幽鬼と鬼灯 1
ムズイ、、、戦闘ってどう書けばいいの?
階段を登っていく。肌を撫でるように吹く風がこの先に目的があると教えてくれる(多分)。周りの木がざわめく。その度にひりつく様なプレッシャーが襲う。
現在、強すぎるマブダチや数十の群れで襲ってくるお隣さんとのレベル上げの果て、レベルは35だ。ハッキリ言って序盤でこのレベルになるまで襲ってくるとは思わなかった。お隣さんは一匹の時は逃げられるが、その後大群を引き連れてきた時は若干嬉しかった。
「っと。ここか」
階段を登りきると、朽ちて上の部分が無くなった鳥居のようなものがあった。
「完全に日本風だよな、これ」
そしてその奥にそいつはいた。
古びた日本風の鎧、鬼のような仮面を着けた兜、そして日本の刀を携えた幽霊が、そこにはいた。
分かる。こいつは本来35程度のレベルじゃ相手にしちゃいけないタイプだ。明確な敵意を向けられていないのにここまでの存在感を出せる奴はこれまででも片手で数える程しかいない。、、、あっ、両手超えたわ。
だが、こちとらそんな奴ら相手にアシストなしで戦ってきたんだ(初見で勝てたことは数回しか無いが)。この位で怖じ気づく事はない。
「よぉ。闘ってくれねぇかな」
直った旅人の剣を出しながらそう問いかける。ああまた口調が雑になる。この癖直さないとな、いい加減。まぁ今はどうだって良いか。
「〔鑑定〕」
ユニークモンスター
迅雷のキョウジュウロウLv:135
・かつての戦において、最も味方を救った英傑の一人だったが、たった一人の女性と交わした、かつての約束にとらわれた幽鬼。約束の地にたどり着こうが、もうその目は約束を見ることが出来ない。
「マジかよ」
一応このゲームはレベルの上限解放があるらしいが、それでもこのレベル差はヤバい。約四倍ぞ、四倍。こちらは未だにVITが1だぞ。日本刀使いに速さと読みで勝てるだろうか。
咥えていたタバコを一息吸って握り消す。これはガチでいかないと絶対に勝てない。
「、、、」
キョウジュウロウの正面に構える。息を吸って吐くこの一瞬が、とても長く感じる。キョウジュウロウの手が動く。
一瞬
「っしゃおらぁ!」
キョウジュウロウの刀が首めがけて恐ろしい速度で抜刀された。それを剣でいなすように、自身は前にしゃがむようにして避ける。
思わず声が出た。
「ふっ!」
キョウジュウロウの刀が風を切り裂きながら返ってくる。それに合わせるように剣で受け流しながらさらに前に出る。良かった。STRは敵わないだろうが、AGIは追いつける。それに
「よぉ。刀振るだけじゃ俺には勝てんぜっ!」
キョウジュウロウは生前は恐らく何かしらの流派の使い手だったのだろう。それこそ英傑と言われる程の。だが今の刀は恐ろしく速く鋭いだけの刀だ。それでは俺には通用しない。
キョウジュウロウの一閃を気合いで避け、下から掬い上げるように剣で切る。
「!」
キョウジュウロウが始めて驚いた様な気がした。そして、明らかな殺気を纏わせ、刀を構え直した。
こうして、幽鬼と鬼灯の闘いが幕を上げた。
今回も短めでした。




