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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「 夏のホラー 2021 」投稿作品

♥ もう、いいかい?「 夏のホラー2021 」

作者: 雪*苺


 「 もういいかい 」と耳囁きが聞こえたら、絶対に返事をしてはいけない────。


 そんな都市伝説をかのサイトで読んだ気がする。


 のオカルトサイトだったのか覚えてないけど、「 オカルト かくれんぼ もういいかい 」で検索したら意外とヒットするかも知れない。


 私は検索なんてしないけどね。


 「 もういいかい 」の耳囁きに返事をしては理由は2つある。


 1つ目は「 もういいよ 」と返事をすると、かの異次元へ連れて行かれて帰ってられなくなる──って事。


 2つ目は「 ま〜だだよ 」と返事をすると、「 もういいよ 」と返事をするまでまでも「 もういいかい 」と耳元で囁かれ続けて、キチガイになる──って事。


 どっちも “ らしい ” って事だから、信憑性は無いに近そうだし、ほんかどうか怪しいもんだ。


 どっちも心底願い下げたい結果だと思うし。


 無視をし続ければ「 もういいかい 」は聞こえなくなるみたいだから、被害に遭いたくなかったらシカトするのが正解らしい。


 根気比べになりそう…。


 こんなしょうもなくて都市伝説のドベに年中君臨し続けてそうな「 もういいかい 」を実証しようとしている馬鹿がたりする。


 いや、ほんに、マジで、目の前にるんだよ、コレが。


 クラスに必ず1人はるであろうイジメっ子のリーダーで、弱者をイジメて優越感に浸りたがるイジメの主犯格──言わば、リアル犯罪者予備生。


 彼女は今、まさにクラスメイトをイジメている真っ最中で、リアル犯罪者共の仲間入りの洗礼をみずから受けようとしている。


 是非とも彼女には早く刑務所に入ってもらって、獄中で息絶えてもらいたい。


 なんて暢気に思ってる私は、その大勢の傍観者クラスメイトの1人だから、犯罪者予備軍リトルかしらね。


 イジメの主犯者と共犯者達の事を言う資格なんて無いわけよ。


 イジメられてる側からすれば、イジメをめもしないで傍観してる奴も共犯者で犯罪者なんだから。


 善意の行動で、イジメられてる子を助けると、今度は自分がターゲットにされてイジメられる羽目になる。


 だからみんな、知らん顔して関わろうとしない。


 助けたら最後、地獄に落とされるのは馬鹿真面目に救いの手を差し述べた自分で、馬鹿を見る羽目になる。


 助けた子までがイジメっ子側に回って、容赦なくイジメに加担してくる始末。


 そんな事になるのをいやって程、知っているわけだから、助けるわけねぇだろって事で──。


 だけど…ただ見ているだけでは済まない状況になっている。


 見えない人達が羨ましい。


 気は進まないけど、教えてあげないといけない。


 別に教える必要もないんだけど、後味が悪くなるからね、取り敢えず教えとこうと思う。


「 ほらっ、ほらっ、アタシが合図したら『 ま〜だだよ 』って言うのよ!

  言わないと分かってるでしょうねぇ! 」

「 …………めてよ…。

  いやだよ…。

  言いたくないよ… 」

「 煩いっ!

  アタシに逆らうな!!

  グズの癖に!!

  さっさと●ねよ!

  ゴキブリ〜〜〜〜 」

「 ……あのさ、ミタカさん。

  “ 四知の法 ” ってのがあるんだけど、知らないと思うから教えとくね 」

「 はぁ?

  なによ、急に 」

「 人のいやがる事をすると、別の形で自分に帰ってるんだよ。

  ミタカさんは、未来の自分の首を自分の手で締めようとしてるの。

  見られてるから、考えなおしてめた方ががいいよ 」

「 はぁぁぁ?

  知るかよ!

  アタシの邪魔するなら、アンタもイジメるよ! 」

「 あっ、自分で認めちゃったね。

  犯罪者だって。

  自覚してるのにめる気はないんだ?

  御愁傷様だね… 」

「 お前、アタシに喧嘩売ってんのかよ! 」

「 とんでもないよ〜〜。

  知らないミタカさんに忠告してあげただけ。

  邪魔する気はないよ。

  私は “ めた ” からね。

  ミタカさんの取り巻きしてるカシマさん達も、ミタカさんのを受けたくなかったら、今からミタカさんがさせる事には関わらない方が身の為だよ。

  ──私は夕飯を作らないといけないから帰るけど、カシマさん達も一緒に帰らない? 」

「 トヨガぁ!

  いい加減にしろよ!

  テメェがゴキブリの代わりに── 」

「 じゃ、さよなら〜〜 」


 言いたい事だけ言った私は、さっさと教室を出たら下駄箱まで速攻した。

 ミタカさんに捕まるなんて御免だもんね。

 カシマさん達は……ないか。

 まぁね…るわけないよねぇ。

 ミタカさんに関わりたくなかったら、そもそも取り巻きにならないもんねぇ。

 ミタカさんと一緒に集団リンチコースを選んだか…。

 めたらかったのに……。

 カシマさん達、ミタカさんと一緒に御臨終か。

 ナンマイダ~~~~。












 翌日──、昨日きのうの放課後、無駄に意気がっていたミタカさんと取り巻きのカシマさん達が学校を休んでいる。

 机の上に白菊と黒リボンをセットした花瓶を供えてあげた方がいんじゃない?

 多分、もう帰ってれないと思うからね。

 昨日きのう今日きょうの事だけど、結果が出るの早過ぎるでしょう。

 ミタカさんにイジメられていたヨタニさんは学校にている。

 見えない人達が羨ましいわ〜〜。

 天井のすみっこに真っ黒いモヤうごめいている。

 モヤの中からたまに手が見える。

 制服もチラリと見えるから、この教室にた生徒だろうな──って思う。

 ミタカさんだけじゃなくて、カシマさん達もで捕まっちゃったみたいね。

 御愁傷様で〜〜〜す。











 人のいやがる事をしたら、その分だけ形を変えて自分に帰ってる。

 それがになるか、人間には分からない。

 今回みたいにぐに帰ってる事って珍しいんじゃないかな?

 嘘かほんか──、面白半分で都市伝説オカルトを実証しようなんてするから、バチが当たっちゃったんだよ。

 見える人なら絶対にしないような事も、見えない人は平気でしちゃう。

 「 もういいかい 」に返事をしたのがヨタニさんだとしても、「 もういいかい 」が聞こえていたのはミタカさんなんだから、被害に遭うのはミタカさんに決まってる。

 本来ならば、被害に遭うのはミタカさんだけで済んだ筈なのに、ミタカさんの取り巻きをしていたカシマさん達まで「 もういいかい 」に取り込まれてしまう結果になった。

 ヨタニさんが無事だったのは、カシマさん達が犠牲になってくれたお蔭だろうね。

 かったね、ヨタニさん★

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