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百合パワーは最強なのです!!〜女子高生が与えられたスキル「百合を感じるたびに強くなる能力」で異世界を救うかもしれない話〜  作者: ぎゅうどん
百合で強くなる女子高生のパーティー、旅の再開と謎の少女に出会う編
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119話 謎の少女サツキ大尉

「そっそんな…?あの魔物達以外に匂いはしなかったのに…?」


『君が気づかなくて当然さ、犬の魔物ちゃん。ボクは気配を消す術を唱えたんだから。』


すると謎の少女は指を鳴らした!


「えっ!天使の力が消えた!?」


「アタシの炎の力も!?」


『ああ、言い忘れてたけど、ボクのバインドの術に縛られた者はどんな術もスキルも使えなくなるから。』


「そっそんな…?」


「流石、サツキ大尉、今回もあなたが考えた作戦が見事に成功しましたよ。」


『当然だよ。』


「あなたサツキって名前なの…?」


「人間だよね…?」


『人間だよ。ソノサキユリ。』


「私の名前を知ってるの…?」


『あはは、君はかなりの有名人じゃないか?すでに魔族を二人も倒したって聞いてるよ?』


「どうしてこの魔物達に味方して、私達に攻撃するの…?」


『どうしてって、ただの暇つぶしだよ。』


「そっそんな理由ですか…?」


『ボク、すごく退屈しててさ。こうして魔物達に協力して暇つぶしてるわけ。」


「こいつ、まともな思考じゃない!」


「おやおや、心外だな?」


「あなたさっきこの紋章の術がこの世界の術じゃないって言ったよね…?それってどういう意味…?」


『それは君と"同じ理由"だよ、ソノサキユリ?』


«えっ!»


「私と同じ理由、それって!」


『さて、長話はこれぐらいにして、みんな後は頼んだよ。』


「サツキ大尉は攻撃しなくてよろしいのですか?」


『この状況ならボクが手を下すまでもないさ、君達で殺しちゃってよ。』


「そうですか、わかりました。皆、武器を構えろ!」


«はっ!»


魔物達は優梨達に武器を向けた!


「ぐっ!!体が動かないんじゃ攻撃を防げない!!」


「このまま何も出来ずに殺されるなんていやです!!」


「お願い、この術を解いて!」


『ボクはそこまで優しくないよ。』


「私達は人間同士、きっと話し合えば解かり合えるはずだよ!!」


『話し合っても意味はないよ…」


「そんなことない!!」


『じゃあね、3人とも…』


「待って!!」


『君にもっと早く会いたかったな…』


「えっ…?今なんて…?」


謎の少女はフードを深くかぶると、寂しげな表情で小さく呟いた。


「今、優梨さん達を救えるのは私しかいない!もう、あの術を唱えるしか!」


《待ってください、アイルさん。》


「だっ誰ですか!」


アイルは部屋を見渡したが誰もいなかった。


「やっていいよ。」


「はっ!皆、かかれ!」


«うぉぉぉ!!»


魔物達が一斉に襲いかかってきた!


「ユリちゃん!!」


「ユリお姉様!!」


(優梨さん!!)


「ぐっ…これまでなの…」


《大丈夫ですよ。》


«今の声って…?»


「ギャァァ!!」


恐る恐る目を開くと、驚きの展開になっていた!槍の形をした影が襲いかかってきたすべての魔物達の急所を刺したのだ!


「なっ何が起きたの…?」


「どうやら助かったみたいです…?」


「襲ってきた敵が全員、殺されてる…?」


「おやおや、ボクとしたことが、近くにまだ君達の仲間が隠れているって気がつかなかったとは、失敗、失敗。」

 

「アタシ達の仲間が隠れてる…?」


「どうやらボクに不利な状況みたいだね、帰らせてもらうよ。」


«きゃっ!»


「眩しい!」


「何ですか、この光は!」


今度は謎の少女の足元に紋章が現れた!


「まさかあなたも使えるの…?空間移動を…?」


「よく分かったね、その通りだよ。」


「まっ待って!まだ聞きたいことが!」


「焦らなくても、そのうち再会出来ると思うよ、まぁ、君達がトキ村の魔族を倒せればの話だけど…」


「倒してみせるよ!だから今度、会ったら…あなたのこともっとちゃんと聞かせて!」


「いいよ、期待せずに待ってる、じゃあね。」


そして一瞬で消え去った!


「本当に消えましたね…?」


「まさか空間移動が使えるなんて…」


「サツキちゃんか…」


「あっ見てください!術が解けたみたいです!身動きが取れますよ、ほら!」


「本当だ!体が自由に動かせる!」


「そういえば、アリスちゃん!さっきの声とあの影の術って、もしかして!」


「きっとそうだよ!間違いなくあの人だ!」


「あの人って誰のことですか…?」


「アーノ大尉ー!」


「居たら姿を見せてくださいー!」


「アーノ大尉…さんですか…?」


『ユリさん…アリスさん…』

 

ローブを来た女はそっと静かに高い木の枝から枝へ移動したのだった。


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