10話 異世界に来て、初めての町に向かおう!!
私は2度の戦闘での疲労を考えて、モンスター達と出会さないためにアイルちゃんの案内でモンスターの出没が滅多にないという森で比較的安全なエリアまで来た。
「でも、なんでこのエリアはモンスターの出没が滅多にないの?何か理由があるの?」
(それはですね!近くに町があるからなんですよ!)
「町があるんだ、よかった〜!
てっきりこのまま森で野宿する羽目になるのかなってすごく不安だったんだよ!」
(優梨さんは町に行ったら、始めに何がしたいですか?)
「そうだな?町に着いたら、先に泊まる宿探しかな?」
(なるほど。それは重要ですね。)
「飲食店でご飯も食べたいな。私、お腹ペコペコなんだよね。」
(2度も戦闘しているんです。お腹空いて当然ですよ。)
「早く町に行きたい!案内してくれるかな?」
(おまかせください!すぐに着きますよ!)
「ありがとう。頼りにしてる。」
私は町に日が暮れる前に到着することを目指して、森の中を歩き始めた。
「そういえば聞き忘れてたけど、どうして街の近くになるとモンスターは現われなくなるの?」
(一説によるとですね。人が多く出入りするような場所にはモンスター達はあまり近寄らないみたいなんです。)
「そうなんだ?」
(大勢で集まった人間達と闘うのは狩られてしまう可能性が高まると本能的に避けているでしょうね。
ですのでモンスター達は森の奥に巣や縄張りを作る習性があるんですよ。)
「だから森の奥にひたすら向かったわけか…」
(異世界に来て初日だというのに無理をさせましたね。今日はゆっくり疲れた体を癒やし頂いて、明日、町にある冒険者ギルドに冒険者登録をしに行くようにする方が良さそうですね。)
「冒険者ギルド…本当にどこぞのゲームみたいな世界観なんだね…?
でも冒険者登録ってする必要あるの?」
(この世界の大体の場所に冒険者ギルドは必ずあるので!優梨さんには冒険者登録をして女の子達とパーティを組んでもらいたいんです!)
「パーティーを組めって、いきなりハードル高い気がするよ…?」
(何を言ってるんですか!優梨さんの百合パワー能力を存分に発揮するには女の子との絡みは必須なんですから!)
「そっそうだったね!わかったよ、頑張ってみる…
明日、冒険者ギルドに行って登録をすればいいんだね…?」
(その通りです!)
「でもさ、仲間を集めるって私にも出来るのかな…?
私って口下手だし、人見知りだし、怖がりだし、背が小さくて幼児体系だから…
誘っても仲間になってくれるのかな…?自信ないなぁ…」
(まだ誰も誘ってない段階で、何を弱気な事を言ってるんですか。
大丈夫ですよ。自信持ってください。)
「そっそうだよね…怖気づいて立ち止まってちゃいけないんだ…
私は悪い奴らを倒して、この世界を救って、自分の居た世界に帰るんだから!」
(その意気です!ほら見てください!町が見えてきましたよ!)
「あっ本当だ!少し遠くに町が見える!」
(あともう少しですよ!頑張りましょう!)
「あれが私の最初に行くことになる町か…果たしてどんな事が待ってるのかな…」
私は期待と不安を抱えながら、町を目指した。