第3部 第18話 超越者の使命
「婚約されたのか、レイ殿、アイカ殿、おめでとうございます」
雫達、ピースメーカーは、レイとアイカ達の婚約の話を聞き、祝福の言葉を送る。
「みなさん、ありがとうございます」
嬉しそうに感謝を伝えるアイカの指には、キラリと光るダイヤの指輪が光っていた。
「って、何の話やねん!」
ポニーテイルの黒髪美人剣士・皇 楓がツッコミを入れる。
「楓ちゃん、おめでたい時は、きちんと祝福を送らないといけないよ」
三つ編みに、丸メガネの大鳥 朱音が楓に一言、言った。
「そうだぜ。楓嬢。モテないからって他人の幸福にケチ付けるのは頂けない……前は、自己紹介していなかったな。オレは、ダリオ・リュークス。転生者だ。レイ殿には、同胞のケンタウロス族が世話になっているからな、ありがとう」
爽やかな、茶髪イケメンのケンタウロス、ダリオが笑顔で、挨拶と礼をする。
ダリオは、ケンタウロス族を守る為に活動している。だから、ケンタウロス族を助けてくれた。
レイと合衆国には感謝していた。
「だれが、万年男日照りや!」
「楓、そこまでは、誰も言ってない。楓は黙ってたら、モテるのに……レイ君は、ラビット族も沢山助けてくれた。あたしは、ミント・クリーム。本当に感謝してるよ。ありがとう」
ラビット族のミントも転生者になるが、仲間を守る活動をしている。
ラビット族は弱い種族に入る。他の獣人から嫌がらせや、迫害を受ける事が多かった。
レイが作った、首都ユートピアには、ラビット族が多く移住している。中にはミントの知り合いも多く移住していた。
知り合いからは、ユートピアは素晴らしい所だと聞いていたから、レイには感謝しかなかった。
「すみません。実は、婚約の話が今後、関わるんですよ」
恥ずかしそうに、話をするレイ。
楓達は、婚約の件が最終戦争に関係するか分からないが、レイの話の続きを聞く事にした。
♢♢♢
高らかに、ガリアス神父が4人の婚約を告げた。
「よかったニャ。お姉ちゃんは、これで安心できるニャ」
ポロポロと泣きながら、喜ぶエリカにアイカは胸が熱くなった。自分の事を心配して、背中を押してくれた姉に、感謝しかなかった。
「ありがとう、姉さん」
「よかったニャ。これで安心して、私も結婚できるニャ」
「「「えっ?」」」
その場にいた、全員が理解出来ずにいた。
「ね、姉さん? ど、どうゆう事?」
動揺するアイカは、震えながらエリカに尋ねる。
「カイン様と私、レジスタンスの頃から、付き合ってるニャ。お腹に子供がいるニャ。カイン様は、レイ様が心配でいたから、子供の事も伝えてないニャ」
「なっんだって! 誰か! ウォル兄さんとカイン兄さんをすぐに連れて来てくれ! 最優先、大至急だ!」
「はっ!」
レイの叫びに、護衛の衛兵達が素早く動いた。
「姉さん! 私より先に、姉さんの方が重大な事になってるじゃない」
「ニャ?」
数分後、ウォル兄さんとカイン兄さんは連れてこられた。
カイン兄さんはエリカの妊娠に驚いていたが、その場でプロポーズをした。
「すまない。エリカに、気を使わせてしまったな……」
「いいのニャ。私もアイカちゃんが心配だったから……」
カイン兄さんといる、エリカはいつもと雰囲気が違った。オレは、自分が鈍感なんだなと心の底から思った。
「そうか。レイは、時間の問題だと思っていたが、カインもか……父上達も喜んでいるだろう」
ウォル兄さんは、ハンカチで涙を拭きながら、つぶやいていた。
みんなで、アルク・ガルスの像に祈りを捧げると、前とは違い、すぐにアルク神に会えた。
「婚約おめでとう! よかったじゃねえか。兄貴も、上手くまとまってよ」
相変わらず、酒樽で酒を飲むアルク神は、祝酒だと呑んでいた。
「そうだ! これを渡す。神からの贈り物だ」
ポイっと光る玉をくれた。
「これは?」
「証だよ。お前が万物を越えし者である。超越者の証だ」
ニヤっと笑いながら、酒を飲むと話を続けた。
「お前、今まで念力を使って不思議に思った事はないか?」
最初は、不思議に思ったが異世界に来たから変化したと考えいた。
「お前は、地球で霊能力を覚醒させ、第2の生である、この世界で超能力を覚醒させたんだよ」
「そうか、だから……」
アルク神の言葉は、心に浸透する様に入ってくる。
「今までは、仮免みたいなもんだが、これからは、全ての神に自由に合う事が出来る。フリーパスのチケットだと思え」
光る玉は、体に吸いこまるように消えた。
「転生者は星の数程、この世界に来たが、超越者は、お前で2人目だ。転移者は、最初から資格がない。そのチケットは、それだけ貴重な物なんだよ」
アルク神は、子供を見るような優しい顔で教えてくれた。
「オレ達、神の話で悪いが天界は大変な事になっている。レイ・カトリック! お前に神託を言い渡す。ゴットアベンジャーを止めて、奴等の裏で暗躍している。進化勢の主・創造神アークと手下である、邪神族と魔神族を阻止せよ」
アルク神が、オレに神託を下した瞬間だった。
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