108話 嫁にするっす。
ソウル大佐の暗示で操られたマナを救うべく、優梨達が作戦を開始したその頃…メグ少佐は深手を負ったララを近くの空き家に運び、必死に傷の手当をしていた。
「ハァハァ…ご迷惑かけて…申し訳ないっす…」
「しっかりしてください!ララさん!」
「ハァハァ…ガハァッ…ガハァッ…」
(この感じ一刻の猶予もないはず…今、ララさんを救えるとしたら、私しか!)
「メグ少佐…?」
「いきなりで…すみませんが我慢してください…?」
「んぐっ。」
メグ少佐は迷わずにララにディープキスをした。
(わぁぁ…この子の精気も美味しい…)
(ファーストキスを奪われたっす…でも嫌じゃないな…むしろ…)
«ぷはぁ。»
「ハァハァ、メグ少佐…なぜキスを…?」
「私はサキュバスで…精気を頂く代わりに体を回復することが出来るんです…」
「そうなんですか…?」
すると刺し傷が徐々に塞がっていったのだった!
「もう大丈夫ですね…腹部の傷は完全に塞がりました…」
「本当だ!ありがとうっす!メグ少佐はユリ先輩達みたいに自分の命の恩人です!」
「そっそんな…」
「それに何だか不思議っす。力がどんどん漲ってくる気が…」
「それはですね…回復のほかにも魔力を一時的に上げる効果もあるからなんです…」
「魔力が上がるっすか!」
「えっええ…?」
「それって精気をあげたらあげた分だけ、魔力を上げてくれるってことですか!」
「まっまぁ…そうなりますね…?」
「メグ少佐!」
「えっ!?」
ララはメグ少佐の両肩を掴んで真っ直ぐに見つめた!
「もう一度、キスしてください!」
「どっどうしてですか!?」
「自分の精気ならいくらでもあげます!だから魔力を強くしてほしいっす!!」
「と言われましても…」
「ユリさん達のお役に立ちたいんっす!!」
「ユリさん達の…?」
「そうっす!マーガレット姉とマナさんを救ってあげたいんです!!」
「ララさん…」
「お願いっす!!」
(この目…彼女は本気なんだ…)
「わかりました…でもいいんですか…?精気をもらいすぎるとリスクがありますよ…?」
「まっまさか命が尽きるとか…?」
「そうじゃありません!」
「じゃあ、何ですか…?」
「人間がサキュバスに精気を吸われすぎると…そのサキュバスと契約したことになり…」
「契約ですか…?」
「はい…さらにその後…体の一部に紋章が刻まれて…私を見たら…体が火照ってるようになり、自我じゃ抑えきれないほどに… みっ淫らな気分になるんです…」
「それって催淫作用ってやつですか…?」
「そっそうです…聞いたらわかりましたよね…?そんなリスクを背負いたくなかったら…これ以上は…」
「わかったっす!それでも構わないんで、キスしてください!」
「話をちゃんと聞いてましたか!下手したらキスどころじゃ済まなくなりますよ!」
「別に構わないっす!君となら!」
「えっ…?」
「こんなに可愛い子となら大歓迎っす!」
「私が可愛い…?」
「はい!」
(そっそんな真っ直ぐな目で言わないで…)
メグ少佐の胸は高鳴った。
「だからお願いするっす!自分にみんなを守れる力をください!」
「いいでしょう…ただし、約束してください…?契約して、もし私に淫らな行為をしたら…その時とは…私を嫁にするって…?」
「はい、約束するっす!」
「本当ですか…?その場しのぎに言ってるとかじゃ…?」
「信じてください。絶対に嫁にするっすよ。」
「約束は必ず守ってください…?」
「はいっす!」
「じゃあ…」
メグ少佐は再びララにキスをした。しかし今度は意識したのか、顔を真っ赤にしていた。