143話 ユリを救いに3階へ!
リリカ達が勝利したその頃、二階で保護した生贄の少女、ルアをドーラに預け、アリス達はユリ捜索を続けていた。
「何だ、お前達は!」
「止まれ!」
「うるさいです!」
「邪魔だ!」
«グワァッ!!»
見回りの兵士達をぶっ飛ばして、残りの部屋を隈なく確認した。
「居ませんでした!」
「こっちも違った!」
「どうやら2階には居ないようですね?」
「だね、3階に行こうか!」
「はい!」
『アリスさん!』
リリカ達が駆けつけた!
「よかった。無事に追いかけて来てくれたんですね。」
「グロウ中佐達は倒したわよ。」
「本当!」
「二人の愛の力でね♡」
「誰です、このお二方は…?」
「そうか、ロリーヌちゃんはわからないか!右の人は…」
「今はそんな場合じゃありません!ユリさんに危機が迫っているんです!」
«えっ!?»
「時は一刻を争います!走りながら話しますから、3階に急ぎましょう!」
「うっうん!」
「はっはい!」
「案内お願いしますね、ウフ大尉?」
「承知したわ♡」
ウフ大尉の後に続きながら、ブラッド大佐の計画を話した!
「ユリちゃんとサツキ大尉を戦わせて、二人が弱った所を血を吸う計画だった…?」
「はい、それが真の目的だったようです。」
「だからうちらと分断したわけですね…?」
「あのクズ野郎!」
「というより、色々とこちらの事情も知っている、あなたは一体、誰なんですか…?」
「私はリリカです。」
「リリカさん…?」
「元アーノ大尉と言えばわかりますか?」
「あなたがアーノ大尉だったんですか!」
「そうです。」
「通りで、アリスさんと親しいわけだ…?」
「いたぞ!あそこだ!」
「あら、お邪魔虫の登場みたいよ?」
「きさまらだな!二階で暴れている侵入者とは!」
「ここから先は一歩も進ませないぞ!」
前と後ろから大勢の兵士達がやって来た!
「てめぇら!」
「この数を相手にしている暇はないというのに…」
「仕方ないわね。」
「そうですね。」
ウフ大尉は前の相手に鞭で脅して、ロリーヌは後ろの相手を威嚇した。
「あなた達…」
「まさか?」
「二人は階段を上ってください。」
「雑魚は私達が引き受けるわ。」
「わかった、お願いするね…?」
「頼みましたよ。」
「その代わり、ご褒美は弾んでね♡」
「エッチなのは勘弁してくださいね…?」
「ユリお姉様を助けるイベントを譲ってあげるんです。感謝してくださいよ?」
「うん、感謝する。」
「それじゃ、行ってください!」
«行かせるか!»
「ドメスティック・ウィップ!」
「そりゃっ!そりゃっ!」
«グワァッ!!»
二人が兵士達を食い止めている間にアリス達は廊下を曲がり、階段を駆け上がった!
(ありがとう…ロリーヌちゃん、ウフ大尉…)
(二人とも、必ず生きててください…)
一方その頃、天界でも動きがあり、協力して事に当たるため、アイルの部屋にセーナとエイラが来ていた。
「リリカさん達が3階に向かったようだよ!そっちはどうだい?」
「必死に呼びかけていますが、まだ目覚めません…」
「相当、疲れているんだね…?」
「きっと壮絶な戦いと、スキルの覚醒により魔力を大幅に高めた反動で、体に相当な負担がかかったんだと思います…」
「リリカさん達、間に合うかしら…?」
「待って、扉を開けて誰かが入ってきました!」
«えっ!»
「リリカさん達かい!」
「なっ…」
「誰よ、早く教えなさい!」
「ブラッド大佐です…」
「嘘!」
「なっなんだって…?」
ブラッド大佐は黒い羽を広げると眠る二人に近づいた。
【ほう、どちらも美しい寝顔ではないか、眠れる姫という所か。我が血を吸い、永遠の眠りにつかせてやるぞ。そして我を最強にするために魔力の一部となるのだ。】
口を大きく開けて、優梨に近づいた。
「もうあのスキルを発動させるしかない!」
「駄目よ!また天使力を使い果たして、死にかけたいの!」
「でっでも!」
「待って!その必要はないみたいだよ!」
«えっ…?»
『そりゃっ!』
【何?】
扉を蹴破って、アリス達が乗り込んできた。




