18話 嬉しくて、心強いよ!
(あっそうだ。女神様にこれまでのことを報告しに行ったら、優梨さんのことをとても褒めていらっしゃいましたよ。)
(そっそうなの…?)
(異世界に来て初日なのに、与えられたスキルをすでにそこまで自分のものに出来るなんて。
今後の活躍に大いに期待が持てるって言ってましたよ。)
(期待されるのはちょっと嬉しいんだけど、女神様も知ってたりするの…?私のスキルのこと…?)
(知ってますよ?優梨さんにスキルを与える前に申請して許可を頂きましたから。)
(申請してたのかい…というかよく許可もらえたね…?そんなふざけたスキルで世界が救えるか!とか怒られなかった…?)
(いえ?可愛いスキルねと仰っていらっしゃいましたよ?)
(あはは…随分と物分りのいい方なんだね…?
しかし、このスキルの存在を知ってる人が私とアイルちゃんを除いて、もう一人居たなんて…)
(女神様だけじゃありませんよ?同僚の守護天使達も知ってます。)
(そんなに大人数に知られてるの!?)
(報告の時に女神様の元にみんなが集まっていたので、必然的に。)
(マジか…同僚の子達は不評言ってなかった…?)
(面白いスキルだねって高評価でしたよ。)
(天界って、物分りのいい人しかいないの…?)
(ただ…)
(ただ…?)
(ある同僚の天使だけが、そんなふざけたスキルで世界が救えるはずがない!って怒ってました。)
(まともな子も居たんだね…)
(違うんです。その子は何かあるたびに私につかかってくる子で、さっきだって女神様にアイルより私の方が優秀です!私にこそ異世界を救う使命を与えて欲しい!って直談判してましたから。)
(その子はアイルちゃんのライバルか何かなの…?)
(私はそんな感じに思ってませんが、彼女が勝手に私にライバル意識を燃やしていらっしゃるというか何というか…)
(そっそうですか…それで結局、直談判の後はどうなったの…?)
(女神様の考えでは優梨さんだけに異世界を救う重圧を与えるのは酷だからと協力してくれる仲間として第二、第三と救世主を召喚する予定だったみたいで、その子にも頼もうと思っていたと話してました。)
(じゃあ、それってつまり!)
(優梨さんと同じ救世主の仲間が今後、異世界に現れるというわけです。)
(なんてありがたいの!嬉しくて、心強いよ!私だけで魔王とか魔族って敵と戦わなくていいんだね…)
(それにですね。優梨さんに協力するんだからと、召喚するのは同い年ぐらいの女の子で、与えるスキルも百合をテーマとする事が決まったんです。)
(そっそれでいいの?べつにスキルまで私に合わせる必要ないんじゃ?)
(言いましたよね。主人公は優梨さんなんですから。)
(だっだけど…?)
(それにすぐに次の救世主を召喚出来るわけじゃないんです。)
(そうなの…?)
(色々と準備に時間がかかりまして、次の召喚が出来るのは今から一ヶ月後なんですよ。)
(一ヶ月後なんだ…?)
(はい…期待させておいて、すみません…?)
(仕方ないよ、アイルちゃんがわるいわけじゃないじゃん。
一ヶ月後には現れてくれるんでしょう?)
(それは間違いありません!)
(だったらそれまでは私、何とか頑張るよ…
アイルちゃんもサポートしてくれるし…)
(ゆっ優梨さん…)
(頼りにしてるからね…?)
(はい!全身全霊をかけてサポートしてみせます!)
(アイルちゃんって本当に大袈裟だよね。)
(ところでお願いがあるんですけど…?)
(何?)
(私が居なかった間の事を聞いてもいいですか…?)
(もちろんいいよ。というより、聞いてもらいたかったし。)
(助かります。)
私はアイルちゃんが戻って来るまでに起こった出来事を話した。




