お金っていいよな
あの後、ずっと森に籠っているが、あのウサギは七匹しか出てこなかった。やはり、レアモンスターだったようだ。
「もうあんまりレベルは上がらないな」
森で襲いかかってくる敵のみを倒しているからか、最初はレベルの上がりは良かった。しかし、上がっていくにつれ、あまり襲いかかってこなくなり、レベルも上がらなくなってきた。
「それに、、、」
これは後半に気がついたことだが、剣の切れが明らかに悪くなっているのだ。若干威力が弱くなっているし、スピードもでなくなっている。
しかし、短剣に変えると少しはましになる。この事から見るに
「おれ自身のスピードが落ちているのと、剣の鋭さが減っているのか」
剣を〔鑑定〕してみると
旅人の剣
・旅人が最初に持っている剣。癖がなく、使いやすい直剣
STR+5
耐久値 25/40
やはり耐久値が減っている。
「まぁ七時間も森に籠ればこんなもんか。耐久値に比例して切れ味とかも落ちるようだな」
剣をよく見ると、結構ボロくなっている。ずっと振り続けていたから、こうなるのは当たり前だが。
ちなみに、耐久値の減りは、武器を雑に使えば使うほど早くなり、きれいに使うほど長くなる。初期装備だと、普通はこんなに長くは持たないが、その事をホオヅキはまだ知らない。
「後はスピードが落ちている件だが、これも心当たりがある」
恐らくだが、空腹度だろう。このゲームでは、バーニーの串焼きしかり、特に効果がないのに売られている食べ物がある。恐らく、空腹度の回復のための物だろう。
七時間何も食べずにゲームをして、やっとスピードが落ちてきたから、大体六時間半くらいからデバフがつくようになっているのだろう。
「レベルも大分上がったな」
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PM ホオヅキ
LV 13
10,000マニー
JOB 旅人
種族 ーーーーー
HP 50
MP 20
STR 50
AGI 70
VIT 1
DEX 15
LUK 65
スキル
〔剣術〕Lv:3
〔短剣術〕Lv:2
〔採取〕Lv:5
〔走行術〕Lv:3
〔鑑定〕Lv:5
〔察知〕Lv:4
〔体術〕Lv:2
称号
・ピクシーの祝福
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ちなみに、スキルポイントは1レベル上がるごとに10ポイントもらえるようになっている。
ピクシーが言っていたLUKとAGIを重点的にあげているがほんといにこれでいいのか不安になったので、STRも少し上げている。
途中から短剣を持って戦ったり、ケンカスタイルで戦っていたので、〔短剣術〕のレベルがあがっていたり、〔体術〕を獲得したりしている。
「あれを〔体術〕と捉えて良いのかは謎だな」
あれは経験則と勘に任せた速さだよりの暴力なのだが。まぁ何かと気に入っているから別に良いのだが。
「かなりドロップアイテムもたまったな」
最初のウサギを始め、違うウサギや狼など、様々なアイテムが集まった。スライム?あいつは攻撃してこないから別に倒してない。
「さてと、どこで売るのかなっと」
こういう素材はあんまり要らないので、早めに売りたいが、どこで売るのかわからない。
「聞きに行くかぁ」
また串焼き買いたいし
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「ようおっちゃん」
「んん?ああ坊主か。何か用か?」
「素材とか売る場所知らない?」
「偉く急だな。どんな素材があるんだ?」
「ヴォーパルバニーとラービーとフォレストウルフの素材が大量に」
「そうかそれなら職人街に行けばいいと思うぞ。後ラービーは内で卸していくか?そこらで売るより高く買い取るぞ?」
「おっまじで!サンキュー。結構あるぞ」
「どれくらいだ?」
「九十体以上」
「なんでそんなにあるんだ?」
だってあいつら狼より襲ってくるんだもん。結構速いし。
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「職人街のサイカっと。ここかな?すみませ~ん。串焼きのおっちゃんの紹介で来ました。」
串焼きのおっちゃんの紹介で、サイカという人に会いに行けと言われたがここであっているのだろうか?
「あん?なんだ?ジルのおっさんの知り合いか?」
あのおっちゃんジルっていうのか。串焼き屋の割にはかっこいい名前してんな。
「ここに行けば武器直してくれるって言ってたから」
「ったく、ジルのおっさんめ。とりあえずてめぇの獲物を見せてみろ」
言われた通りに剣と短剣を出す。
「ほう?甘ったれの調子に乗ったガキかと思ったがなかなかどうだ結構やるじゃねぇか」
何かわかったのだろうか。剣と短剣を見ながら呟くようにそう言った。その眼は今までの迷惑そうな眼ではなく、少しの驚きと感嘆を宿していた。
「最近の奴らは自分で壊すように獲物を使うくせにそれを武器のせいにする。武器は確かに消耗品だが、それは雑に使う理由にはならん。そんな奴に力を貸さんが、お前みたいな使い方をする奴なら仕事を受けてやる。坊主、名前は」
「ホオヅキだ」
「俺はサイカだ。武器のことなら私に任せな」
そう言って、金槌をもった女は笑った。
この後、素材の買取でひと悶着あったが俺の持ち金は160,000マニーを突破した。ここ最近で一番テンションが上がった瞬間だった。




