アウラウネ(育成、幸福)
なー。のーどー。みーずーー、みーず。
あー? うまー。
ごはん、ごはーん。
にく? にーく?
ま…せき? ませき?
うまー! うまうま!
ありが、…と。
あ、えっと。お、おはよう。
あ、ちょ、ちょっと…。
お、驚かないで、ベッドから落ち…落ちちゃうよ……?
あ、ダメ、逃げないでッ!
えっと、その、ごめんない。
急に喋って…、今は拘束までしちゃって、驚いた……よね?
き、貴殿からしたら、赤ちゃんみたいな、えっと? ち、知性しか無かったはずのペット用の植物が急に話し出して、怖かったよね?
だ、大丈夫、痛い事とか、しないよ?
だ、…だから! わ、私の話、聞いてくれない?
話……、聞いてくれる? ありがとう。
あ、ごめんなさい。拘束、やめるね。
えっと、えっと。
じゃあ、まず、私の話し方、変じゃない?
夜中のうちに、その、勝手にだけど家中の本を読んだの。普段から貴殿が話しかけてくれてたらから言葉はわかったし、辞書ってのもあったけど、実践は…、初めてだから。 大丈夫、かなって……。
あ、え? 貴殿って何かって……?
え、だって、えっと、書いてあったの。
恩人とか、目上の人? って言うのはこう呼んだ方が良いって。
あ……、そう? 普通の話し言葉じゃあんまり使わない? あなたで十分?
わか、分かった。ありがとう。
あとは…大丈夫そう?
え、えへへ、良かった。
成長したら、あなたと沢山、お喋りしたいと思ってたの。
うん? なんで、こんなに成長したか知りたい?
そっか、えっとね。そもそも、あなたが育ててた私、多分あなたはペット用の、体も知性も魔力もそれ程成長しないレッサー・アウラウネ….、だと思ってたでしょ?
私もね、よく分かって無いんだけどね、多分、そ、そうじゃないの。
私はペット用じゃない、原種のアウラウネ、だと思うの。
しかも、あなたがたまにくれていた、ほとんど魔力を使い切った魔石の中にね、新品の、品質が良いのが混ざってたの。
だ、だから急に成長できたの。
ほ、ほら、だから、体はまだあなたと同じ、人間種の子供くらいの大きさだけど、蔓も伸ばせるし、魔力もあるし、……頭も、良くなったの。
あなたの、……おかげだよ?
ありがとう。
こ、これで、ずっとしたかったお話しとか、他にも、その…、もっと色んなことできるよ…!
……え? は、え……?? い、今なんて……?
困る? こんなに大きくなる魔物、家には置いて置けない?
ふぇっ、え? え……?
わ、私ね、あなたとお話ししたかったの。
傷つけたり、迷惑かけたりしないよ?
だ、ダメ……?
な、なんでッ!
私ね、いつも色々話しかけてくれるのに、よく分からなくて、何もできなくて、……で、でも頑張って分かるようになろうとして……ずっとずっと頑張って、それでも……、できなくて。
やっと、やっと! 昨日の幸運で、それができるようになったんだよ?
な、なのに、困るの? こんな、私、居ない方がいい…の?
な、何か言ってよ! 何で黙るの! あ、何で後退り、し、してるのッ!
ひ、酷いよ…。酷い、酷い酷いひどい!
許さない、許さない! 絶対許さない。
ほ、ほら、私を置いていこうとするから、捕まえちゃった。
あ、あなたが悪いんだから……ね?
あなたが私を裏切ったの。だから、仕方ない、よ。
ふゅ、あ、暴れないで、叫ばないで!
口にツタ、入れちゃうから。
な、何でそんなに嫌がるの…?
あなたが、そ、その…そ、育ててくれたのに。
う、う…、ふぅ……。ひぃ、、。
ひぃ、あ…。
ほ、本当に、悲しい。あなたに…、あなたと仲良くなりたかった。ただそれだけだったのに、受け入れてくれないの、辛い。
……わた、私をこんなに裏切ったこと、つ、償ってもらうから。
ひ、ひっ。モゴモゴ言ってて何言ってるか分からないよ。
ほら、口の中のツタから蜜を出すから飲んで。
吐こうとしないで、苦しいでしょ? そ、そんなこと….するなら、直接胃の中に流すから、ね?
あ、すごい苦しそう。ご、ごめんね。でも、やっぱりあなたが悪いんだからね?
ふふっ、一回抜いてあげる。呼吸…、できるよね?
よ、良かった。
あは、これであなたは私のモノ、私が居ないとダメな体になっちゃったんだよ?
何を飲ませたか? し、知りたいよね?
えっとね、私の密にね、毒を混ぜたの。
アウラウネが狩りに使う魔法毒、その配分を少し変えたの。
これは、あなたのためだけの毒。
快楽と依存性の強い、あなたの為の魔法。
ふ、ふふっ。素敵でしょ?
毒の効いてる間は私を求めて仕方なくなっちゃって、しかも、定期的に蜜を摂らないとおかしくなっちゃうの……。
そ、そんなに青ざめた顔しないでよ。
これからは私が食べ物をあげて、一緒に寝てあげる。
それから、あなたの色んな欲も、できるだけ叶えてあげる。まだちょっと小さいけど、この体、人間よりよっぽど自由が効くから、ね……?
ほら、もう毒が効いてきたでしょう?
ずっと、ずうっっと、一緒だよ。
ふふっ、いつか、本心から私を受け入れてね?




