吸血鬼(愛)
こんばんは、調子はどう?
……無視するなんて酷いわ。
はぁ…、まあいいわ。とりあえず今日もご飯の時間よ。
血は飲みたく無い? 本当、強情。貴方を監禁してから毎日毎日、その体にご主人様が誰か教えてあげたはずなのに凄い精神力だわ。
でもだめ。飲まないと死ぬのよ? ほら、スープの様に飲ませてあげるから、あーん。
あーん、……あーん。
おりゃッ!
貴方が飲まないのからよ。歯が砕けた? 大丈夫、その程度なら数分もせず治るわよ。
はい、あーん。素直でよろしい。
さて、今日も貴方の意識改革を手伝ってあげようと思うのだけど、手足を捥いだり、お腹の中身を取り出して一つ一つ丁寧に説明しても貴方は変わらなかったわ。
そんなに人間の冒険者としての栄光を求める気概が、英雄願望っていうのが、私には理解できないけれど貴方の覚悟だけは伝わったわ。
なら、趣向を変えましょう。
これから貴方が私の質問やお願いに、私の望まない回答を一回するごとに、貴方が元居た街の人間を一人殺すわ。
ええ、それはもう無惨に。無垢で善良そうな市民を選んで、理不尽にね。
何? その呆けた顔は? だって仕方がないじゃない、貴方が強情なんだもの。
それに言ったわよね? 貴方が私を愛してくれるなら恨まれても気にならないわ。
それじゃあ、聞くわ。
ふふっ、何から聞こうかしら。いえ、お願いにしましょう。
まず、私に眷属にしてもらえたことへの感謝ね。ほら、早く言って。
待って? 待ってなんて言うようにお願いしてないわ。はい、一人。
ちょっとうるさい、喚かないでよ、罰として二人目。
そうそう、静かにできていい子いい子。
今日はまだ手足を捥いだりもしてないのに、脂汗すごいけど大丈夫?
さて、それじゃあ今度こそ愛を囁いてもらおうかしら。ほらっ、早く早く。
はぁーー。いいわ、ふふっ。最高。
今度は私を抱きしめて、もっと耳元で。
うんうんうん、いいわ、いいわ!
このまま貴方を押し倒してしまっても良いのだけど、先にお仕置きしないとね。待ってて。
ねえ。うるさいってば、騒がないでよ。
人を殺すな? 私は殺さないよ、貴方が殺すの。貴方の行動が、私の手や足を使って善良な市民を殺させるの。あーあ、可哀想。
じゃあもう扉閉めるね、またあとで。
ふふっ、お待たせ。
うわ、どうしたの頭でも床にぶつけてたの? 血塗れじゃない。ほら、拭いてあげるからこっち向いて。
…‥…向かないなら四人目だよ?
あはっ、いい子いい子。
そんな目で見ないでよ。私を見つめてくれるのは嬉しいけど、ほらこれ見て、何かわかる?
あー、とぼけちゃってもう。ほら、心臓。
し、ん、ぞ、う。体中に血液を送る生命活動の大元、私たちのような化け物以外は、抜かれては生きていけないものだよ?
誰のかって? 名前は知らないけど、もちろん純粋で罪の無いな市民のだよ? ほら、これとか小さな子供のやつなの? 綺麗?
あはははッ! すっかり弱体化させられた体で飛びかかってきて私をどうするつもり? ほら、大人しく寝なさい!
何その目は? はい、四人目。
もう一人追加されたくなかったら大人しくしなさい。
ふふっ、そう、それでいいの。もう今の貴方じゃ何をしたって私を殺せないんだから。
それじゃあ、次は何をしてもらおうかな。
貴方は私のモノになってくれるのよね?
本当? 嬉しい、愛してるわ。
じゃあ、んふっ、ちょっと恥ずかしいけど、しっかり愛を行動で示してもらおうかしら。ほら、ついてきて、シャワーを浴びて、そしたら、ふふっ言わなくても分かるわよね?
私をちゃあんと楽しませてくれたらご褒美もあげるわ。
はぁ…、最高。貴方も熱心ですごく良かったわよ、献身的な愛を感じるわ。
じゃあご褒美をあげようかしら。どうしたの? 嬉しくないの?
嬉しい? そうよね、良かった。ちゃんとご褒美考えたんだから、飴と鞭の使い分けくらいできるわ。
貴方の気にしている心臓、あれ、人間のだと思った?
どうしたのキョトンとしちゃって? その顔も可愛くていいわね。
ふふっ、あれはね、森の中で適当に見つけた動物の心臓よ。嘘じゃないわ。
あは、何、どうしたのそんなに泣いて。ありがとうございます、ありがとうございます? ふふっ、ようやく私のありがたみが分かったみたいね。
でも、これは今回限りよ。次は本当に人間を殺すわ。ええ、できない、しない、なんて思わないわよね?
大丈夫、貴方が私の従順な眷属で居てくれれば何もしないわよ? 今の私は貴方で満たされているんだもの?
それじゃあ、もう一回聞くわよ?
貴方は人間としての自覚を捨てて私を愛してくれる?
ふふっ、いい答えだわ。愛してる、永遠に。
吸血鬼はここまで。
もし続きやIFの希望があれば書くかも?
次はもっと優しいヒロインが




