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百合パワーは最強なのです!!〜女子高生が与えられたスキル「百合を感じるたびに強くなる能力」で異世界を救うかもしれない話〜  作者: ぎゅうどん
百合で強くなる女子高生、最強チームでソウル大佐に戦いを挑んだ!編
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109話 ララの眠っていた才能

サウスの街から戦場を広い高原に移動したリュナとマーガレットは激しい攻防戦を繰り広げていた!


「そりゃ!」

【うぉぉ!】


パンチとパンチがぶつかって、とてつもない衝撃波が起こった!


【流石はSSランクの冒険者と言ったところか…2年前にマーガレットに倒された時より、倍は強くなってるはずの我をここまで苦戦させるとは恐れ入ったぞ…?】


「アタシも久しぶりだよ、こんなに運動したのは。」


【我との戦闘を運動とはな…だがきさま、気づいているぞ、全然、本気で戦っていないな?】


「よくわかったね。」


【なぜ本気を出さない?やはり嫁であるマーガレットの体にダメージを与えることを躊躇っているのか?】


「そうかもしれないね…」


リュナは一瞬、曇った表情をした。


【フッフッフッ、迷いは人を弱くさせるものだ。】


「そうかもしれないね…」


【だが、我に迷いなどない、きさまをどんなに傷つけようと何とも思わんのだ!】


刀で斬りつけるも、かすりもしない。


【チッ、当たらないか…】


「マーガレット…」


【さぁ、お喋りはここまでだ!きさまを倒して魂を頂くぞ、そしたら我はさらに強くなれる!】


「そう簡単には倒せないと思うよ。」


【それはこれを受けてから言え!ソウル・フレイム!】


マーガレットは数えきれないほどの黒い火の玉を放った!


「数が多ければ、当たると思ってるのかい?」


それをリュナは素早い動きで躱して、一向に当たらないのだった!


【きさまはいいだろう、しかし問題はソノサキユリ達だ?今頃、奴らはマナに倒されているであろう!】


「それはどうかな?」


【何だと?】


「あの子達はおまえが思うよりずっと強いよ。マナちゃんを救ってくれるって信じてる。」


【根拠のない戯言だな?きさまも見ていて知ってるはずであろう?マナは我に力を与えられて、Aランク冒険者並の力を得た、下級魔族でしかないレア大佐達と噂ほど強くなさそうなソノサキユリでは絶対に勝てるはずがない。】


「おまえにはわからないさ。」


【我にはわからないだと?】


「人間ってのはね、強い心があればどんな限界も越えられるのさ。」


【馬鹿馬鹿しいことを。】


「人から力を奪わないと戦えないような、雑魚のおまえにはわからないよ、ソウル大佐。」


【今、我が人から力を奪わないと戦えない雑魚だと言ったか?】


「ああ、言ったよ。」


【キサマァ…】


怒りで邪悪なオーラが上がっていった!


【考えを変更する、キサマの魂などいらぬ…我が思いつく一番残虐な方法で殺してやる!!】


「少しは本気になれるかな。」


そしてサウスの街の状況はというと…


「セクシー・ウイップ!」


レア大佐はさっきと同様にマナの腕を鞭で縛って、動きを止めた!


【ぐっ!】


「あなたの番よ!メイドちゃん!」


「はい!えいっ!」


さらに犬耳メイドがマナのもう一方の腕を縄で縛った!


【両腕が…】


「これで完全に身動きを封じたわ!作戦通り、ユリちゃん!あの術を唱えて!」


「わかりました!」


優梨は目を閉じて祈りのポーズをとった。


【何をするつもりだ…】


「エンジェル・ヒーリング。ハァァァ…」


【ぐぁっ!!】


マナの周りを神々しい光が包み込んだ!


「どうやらあの様子、成功のようですね!」


「やっぱり城でアリスちゃんに唱えた術が効果あるみたいね!」


「はい!これならきっと!」


【このっ!】


「きゃっ!!」

「わっ!!」


逆に引き寄せられて、レア大佐と犬耳メイドの頭がごっつんこした!


