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百合パワーは最強なのです!!〜女子高生が与えられたスキル「百合を感じるたびに強くなる能力」で異世界を救うかもしれない話〜  作者: ぎゅうどん
百合で強くなる女子高生のパーティー、四人目の仲間はヴァンパイア娘編
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128話 ドーラ初めてのトキメキ。

一方、その頃、夕方から旅を再開したからか、トキ村に着く前に夜になったので、優梨達は今日はここまでと森の中で野宿することにした。


«ご馳走様でした。»


「ドーラちゃんの作るご飯って本当に美味しいよね。」


「本当ね。ドーラちゃん、作ってくれてありがとう。」


「お礼なんかいらないぞ。料理ならいつでも作ってやる。」


「じゃあ、ドーラちゃんはこのパーティーの料理担当で決定だね。」


「ああ。美味しいのいっぱい作ってやるぜ。そういえば、チビ犬はどうだ?」


「ムカッ!チビ犬じゃなくてロリーヌですぅ!」


「いちいち呼び名なんて気にすんなよ?」


「全くあなたって人は…?」


「まぁまぁ。」


「それでどうだ?美味かったか?」


「及第点ぐらいはあげますよ…」


「おいおい。随分と上からだな?おまえは料理作れんのかよ?」


「おにぎりぐらいなら…作れますもん…」


「ははぁん?さては料理作るの苦手だな?」


「イラッ。」


「黙ったってことは図星だろ?なっ、なっ?」


「こらこら、煽らないで。」


「アタシだって料理下手だし。」


「二人はいいさ、こいつメイドなんだろ?メイドのくせに料理が下手とはな?」


「ガルル…それ以上、そこに言及したら、容赦なく噛みますよ…?」


「そんなに恥ずかしがることでもないだろ?まぁでも、おまえにも勝てる要素もあったってことだな、はっはっは。」


「だ…か…ら…」


「はい、そこまで!喧嘩もほどほどにね?これから一緒に旅をするんだから、二人とも仲良くしなきゃ。」


「はい♡ユリお姉様が仰るなら♡」


「おまえって本当にユリの言う事なら素直に聞くな…?」


「あはは、だよね…?」


「大好きなご主人様の言うことを聞く!犬の魔物として当然ですから!」


「うっうん。ありがとうね。」


「ワゥン♡至福ですぅ♡」


ロリーヌは頭を撫でられて喜んでいた。


「確かにその姿はまんま犬だわな…?」


「ふわぁぁ…お腹いっぱいになったら、眠くなってきちゃった…」


「ふわぁぁ…いよいよ明日はトキ村に着くわけだし、寝て体力を温存した方がいいね…」


「もうお前達は寝ていいぞ?夜の見張りは私がしておくから。」


「あれっ?ドーラちゃんは寝ないの?」


「ドラキュラだから夜行性なのか、夜でも平気で起きてられるんだよ。それに夜目も利いてどんなに暗くてもよく周りが見えるしな。」


「そうなの…?」


「すごいね…?」


「それに。」


ドーラは小さな蝙蝠の姿になった!


「この姿なら飛んで高い所から見張ったり

 遠くの音も聞けるから見張りには便利だと思うんだ

 何かが近づいて来たらすぐに知らせてやるよ。」


「すごい、蝙蝠にもなれるんだ…?」


「小さくて可愛い!」


「そっそうか…?」


ドーラはアリスに褒められて照れると、幼女姿に戻った。


「とっとにかくだ。遠慮せずに頼ってくれ。」


「ありがとう。本当に助かるよ。」


「ドーラちゃんのおかげでこれから安心して寝られるね?」


「そうだね。ドーラちゃんが仲間になってくれてよかったよ。」


「ヘッヘッヘ…」


「ムッ!あの!うちもいちよう夜行性なので、見張り出来ますよ!というかやります!」


«えっ!»


「おいおい、無理すんな?見張りは私、一人で十分だし、ガキに夜更かしは良くないぞ?」


「あっあなただって子供でしょう!」


「夜目は利くのか?」


「そっそんなの関係ありません!うちには鋭い嗅覚があるんですから!」


「嗅覚ね?」


「うるさいです!やるったらやるんです!」


「そっそっか…?じゃあ、ロリーヌちゃんもお願い出来るかな…?」


「はい♡もちろんです♡」


「強情なやつだなぁ?」


ドーラとロリーヌに見張りを頼んで、優梨とアリスはテントで眠りについた。


「スゥゥ…スゥゥ…。」


「いつ見てもユリお姉様の寝顔は可愛い♡」


「本当にユリに一途なんだな?」


「当然です!ご主人様ですから!」


「でもユリとアリスって両思いに見えるぞ?何ていうかこううまく説明できないが…私達より心が強く繋がり合ってるみたいな…?おまえだって気づいてるだろ?」


「ええ…わかってますよ…それぐらい…」


「それでも好きで居続けるのか?」


「悪いですか…?」


「悪くはないけどよ、辛くはないのかよ?」


「片思いは辛いですよ…ですがそれよりもユリお姉様の側に仕えられる喜びの方がずっと大きいんです。」


「そういうもんなのか…?私、恋とかしたことないからよくわからないや…?」


「あらあら。お子様ですね?」


「おまえな…?私より背があるだけで、同じチビのカテゴリーに入ってるだろうが…?」


「ここはあなたよりずっとありますよ。」


ロリーヌは自分の胸の位置に手を当てた。


「おまえもしかして、心臓が2つあるのか?」


「胸です!胸!胸の大きさです!」


「何だ、胸の大きさか。」


「あなたって本当に馬鹿ですね…?」


「何だその程度?私が変身したら、それ以上にあるつーの。スタイルだっていいし。」


「変身状態はずるいです!」


「負けを認めたな?」


「ちっ違いますよ…ワァゥゥ…」


「でけえアクビだな?やっぱり眠いんじゃねぇのか?」


「そっそんなこと…」


「寝てもいいんだぞ?お子様はよ?」


「ムカッ!言いましたね!」


「さっきのお返しだ。」


「絶対に起きてやります!」


「そっかい、そっかい。」


ドーラは再び蝙蝠になった。


「じゃあ。私は木の上で見張るから、おまえは下で見張ってろよ?」


「言われなくても分かってますよ。」


「可愛げがねぇな?まぁいいや。」


それから一時間後…


「静かだな?あいつ、起きてるのか?」


「スゥゥ…スゥゥ…。」


ロリーヌは木によりかかって眠っていた。


「仕方ねぇな?」


ドーラは美女姿になった。


「テントまで運んでやるか。」


ドーラは眠るロリーヌを抱き抱えた。すると…


「ユリお姉様…」


「何だ、寝言か。」


「えへへ…」


「こっちの気も知らないで、すげえ幸せそうな寝顔をしてやがる。どんな夢を見てることやら。」


「クンクンッ。」


「匂い嗅いでやがる。」


「やっぱりユリお姉様はいい匂いです…」


「なっ…それって私がいい匂いってことか…?」


「うちの好きな匂い…」


「好き…?」


ドーラは顔を赤くして、ロリーヌの寝言に動揺したのだった。


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