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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

「 夏のホラー 2021 」投稿作品

♥ もう、いいかい?「 夏のホラー2021 」

作者: 雪*苺
掲載日:2021/06/27


 「 もういいかい 」と耳囁きが聞こえたら、絶対に返事をしてはいけない────。


 そんな都市伝説を何(ど)処(こ)かのサイトで読んだ気がする。


 何(ど)処(こ)のオカルトサイトだったのか覚えてないけど、「 オカルト かくれんぼ もういいかい 」で検索したら意外とヒットするかも知れない。


 私は検索なんてしないけどね。


 「 もういいかい 」の耳囁きに返事をしてはい(・)け(・)な(・)い(・)理由は2つある。


 1つ目は「 もういいよ 」と返事をすると、何(ど)処(こ)かの異次元へ連れて行かれて帰って来(こ)られなくなる──ら(・)し(・)い(・)って事。


 2つ目は「 ま〜だだよ 」と返事をすると、「 もういいよ 」と返事をするまで何(い)時(つ)までも「 もういいかい 」と耳元で囁かれ続けて、キチガイになる──ら(・)し(・)い(・)って事。


 どっちも “ らしい ” って事だから、信憑性は無いに近そうだし、本(ほん)当(と)かどうか怪しいもんだ。


 どっちも心底願い下げたい結果だと思うし。


 無視をし続ければ「 もういいかい 」は聞こえなくなるみたいだから、被害に遭いたくなかったらひ(・)た(・)す(・)ら(・)シカトするのが正解らしい。


 根気比べになりそう…。


 こんなしょうもなくて都市伝説のドベに年中君臨し続けてそうな「 もういいかい 」を実証しようとしている馬鹿が居(い)たりする。


 いや、本(ほん)当(と)に、マジで、目の前に居(い)るんだよ、コレが。


 クラスに必ず1人は居(い)るであろうイジメっ子のリーダーで、弱者をイジメて優越感に浸りたがるイジメの主犯格──言わば、リアル犯罪者予備生。


 彼女は今、まさにクラスメイトをイジメている真っ最中で、リアル犯罪者共の仲間入りの洗礼を自(みずか)ら受けようとしている。


 是非とも彼女には早く刑務所に入ってもらって、獄中で息絶えてもらいたい。


 なんて暢気に思ってる私は、その他(た)大勢の傍観者(クラスメイト)の1人だから、犯罪者予備軍リトルかしらね。


 イジメの主犯者と共犯者達の事をと(・)や(・)か(・)く(・)言う資格なんて無いわけよ。


 イジメられてる側からすれば、イジメを止(と)めもしないで傍観してる奴等(ら)も共犯者で犯罪者なんだから。


 善意の行動で、イジメられてる子を助けると、今度は自分がターゲットにされてイジメられる羽目になる。


 だから皆(みんな)、知らん顔して関わろうとしない。


 助けたら最後、地獄に落とされるのは馬鹿真面目に救いの手を差し述べた自分で、馬鹿を見る羽目になる。


 助けた子までがイジメっ子側に回って、容赦なくイジメに加担してくる始末。


 そんな事になるのを嫌(いや)って程、知っているわけだから、助けるわけねぇだろって事で──。


 だけど…ただ見ているだけでは済まない状況になっている。


 見えない人達が羨ましい。


 気は進まないけど、教えてあげないといけない。


 別に教える必要もないんだけど、後味が悪くなるからね、取り敢えず教えとこうと思う。


「 ほらっ、ほらっ、アタシが合図したら『 ま〜だだよ 』って言うのよ!

  言わないと分かってるでしょうねぇ! 」

「 …………止(や)めてよ…。

  嫌(いや)だよ…。

  言いたくないよ… 」

「 煩いっ!

  アタシに逆らうな!!

  グズの癖に!!

  さっさと●ねよ!

  ゴキブリ〜〜〜〜 」

「 ……あのさ、ミタカさん。

  “ 四知の法 ” ってのがあるんだけど、知らないと思うから教えとくね 」

「 はぁ?