«痛たた…»


「二人とも、大丈夫ですか!」


「はい…平気です…」


「ごめんなさい…?せっかく上手く行ってたのに…?」


「気にしないでください!もう一度、仕切り直して、あの術を唱えれば…」


しかしその瞬間、優梨の背中の天使の羽が消えた!


「そんな、どうして…?」


(魔力を使いすぎたんです!すぐに百合妄想をして、魔力を回復させましょう!)


(うっうん!お願いするね!)


【ソノサキユリの羽が消えた…殺すなら今だ…】


「はっ!」


マナはチャンスと見て、優梨に襲いかかった!


「ユリちゃん!!」


「ユリさん!!」


(逃げてください!!)


「くっ!」

(駄目だ!殺られる!)


『ウインド・ショット!』


【ぐぁっ!!】


«えっ!?»


マナは風の弾丸をくらって、遠くまで吹き飛ばされた!


「ふぅ。間に合ってよかったっす。」


«ララちゃん!»


「ギリギリでしたね…」


「メグたん!」


「今の術はララさんが唱えてくれたんですか…?」


「そうっす。」


「助かったよ。ありがとう。」


「お礼なんていいっすよ。」


「刺された傷はもう大丈夫なのかしら?」


「はいっす!メグ少佐が回復してくれましたから!」


「ウフフフッ。そうなのね?」


「なっ何ですか…?そのニヤケ顔は…?」


「べつに〜。」


「ララちゃんを治してくれてありがとうね。」


「いっいえ…将来の伴侶を救うのは当然ですから…」


「将来の伴侶…?」


「あらま。」


【ララ…てめえ…】


マナは起き上がるとこれまでにないくらい、殺気を放っていた!


「呑気に話してる場合じゃないっすね。」


「そうだ!マナさんの暗示を解かなくちゃ!あっ…」


「危ない!」 


ふらついた優梨を猫耳メイドが支えた。


「駄目よ、無茶しちゃ!そんな状態で次に術を唱えたら、あなた命を落とすわよ!」


「そんなの嫌です〜!!」


「でっでも私の浄化の術しか…暗示を解く方法は…?」


「あるっすよ。」


「えっ…?」


「ユリ先輩達は休んでてください。マナさんの暗示は自分が解いてみせるっす。」


「出来るの…?」


「見ててください。そらぁ!!」


«きゃっ!»


【ぐっ!何だ…?】


ララがとてつもない魔力のオーラを纏った!


「なんて強い魔力かしら!」


「いつの間にこんな力を…?」


『どうです。これなら心配ないっすよね。』


「わかった。任せるよ。マナさんを救ってあげて。」


『はいっす。』


【はったりしやがって、スパーク・ボール!】


«えっ!?»


マナは巨大な電撃の玉を放った!


「みんな、逃げて!!」


「逃げましょう、ユリさん!」


「大丈夫だよ。」


«えっ…?»


「ええ。今のララさんならきっと。」


【ララも、みんな、まとめて消え去れ!】


『術、解除。』


するとララに当たる寸前で電撃の玉が一瞬にして消えた!


「今、何が起きたんですか…?」


「あんな大きなのを一瞬で消した…?」


【何だ…その力は…?】


『レアスキル「術を解く能力」っす。』


「術を解く能力ですか…?」


『そうっす。どんな術でも解けます。』


「ということは暗示も解くことが出来るかもしれないってことかしら…?」


『その通りっす!』


「すごい。そんなスキルを持ってたんだね。」 


『自分だけじゃこの眠っていたスキルは発動出来ませんでした。全てはメグ少佐の協力のおかげっす。』


「そっそんな…私のおかげだなんて…」


【調子に乗るなよ、ララ!!】


マナは怒り狂って、ララに突っ込んで行った!


『さっきみたいに攻撃はくらわないっすよ。』


【舐めるな、ポンコツがァ!!】


『動きが遅く見えるっす。』


【なっ!?】


ララはマナの腕を掴んだ。


【はっ離せ!】


『これでもポンコツっすか?』


【てめぇ!!】


『今、暗示を解いてあげるっす。術、解除。』


【ぐぁぁぁ!!】


するとマナの体から邪悪なオーラが一瞬にして消え去った!


