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孤独な人生  作者: まみろくのすけ
不自由な生活
4/6

朝の散歩

寝床に着いたのはいいんだが・・・下がうるさくてなかなか眠れない。何回も目を閉じて何回も羊を数えているのだが眠くもならない。逆に目が覚めてくる。

さっきまでの疲れはどこへ行ってしまったのだ。

俺はベッドから起き上がり、隣の部屋で寝ているノエルのところへ向かった。

扉をノックし、「おーい入るぞー」

「あ、ちょっと待って!!」

と言われたが遅かった。俺はもう扉を開いてしまった。

なんとそこには

上半身裸のノエルさんがいるじゃないですか!これは最高ですね。神様ありがとうございます・・・

「み、見たわね・・・!」

だが俺には女の裸を見ても興奮しないという耐性があった。

俺の家族には姉と妹がおり、妹にはいっつも「一緒にお風呂入ろう」と言われ入っていたからだ。時々姉にも「怖いもの見ちゃったから一緒にお風呂入ろ?」と言われる。

「大丈夫だって、女の体には耐性あるし、急に襲ったりしないからね?」

「わ、私が見られて恥ずかしいの!いいから出て!ここから早く出て!」

俺はノエルに押され部屋の外に放り投げられ扉が勢いよく閉まりカギを掛けられた。

「は~暇だな~」

ノエルはさっき上半身裸で何をしていたのか気になるな。後で聞いてみよ。

俺は自分の部屋に戻りまた寝床に着いて目を閉じた。今度は眠れそうだ。

「おやすみなさい」


目が覚めた。こっちの世界では初めての朝だ。何時なのか時計を見てみると、

「まだ4時半かよ」

仕方がないから外に出て散歩することにした。とその前に、ノエルの部屋の扉を勝手に開けてみよう。

ガチャガチャ、残念、カギがかかっていて中には入れない。

「なんだよ。寝起きドッキリしようと思ったのに」

その寝起きドッキリ用の仕掛けも用意していたのにな~。

俺は外に出た。この世界での散歩は初めてだ。

出発しようとすると後ろから声を掛けられた。

「すいません。ここら辺に宿屋とかないですか・・・」

ん?なんかどこかで見たような顔だな・・・ってあ!!

「なんで姉貴がこんなところにいるんだよ!」

何故かこの世界にいるはずのない姉貴がそこにはいた。

「え?私あなたと初対面ですよね?」

「何をとぼけてるんだよ姉貴」

姉貴はただぽか~んとしている。

「な、なんですかあなたは・・・まさか通り魔とか!?それか私を襲うために・・・」

なんか被害妄想がすごいな。これは誤解を招いてしまうかもしれない。

「え、いや、なんかその、すいません。顔がとても姉貴に似ているもんで・・・」

体をよく見てみると違うところが多い。一番分かりやすかったところは胸がないということだな。

「誤解が解けて光栄です。ではさっきの質問の続きなのですが・・・」

さっきの質問?ああ。

「ここに来たばっかりでよくわかんないんですよね。お役に立てずすみません・・・」

「いえ、大丈夫ですよ・・・(この役立たずが)」

何かボソッと聞こえたような・・・まあいいか。

「では失礼します」

その女の人は去っていった。

ようやく散歩できる。


まずは街に出てみた。まだ4時半だからな。店も何もかもが閉まっている。特に何もない。

次に路地裏。まさかあの占い師に会うなんてことはないよな?てか思ったんだよ、なんで占い師が異世界に転移させることができるんだよ。謎すぎるだろ。

1人で突っ込んでいると変なお店がやっていた。名前は『まりも』。

まりもってあれだよな。緑色の丸っこいの。

ちょっと気になるということで入ってみた。

のだが、部屋にはただ観葉植物がたくさんあるだけだ。その中には水槽の中にまりもらしきものが入っている。なんかちょっと違う・・・

店の奥にどんどん進んでいく。

「広いなこの店」

奥へ奥へと・・・すると隠し階段とはほど遠いものを見つけた。

俺は進んでいった。何も躊躇することなく。

到着した。そこには壁全面に『まりも』と字が書かれてあった。

「な、なんじゃこりゃ・・・」

思わず声が出てしまった。と後ろから物音がした。

「な、なぜお主がここに・・・」

振り向くとさっき出会った女がいた。

「ほほう。ここは君が経営してるんだね?」

俺が質問をすると、

「は、早く帰れ!」

「私は客だぞ?そんな冷たい態度取っていいのか?ほら警察に言いつけちゃうぞ?」

こうすれば大抵のやつは何もできなくなる。

「な、なんだその警察とやらは・・・まあいい。それよりもここはわしが経営しとるんじゃ、何が客じゃ。ここの店のてっぺんはわしなのじゃ。だからわしが帰れと言ったら帰るのが普通じゃろ!」

てっぺん・・・なんか笑えるな。

「仕方ない、帰るか。あ~あ、せっかくまりも買いに来たのにな~そんなに帰れ言われたら帰るしかないよな~しょうがないからほかの店で買うか~あ~残念だな~」

俺のしゃべり方にムカついたのかそれとも帰ってしまうのが悲しくなったのか。多分その両方だな。

「ああもう分ったよ!ほら、そんな見たくて買いたいなら見ていきなさいな。最初のお客様ということで全品半額にしちゃうぞ!」

おお張り切ってますね。

「あ、すまんが俺お金持ってないから」

そういうとその子は顔を真っ赤にし、

「帰れーーー!!」

と言われたが俺は質問をした。

「名前何て言うんだお前」

「わしか?」

「お前以外にほかに誰がいるんだ?」

「う、うるさいな~!」

その子はそう言って、その場で正座をした。

「私の名はミクニ・マロヒシ。ミクニと呼んでくれ」

珍しい名前だな。そしてなんだろうこの懐かしい感じ。なぜかわからないが日本にいたころを思い出す。涙が出る前に早くここから出よう。あ~、日本に帰りたい。家族に会いたいよ~。

「じゃあな。今日はありがとな」

「褒めたって何もないぞ!」

そんなもん知ってるわ。

俺は店を後にした。


おうふ

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