初めてのクエスト
「、、、ふぅー」
煙を吐きながら俺は鍛冶屋に続く道を歩く。そう、俺は今タバコを吸っている。いや違うんだよ。このゲームはタバコを吸えばSTRバフがかかるとかそういうのないけど。このゲームは12歳以下は親御さん同伴じゃないとゲームできないし間違っても子供がタバコを吸うことはないだろう。それに子供は味が凄くエグいらしい。前に調子に乗った子供はタバコを吸ってむせ返りながら形容しがたい顔で転げ回ったらしい。
俺?、、、仕方ないだろ男は15からタバコとバイクに憧れるようになるんだよ。そういう生き物なんだよ。それにそこまでエグくないし。
「おーい、剣治った?」
「おーホオヅキか。治ってるぞ。そこにおいてあるぞ」
鍛冶屋に着き、中に声をかけるとちょっとハスキーな女性の声が返ってくる。隣の剣立てを見ると、直った旅人の剣と短剣が置いてあった。
「ありがとうな。代金いくら?」
「10000マニーだ。ってホオヅキ、お前タバコ吸うのか?一本くれ」
「ほい10000マニー。それとタバコな」
「あんがと。火ぃくれ?」
10000マニーを受け取り、タバコに火を貰ったサイカは、俺の前に座に座りゆっくりとその長い足を組んだ。
「それで、他に何か用事はあるかい?」
「用事は特にはないけど、、、あっそういえば聞きたいことがあった」
「ん?なんだ」
「どっかに強いモンスターとかいない?」
昨日、剣の修理を任せた後、素手でずっとモンスターと戦っていたが、たまに出てくるヴォーパルバニー以外は襲ってこなくなってしまった。自分で作ったルールだが、こうも襲ってこないとレベルも上げることが出来ない。
自分の姿を見て、逃げていくフォレストウルフの群れを見て、少し悲しくなったのは内緒だ。
「ん~強いやつか。今のお前が強いと感じられるやつ。ん~そういえば」
足を組み換え、タバコの煙をゆっくりと吐きながらサイカが言う。
「東の山のどこかに極東の社があるらしいって昔からここいらで言われている。その社にはずっとゴーストがいるとも言われてるな」
「まじで?」
「私は子供の頃親父からこの話を聞いたが、親父はあると言っていた。今は確認の仕様がないが、多分あると思うぞ」
東の山に極東の社、そこを守る強いやつ、か。
「なぁ、お願いがあるんだが」
「ん?」
サイカが煤が着いた綺麗な顔を近づけながら、こういった。
「その社を、探してくれないか」
・ユニーククエスト
「父が見た幻想」 NPCサイカ
受諾しますか yes/no
「ふぇ」
変な声出た。




