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勇者パーティーから追い出され、雷に撃たれたら貞操がおかしい世界に来たんだけど!?  作者: 七夕飾梨
第1章 1.つまり、女性が変態な世界
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第04話 あんたの下着なんかどうでもいいのよ!!(鼻血

 ちょっと、神様!


(ぴーという発信音の後にお名前とご用件をお伝えください)


 そんな携帯みたいな!!


「あの、美空さん?」


「だぼだぼ」


 き、気絶したまま鼻血を出してる……。

 早く家に連れて帰ってあげないと……。

 でも、気絶してる人をおんぶは危ないよね。

 仕方ない。


「よいしょ……」


(ひゅー! お姫様抱っことはやりますねー!)


「あ、神様! この状況説明してください!!」


(つーつーつー)


 ま、また携帯みたいな逃げ方したよ。

 なんなんですか。神様との通話って電話みたいな感じなんですか?

 絶対、次来たら問い詰めてやります。

 美空さんを抱っこして、出来るだけ揺らさない様に家に向かう。





 家に帰る着く。

 そんなに遠くないのに息が切れてる……体力の無さが……。

 コンコン、と家の扉をノックする。


「サイト! 帰ってき……た。チッ、あんたか」


 勢い良く扉を開けて出てきたのは【北上(きたかみ)夏風(なつかぜ)】だ。

 金髪のツインテールがトレードマークの女の子だ。

 美空さんと同じ17歳で、僕と同い年だ。


 才徒君を予想していたであろう彼女は帰って来たのが僕なのを確認するとあからさまにガッカリしている。


「夏風さん。美空さんがいきなり鼻血を出して倒れて……早く手当をお願い」


「は? 鼻血? なんでまたそんな…………」


「夏風さん?」


「あんた、まさかずっとそんな恰好だったの?」


 そんな恰好っていうのは、この焦げ穴だらけの服の事だろう。

 まぁ、出て行く時に着替えも何も持ってなかったし……。


「全く、いくら美空もサイトの事を好きだからって、男がそんな恰好して目の前にいたら鼻血くらいでるわよ」


 いや、出ないでしょ普通。


「本当、あんた下着見られたから出て行ったのにそんな恰好で帰ってくるなんて」


 呆れた口調で言ってくるが、彼女は僕を凝視している。

 こ、この近い距離で凝視されると、照れる。

 穴の開いている個所を手で押さえて隠したいけど、美空さんを抱えているので後ろを向いて隠す。


「ちょっ! 違うわよ!! これはあんたも怪我してないか見てあげてるだけなんだから!!」


「あ、そうだったの。ごめん」


 勘違いか。なんか、今までに感じた事のない視線だったから隠してしまった。

 確かに、こんな焦げだらけの服を着ていたら心配だよね。

 いつも、才徒君だけで僕なんか視界に入れていなかったから勘違いしちゃった。

 美空さんもだけど、夏風さんもなんだか優しくなっている気がする……というか優しくなっている。


「あたしはあんたの下着や肌なんかどうでもいいのよ!!」


 だぼだぼ、と音をたてながら鼻血を垂らす夏風さん。


「だ、だから早く、美空を渡して着替えてきて!!」


「は、はい……」


 おかしい。絶対に何かがおかしい。

 美空さんの事も夏風さんの事も僕が出て行った理由も全部が違う。

 これは、神様のせいで間違いないだろうけど、神様は僕を無視する。

 いや、そもそも神様と話せる事自体が凄いのかもしれないけど。


 夏風さんに美空さんは任せて、自分の部屋に戻る。


「な、なんじゃこれ……」


 僕の服を仕舞っている棚の中に見慣れない服がいくつもある。

 着た事も買った覚えもない服、スポーツブラの様な物、ブーメランパンツにキラキラした服にヒラヒラした服。

 まぁ、ボロボロの服のまま居るわけなにもいかないので、いつもの平凡な服を取って着替える。


 ズボンを脱ぐと『ガサッ』とポケットから紙が擦れたような音が聞こえた。


「ん、なんだこれ……って、神様の所で書いた契約書?」


 なんで、こんな物が入っているんだ。

 一応読んでみる。

 改めてサインする時も、しっかり読まずにサインしたし……。


『私は別異世界にて南野柏木の代わりを務めます』


『別異世界を救った後に元異世界に戻り、再度世界を救う事を誓います』


 しっかり読み返すと、他の字体とは明らかに大きさの違う小さい字で書かれた文があった。


 ……あ、あはは、なるほど。

 なるほどね。


「あんの……ペテン師神様めえええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」


(ごめんちゃい☆)

ほぼ毎日6時と12時くらいに投稿予定とは……

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