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モノクロ世界、最後の君へ  作者: 流星さてらいと。
7/8

ーモノクロ世界ー

「うん……」

私は目が覚める。

「ここは?」

目の前に映し出されたのは、病院の天井だった。

「なんで…!?聞く事しか出来ない筈なのに…」

私は驚いた。なんと無の世界では無く元の世界に帰ってこれたんだから。言葉も発する事が出来るし、体を動かす事も出来る。試しに腕を抓ってみると痛みを感じた。

「戻ってこれた…?」

…いや。

私はようやく理解した。この世界は夢では無い、だけど前の現実とは違う現実なんだ。

確かに目で物や景色を見る事が出来る。但しそれには色が無く、モノクロのような色調で視界が少し歪んでいる。

つまり、前まで居た世界とはまた違う世界なんだ。

私はここで思い出した。何故こうなってしまったのかを。

「…そうだ」

私の命を…終わらせに来たんだ。

私は早速自分の手で人工呼吸器を取り外してみた。ガチャ…人工呼吸器は床へと転がる。

…死なない?

そうか、この世界から脱出したら死ねるんだ。私は脱出出来るまでの間病院中を歩き回ってみたけど、患者、医者、看護婦さん…1人として人は存在しなかった。

…そりゃそうか、ここはきっと別の世界だもんね。

そう思いながら私は自室へと戻る…すると、病室の窓からモノクロの光が差し込んだ。

私は気になって窓を覗きこむ。

そこには、相変わらずモノクロではあるが…大好きだった丘の上の夕焼けが輝いていた。

「最後に見たかったんだ、見れて良かった…」

私がそう言った途端、再び世界が崩れさる…。

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