139話 いいよ。任せて。
【しかし、計画が狂ったのは事実…グロウ中佐、ザーギ少佐、今からプランAからプランBに変更する、よいな?】
「プランAからプランB…?」
「私は異存ございません!グロウ様の仰せのままに!」
「我も構いません…」
「何をするつもりですか?」
【見ていればわかる。】
ブラッド大佐が指を鳴らすと、座っている椅子の下に紋章が現れた。
「まさか、逃げるつもりですか!」
「卑怯だぞ!てめぇ、それでも城の主か!」
【人聞きの悪い事を言うな、我はボスらしく、城の最上階で待っているだけだ?後は頼んだぞ、二人とも。】
「お任せください!」
「逃がしてたまるか!ファイアー・ボール!」
「ふん!」
「なっ!」
ブラッド大佐に炎の玉を放ったが、ソード少佐が刀で防いだ。
【ハハハハッ!愚かな挑戦者共よ、二人を倒して最上階まで来れたら、また会おう。】
高笑いを響かせ、ワープした。
「チクショ、逃がした!」
「追いかけてください。」
「えっ…?」
「この二人の相手は私とウフ大尉がします。」
「そうね♡」
「アリスさんはあの階段を使い、最上階まで行ってください。」
「あなた達を置いていくなんて…?」
「いいから早く行きなさい!」
「はっはい!」
アリスは動揺しつつも、階段に向かった!
「大人しく行かせると思うか!メガ・ウェイブ・ボイス!」
「そんな!」
「させませんよ!」
〚ギォォォォー!!〛
超音波を出す寸前のグロウ中佐を暗いドームに閉じ込めて、攻撃を無効化させた!
「今のうちに!」
「はっはい!」
「我もいることを忘れるな!」
「ウフ大尉、頼みます!」
「はーい♡」
ウフ大尉がソード少佐の前に立った。
「邪魔だ、そこをどけろ!」
「ご主人様の命令だもの。ここを通すわけには行かないわ。」
「我と本気で一戦交える気か?」
「ブラッド大佐に捨て石にされたあなた達なんて、怖くもなんともないわ?」
「きさまァ、許さん、もう仲間とは思わんぞ!この刀の錆にしてくれる!」
「あらま、恐い。」
【ハァァ!】
閉じ込められていたグロウ中佐が黒いドームを破壊して脱出した!
「破壊されるとは思いませんでしたよ?」
【私を舐めるな、これでも中佐なんだぞ?】
「これは私も本気を出すしかないようですね?」
その頃、アリスはというと涙を流して、階段を駆け上がっていた。
(リリカさんはきっと、ユリちゃん達の身を案じて、行かせてくれたんだ…ありがとう…)
そして三階、優梨とサツキ大尉の戦いは激しさを増していた!
【とっとくたばりやがれ!!】
「私は負けない!」
投げ込んでくる手榴弾を光の盾で防いでいた!
【チッ!だったら!】
ロケットランチャーを生成して構えた!
「ちょっとそれは!」
【これでも防げるか!!】
照準合わせると迷わず撃った!
(あわわ、本気で撃ってきた!)
(あれを受けては駄目です!シールドが持ちません!)
(そっそれなら一か八か!)
「エンジェル・ソード!」
光の盾を解くと優梨は光の剣を出した。
(まさか、斬るつもりですか!)
(そのまさかだよ!)
「そりゃ!!」
飛んでくる弾を真っ二つにして、遠くで爆破させた!
「どうにかなった…」
(今のは流石に危険な賭けすぎですよ!)
(ごっごめん。)
【ロケットランチャーでも殺せないとはね…やはり近接戦に持ち込むしかないわけか…】
するとサツキ大尉はしゃがんで床に手を置いた。
(何をするつもりなのかな…?)
(わかりません…?)
床一面に大きな紋章が現れ、それがキラキラと消えていった。
【もう、地上に降りてきて平気だよ、罠は解除したから。】
「罠を解除した…?」
(騙されちゃ駄目です!きっとそれこそが罠ですよ!)
(でも嘘ついてようには見えない…)
(ちょっと!)
地上に降りたが、紋章は現れなかった。
(よかった…)
(本当だったみたいですね…?)
「ありがとう、罠を解除してくれて。」
【勘違いしないでくれるかな?】
「えっ…?」
サツキ大尉は大鎌を生成した。
【おまえを殺すにはこの方が確実だと思っただけだ。】
「そっか…てっきり心を許してくれたのかと思ったよ…」
【また善人づらしやがって…誰が心を許すもんか!!】
怒り狂って、大鎌を振り回してきた!
「なっ!ちょっ!わっ!」
【そこだ!!】
「くっ!ぎゃぁっ!!」
上から振り下ろされた大鎌を光の剣で受け止めようとしたが、リーチの差で曲がった刃先が肩を突き刺した。
【このまま肩をえぐり取ってあげるよ?】
「そんなの…願い下げだよ!ぐぁっ!」
【へえ?】
優梨は素手で、肩から刃先を引き抜いた!
(だっ大丈夫ですか!)
(うっうん…)
【まぁでも、それも織り込み済みだけどね?】
銃で腹部を撃たれた!
「あがっ…」
そして撃たれた傷から血が溢れ、床に倒れた!
(優梨さぁぁん!!)
「ガハァッ…」
【やっと致命傷を与えられたみたいだね?】
「痛い…」
【そりゃ痛いさ、撃たれたんだからね?】
「ぐああっ!!」
サツキ大尉は優梨の腹部の傷を踏んだ。
【どうだい?こんなことされてボクが憎くなったろう?素直に言っていいんだよ、おまえなんか殺してやるって?】
「ハァハァ…あなたを…憎んだりしない…」
【なっ何でだよ…?】
「あなたを救いたいから…」
【やめろ…やめろよ!!】
「ぐわぁっ!!」
優梨は蹴飛ばされた!
【そんな言葉が聞きたいんじゃない!!ボクをこれ以上、揺さぶるのはやめてくれ…】
「ハァハァ…それは断るよ…」
【まだ立ち上がるのか…?】
フラフラになりながらも優梨は立ち上がった。
「悲しそうな顔して戦ってるあなたをほっとけるはずないじゃない!!」
【だっだからそれが偽善者だって言ってるんだよ…?】
「偽善者だって思われてもいい…それが私の本心だから…」
【ソノサキユリ…おまえってやつは…】
サツキ大尉は優梨の前で初めて涙を流した。
「やっと伝わったかな…?」
「だったら証明してくれ。」
「証明…?」
「ボクの持つこの呪われた殺しのスキルより、君の力の方が強いってことを。」
「何だ…そんなことか…」
「そんなことって?」
『いいよ。任せて。その願いに全力で応えてみせる。だってあなたと私はきっと最高の友達になる気がするから。』
《百合パワーの覚醒を確認。
友情モード発動、応えたい相手:淡井紗月。》
その瞬間、優梨はオレンジ色のオーラを纏った!
やっと話数全ての修正が終わりました。今回から最新話です。お楽しみください。