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百合パワーは最強なのです!!〜女子高生が与えられたスキル「百合を感じるたびに強くなる能力」で異世界を救うかもしれない話〜  作者: ぎゅうどん
百合で強くなる女子高生のパーティー、魔族の城、それぞれの戦い編
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141話 ドーラの友達。

ロリーヌの案内で、例の扉の近くまで来た。


「どうなんだ?ユリは居そうなのか?」


「クンクンッ。ここからだと人の匂いがするってことまでしかわかりません?」


「迷ってる暇はないよ!」


「あっアリスさん!」


「おい!無茶するな!」


「だっ誰だ!」

「怪しい奴め!」

「ここは通さないぞ!」


「どけ、雑魚ども!!」


«グハァッ!!»


一瞬でその場に居た見張りを全員、ぶっ飛ばした。


「ふぅ。一丁上がりっと。」


「私、あいつだけは敵に回したくない…」


「うちもです…」


「二人とも、来て大丈夫だよ?」


«はっはい。»


「ここの扉、鍵がかかってるみたい。」


「鍵が必要ってわけか。」


「いや、力づくで開けられると思う。」


「おまえ、人間じゃねぇだろ…?」


「人間だよ?」


アリスはそう言いつつ、力だけで鍵をぶっ壊した。


「あはは、どんな馬鹿力だよ…?」


「いいから。入るよ。」


「クンクンッ。あっこの匂いって…」


扉を開けると、中には誰も居なかった。


「あれっ…?誰も居ないよ…?」


「おまえ、間違えたんじゃねぇか?」


「ここにいますよ。」


ロリーヌはクローゼットの扉を開いた。すると怯えた表情をした少女が居た。


「どっどうしてここに隠れてるとわかったんですか…?」


「うちの嗅覚を舐めないでください?」


「生贄の時が来たんですね…わかりました…」


「ちょっと待って!アタシ達はこの城の者じゃないというか!」


「あなた、もしかして人間ですか!!」


「うっうん?」


「助けに来てくれたんですね!」


「えっ!」


「あの方が言ったことは本当だったんだ…」


「なっ泣かないで?」


「話が訳わかりません?あなたは一体、誰なんですか?」


「私はルア…14歳です…この城の主、ブラッド大佐の生贄に選ばれた娘です…」


「あなたが村が平和に暮らせるように差し出された生贄だったんだ…?」


「ああ、ポワン大尉が言ってた?」


「あっあなたは確か…ウフ大尉…」


「怖がらないで、今は味方だから。」


「味方というか。リリカ様の使い魔だけどね♡」


「いちいちくっつかないでくださいって。」


「そっそうなんですね…?」


「安心してね。あなたを無事に村まで送り届けるから。」


「あっありがとうございます…」


「また泣いちゃった。余程、怖かったんだね。」


「はい…」


「あなた、ソノサキユリという方を知りませんか?見た目はこの方にそっくりなんですが。」


「いえ、知りません…?私は役目でもない限り、この部屋に閉じ込められる事が多かったので…?」


「そうなんだ…」


「というか、ドーラさん、なんか急に黙ってますけど、どうしたんですか?」


「確かにこの娘に会うまでずっと喋ってたよね?」


「ドーラ…まさか、あなたって!」


「久しぶりだな、ルア…」


「二人って知り合いだったんですか…?」


「私の…友達の一人だ…」


「やっぱり…あなただったのね…?5年間も消息を絶っていたから…もう生きてないんじゃないかと諦めてた…また会えるなんて…」


「私もだ…おまえが生きててくれたなんて…」


「ルア…」

「ドーラ…」


二人は涙を流すと、どちらともなく抱き合った。


「じゃあ、決まりだね。」


「えっ…?何がだ…?」


「ルアちゃんを無事に村まで送り届ける係だよ。」


「そうですね。」


「いいのか…?ユリを探したり、一緒に最上階を目指さなくて…?」


「あなた一人居なくったって、全然、平気ですよ。」


「あっそうかい…」


「ユリちゃんを見つけ出して、アタシ達が必ずこの城の主、ブラッド大佐を退治してみせる。」


「アリス…」


「その子を頼んだよ。」


「ああ、必ず無事に送り届けてみせるぜ。」


「聞いてもいいですか…?」


「何かな?」


「魔族を退治する二人の少女…そして聞き覚えのある名前…もしかして、あなた達は今、話題の…?」


「そう、そのアリスとソノサキユリだよ。」


「奇跡だ…この村が救われる日が来るなんて…」


「あなた泣き虫ですね?事あるごとに泣きすぎですよ?」


「だって嬉しいんですもん…」


「アリスとユリなら絶対に魔族を退治してくれるはずだ。」


「うん。信じてます。」

(サツキ大尉…あなたにも感謝を伝えたい…)


少女は胸に手を当てて、心の中で呟いた。

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