82.5話 リンにも恥じらいはある。
「ハァ…姉さん、着替えたかしら?」
「もう少しかかる。」
「べつにさっきの衣装のままでもよかったんじゃないの?」
「駄目よ!そんなのアイドルとして!」
「だから私達はアイドルじゃないってば…」
「それに…」
「それに?」
「衣装で破れてたところ、ちょうど下着が見えちゃってたから…」
「姉さんみたいな人にも恥じらいがあるのね?」
「ちょちょっと、それってどういう意味…?」
「でもまさか衣装が多少とはいえ、ボロボロになるなんてね、私達の衣装は戦闘用に作られてるから、並の攻撃なら耐えられるはずなのに?」
「ただ単に私が放った攻撃が強力だったってだけでしょう?まぁ、あれを跳ね返されるとは思ってなかったけど。」
「でもそれだけじゃない気がするの…」
「というと?」
「私の仮説でしかないんだけど、あの時、アリスって子はただ攻撃を跳ね返したんじゃなくて、きっと跳ね返す瞬間、攻撃に自分の炎を纏わせたんだよ?だから威力が倍になったんじゃないかな?」
「なるほどね、それなら衣装がボロボロになった事も説明がつくわけね?」
「もしあの子がリュナナ師匠に修行つけてもらえたら、私達以上に強くなるかもしれないわね。」
「さぁね。」
「きっとそうよ。」
「それより、ロンも見たでしょ!くま耳幼女、やっぱり存在したじゃない!」
「ああ、見た見た。偶然にもあの二人の知り合いだったみたいね?」
「あの子、想像より可愛かったなぁ♡首輪とかつけて、一緒に散歩とかしたい♡」
「変態か!」
「決めた!私、あの子を絶対にペットにする!」
「聞いてないし、もう勝手に言ってて。」
「ロンはあの子、ペットに欲しくないの〜?」
「どちらかというと猫系の方がいい…」
「相変わらず、ロンは猫好きね?」
「うっうるさい!」
「ふぅ。それはそれとして、着替え完了したよ。」
「遅すぎよ。みんな待ってるんだから、さぁ急いで戻るわよ?」
「はいはい、さて、戦いに戻りますか。」
「油断しないでよね?次の対戦相手は例のソノサキユリよ?」
「大丈夫よ。あんな弱そうな子、強いはずがない、楽勝で倒してみせるわ。」
「ハァ…あのね…?」
リンとロンは闘技場内に戻った。