2/3
エピソード1 三成と吉継の友情
太閤秀吉がまだ存命中であった時の話。
三成はある茶会に出席した。
一杯の茶を飲み回す会だ。
だが、大谷吉継という武将が飲むと、空気が変わった。
次の武将は茶を飲むふりをしただけで、茶器に口をつけようとはしなかった。
なぜなら、吉継はらい病(今で言うハンセン病)にかかっていたからだ。
病気がうつる事をおそれた武将たちは飲むふりだけをした。
三成はそれを憐れに思ったのか、茶を飲み干した。
それに感動した吉継は三成の親友となった。
吉継は目が見えないにも関わらず、関ヶ原の戦いに出陣し、見事関ヶ原の露と消えた。
三成は、人望が無いと言われているが、ここまでした付いてきてくれる友がいた。
つまり、ただ三成は不器用だっただけなのだ。
三成も評価すべき点があるが、不器用な三成を最期まで支え続けた吉継も評価すべきである。
これは後世に作られた話と言われるが、このような逸話があると言う事は、三成が不器用で、それでも本当は優しい人物である事が分かる。
それこそ、三成の特徴と言える。