんにそっくりなことが関係しているかなと?)

 

(それって…?)


(つまりですね。ミーナさんはアリスさんに並々ならぬ百合感情を抱いていて。それがそっくりな優梨さんにも若干、反映されているということではないでしょうか?)


(じゃあ、もしかして…ミーナさんも…)


「なんだか幼少期のアリスを思い出したわ。」


「幼少期のアリスちゃんですか…?」


「あの子もよく食べものをこぼしてたもの。」


「私、そこまで子供じゃありませんよ…?」


「あら。ごめんなさいね。ただ懐かしくて。

 あんな小さかったアリスも今は大きくなって。両親に約束した冒険者になって。立派に頑張ってる。」

 

「冒険者になることは両親との約束だったんですか…」


「いつか二人を超える冒険者になるんだってね。あの頃、両親も喜んでたわ。」


「偉いな。約束を守ったんだ。」


「本当にね…私は約束を守ってあげてないのに…」


「そっそれって…?」


「あっ何でもないのよ。気にしないで。」


「はっはい…?」

(もしかしたらアリスちゃんとの約束、覚えてるんじゃ…?)


(可能性はありますね。)


(だよね…?それによく考えてみたら、一緒に寝ることがあるって言ってたし…

 昨日の夜みたいなアリスちゃんの寝言を聞いてないとも限らない…)


(気になりますか?)


(うっうん…)


「ユリちゃん…?」


「ミーナさん、アリスちゃんの寝言ぐらい聞いたことありますよね…?」


「なっ何?急に?」


「アリスちゃんとの約束を覚えてるんじゃ…?二人でした…むぐっ。」


「それ以上は口に出さないで…?」


ミーナさんは初めて見せる切ない表情で、私の唇にそっと人差し指を重ねて、口封じした。


「じゃあ、やっぱり…」


「それより喋りながら食べてたからもう7時半よ?」


「わっ遅刻しちゃう!?急いで支度して行かなくちゃ、ご馳走様でした!」


優梨は慌てて2階に戻った。


「ごめんね…ちゃんと答えなくて…」


ミーナは窓から町の景色を見ていた。

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