  何(なに)よ、急に 」

「 人の嫌(いや)がる事をすると、別の形で自分に帰って来(く)るんだよ。

  ミタカさんは、未来の自分の首を自分の手で締めようとしてるの。

  見られてるから、考え直(なお)して止(や)めた方ががいいよ 」

「 はぁぁぁ?

  知るかよ!

  アタシの邪魔するなら、アンタもイジメるよ! 」

「 あっ、自分で認めちゃったね。

  犯罪者だって。

  自覚してるのに止(や)める気はないんだ?

  御愁傷様だね… 」

「 お前、アタシに喧嘩売ってんのかよ! 」

「 とんでもないよ〜〜。

  知らないミタカさんに忠告してあげただけ。

  邪魔する気はないよ。

  私は “ 止(と)めた ” からね。

  ミタカさんの取り巻きしてるカシマさん達も、ミタカさんのと(・)ば(・)っ(・)ち(・)り(・)を受けたくなかったら、今からミタカさんがさせる事には関わらない方が身の為だよ。

  ──私は夕飯を作らないといけないから帰るけど、カシマさん達も一緒に帰らない? 」

「 トヨガぁ!

  いい加減にしろよ!

  テメェがゴキブリの代わりに── 」

「 じゃ、さよなら〜〜 」


 言いたい事だけ言った私は、さっさと教室を出たら下駄箱まで速攻した。

 ミタカさんに捕まるなんて御免だもんね。

 カシマさん達は……来(こ)ないか。

 まぁね…来(く)るわけないよねぇ。

 ミタカさんに関わりたくなかったら、抑(そもそも)取り巻きにならないもんねぇ。

 ミタカさんと一緒に集団リンチコースを選んだか…。

 止(や)めたら良(よ)かったのに……。

 カシマさん達、ミタカさんと一緒に御臨終か。

 ナンマイダ~~~~。












 翌日──、昨日(きのう)の放課後、無駄に意気がっていたミタカさんと取り巻きのカシマさん達が学校を休んでいる。

 机の上に白菊と黒リボンをセットした花瓶を供えてあげた方が良(い)いんじゃない?

 多分、もう帰って来(こ)れないと思うからね。

 昨日(きのう)の今日(きょう)の事だけど、結果が出るの早過ぎるでしょう。

 ミタカさんにイジメられていたヨタニさんは学校に来(き)ている。

 見えない人達が羨ましいわ〜〜。

 天井の隅(すみ)っこに真っ黒い靄(モヤ)が蠢(うごめ)いている。

 靄(モヤ)の中から偶(たま)に手が見える。

 制服もチラリと見えるから、この教室に居(い)た生徒だろうな──って思う。

 ミタカさんだけじゃなくて、カシマさん達もと(・)ば(・)っ(・)ち(・)り(・)で捕まっちゃったみたいね。

 御愁傷様で〜〜〜す。











 人の嫌(いや)がる事をしたら、その分だけ形を変えて自分に帰って来(く)る。

 それが何(い)時(つ)になるか、人間には分からない。

 今回みたいに直(す)ぐに帰って来(く)る事って珍しいんじゃないかな?

 嘘か本(ほん)当(と)か──、面白半分で都市伝説(オカルト)を実証しようなんてするから、罰(バチ)が当たっちゃったんだよ。

 見える人なら絶対にしないような事も、見えない人は平気でしちゃう。

 「 もういいかい 」に返事をしたのがヨタニさんだとしても、「 もういいかい 」が聞こえていたのはミタカさんなんだから、被害に遭うのはミタカさんに決まってる。

 本来ならば、被害に遭うのはミタカさんだけで済んだ筈なのに、ミタカさんの取り巻きをしていたカシマさん達まで「 もういいかい 」に取り込まれてしまう結果になった。

 ヨタニさんが無事だったのは、カシマさん達が犠牲になってくれたお蔭だろうね。

 良(よ)かったね、ヨタニさん★

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