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アマネセル紀行録  作者: 氷室零
プロローグ
1/34

均衡者の伝説

はじめまして。初投稿になります。

いろいろと拙い部分があろうかと思いますが、ご容赦ください。

 はるか昔、世界がまだ今よりもずっと広く、果てしない大地と空、そして海がどこまでも続いていた頃。


 人間は、自然と共存して生きてきた。そして、人とは異なるもう一つの存在と手を取り合ってきた。


 ある日、一人の人間が枯れた土地を通りかかり、それをあわれんで持っていた水を大地に注いだ。すると、そこから一人の人が生まれ、彼に協力を申し出たという。


 これが人間と精霊の初めての出会いだった。かつて、人が生まれるよりずっと前から自然と共に生きてきた彼らが、人に手を差し伸べたのだ。


 それ以来人間と精霊は、同じ大地の上で共に食べ、共に眠り、互いを助けながら暮らすようになった。

 しかしその生活は、人間の数が増えるにしたがって変化していった。一部の者たちによる争いが起こるようになり、人間と精霊の関係は崩れ始めた。


 そしてある日、とうとう一人の若者が、争いで命を落とした。


 その日を境に、二つの種族の間で激しい戦いが始まった。


 戦いは長期化し、いつしか人間も精霊も疲れ果ててしまった。そして、それは彼らだけにとどまらなかった。彼らが暮らしていた大地もやせ細り、永久に失われてしまったのだ。もはやそこには、小さな虫一匹すらも住めなかった。


 さらにまずいことに、それまで数えきれないほど多くの者が命を落としたせいで、世界を支えていた魔法が力を保てなくなった。暴走し、呪いと化した魔法は、争いが始まった東の地をあっという間にのみこみ、のみこまれた大地は光の射さない暗黒に覆われた。


 争いを続けている場合ではなくなったのだ。


 呪いからなんとか逃げ延びた者たちは、もう二度と同じ過ちを繰り返さないように、力を合わせて大きな魔法を完成させた。


 その魔法がはたらき始めると、人間と精霊の住む世界が二つに分けられ、表と裏の関係を持つ新たな世界が生まれた。これが、現在わたしたちが住んでいる世界になった。暗黒の大地は消し去ることができず、東の地に残り続けている。


 ――――――――


 魔法を完成させたのち、魔法を使った四人の魔導士はとけるように生き残った人々の前から消え去ってしまった。だが彼らは、人間たちから魔法を使える者を四人選びだし、精霊たちの代表の四人と力を合わせて、世界のバランスを保ち、魔法がはたらき続けるよう見守る役割を与えたという。

 彼らを、人々は『契約者』と呼んだ。


 時が流れて、世界が変わっていっても、契約者たちは世界を見守り続けている。そして、世界が再び崩壊へ向かうことがないように、目を光らせているのだ。


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