「あっ…」


『おっと。』


「あたいは…今まで何を…?」


『悪い悪夢を見てたんっすよ。』


「ララ…」


マナはララの腕の中で安らかな表情で眠りについた。


「やったね!ララちゃん!」


「本当にすごいです!」


『えへへ…』


「私達が苦戦した相手をあんなにあっさりと倒しちゃうなんて、あの子、遅咲きなだけで、最初から才能があったんじゃないかしら。」


「ええ。きっとそれが魔力が上がったことで、開花したんだと思います。」


「わかってるわよ。メグたん。あの子と契約したんでしょう?」


「どっどうしてそれを…?」


「じゃなかったら。あれほど魔力を上げてあげられるはずないもの。」


「それもそうですよね…」


「堅物のメグたんが誰かと契約するなんて。余程、あの子が大好きになったのね。」


「からかわないでください…」


「ふっふ。」


『あの!ユリ先輩に頼みたいことがあるっす!』


「何?」


『自分と一緒にマーガレット姉を助けに行ってください!』


「ララちゃん…」


『自分のスキルだと暗示までは解けたとしても、ソウル大佐の魂までは倒せないはずっす!それが出来るとしたら、ユリ先輩の天使の術だけっす!』


「確かにそうかもしれないわね。望みはあると思うわ。」


『だからお願いです!この通りっす!』


ララは涙目で頼んだ。


「もちろんだよ。ララちゃん。」


『本当ですか…?』


「うん。私もマーガレットさんを救いたい。」


『あっありがとうございます!』


「よかったですね。」


「あっ…でも魔力が…」


「ユリさん!」


「えっ…?」


犬耳メイドが優梨にキスをした!


「まぁ♡」


「なっ何でキスしたの…?」


「いきなりで驚かせましたよね…?でも想いが抑えきれなくなっちゃって…」


「そっそれって…?」


「うち、初めて会った時からユリさんに一目惚れしてたんです!」


「さらに愛の告白までするなんて♡」


「だからあんなに必死に私を守ってくれたんだの…?」


「はい…いきなりこんなこと言われても迷惑ですよね…?」


「そんなことないよ…その気持ちは嬉しい…」


「本当ですか…?」


「うん…」


「嬉しい♡」


「わっ!」


犬耳メイドは喜びのあまり優梨に抱きついて、尻尾をふりふりした。


「よかったわね♡」


「はい♡」


「ただちゃんとした返事は戦いが終わるまで待ってもらえるかな…?」


「いくらでも待ちます♡犬の得意分野ですから♡」


「ありがとう…」


『じゃあ、行きましょうか?』


「うっうん…」


『フライ!』

「エンジェル・ウイング!」


二人は術を唱えると空に飛び立った。


「必ず生きて帰ってくるのよ!」


「お二人の武運を祈ってます!」


「ユリさん、頑張ってきてください♡」


「はーい!」


『行ってくるっす!』


「ララさん…」


「大丈夫よ。ユリちゃんも付いてるんだから。」


「そうですよね…」


「それより戦いが終わったら、結婚式開かなくちゃね。」


「誰のですか…?」


「とぼけちゃって。あなた達、二人のよ。」


「もう…お姉様ったら…」


そして飛び立った優梨達はというと…


(驚いたな…まさか告白されるなんて…?)


(でもそのおかげで百合パワーが発動出来ましたね!今の優梨さんならどんな術を唱えても平気なはずです!)


(確かにそれは言えてるかな…?犬耳メイドちゃん可愛いかったし…)


『それで返事はどうするんですか?』


「えっ!そっそれは…」


『こんなこと聞くのは野暮っすよね。アリスさんのこともあるだろうし、ゆっくり考えて答えを出してあげてください。』


「ララちゃん…急に大人になったみたい…?」


『まぁ。腹を据えたっすからね。』


「何の…?」


『今は内緒っす。』


「そう…?」


『はいっす。』


ララは笑顔で答えた。


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